令和7年度 社労士労働者災害補償保険法難易度 やや難個数問題

令和7年度 社労士試験 問12 業務災害の認定(事例問題)

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和7年度 社会保険労務士試験 試験問題」問12(原文のまま・無改変)

次の記述のうち、業務災害として保険給付の対象となるものはいくつあるか。

  • 鉄道保線作業に従事する労働者が、休日に自己の担当する鉄道沿線で事故があったため、使用者の呼び出しを受けて自宅から現場にかけつける途上で、つまずいて転倒し、負傷した場合
  • 職場から2駅離れた社宅に居住する労働者が、休日に、台風のため社宅付近の大木が倒れたことに伴って切断された高圧電線がショートし、枯木に火が付く様子を社宅から目撃したことから、社宅への延焼を防止しようと作業していたところ、強風にあおられた高圧電線に接触して死亡した場合
  • 職業能力開発促進法に基づく技能検定であって、職務に関連する職種に係るものを、使用者から出張命令を受けて受検した労働者が、実技試験中に当該実技に起因して負傷した場合
  • 山岳地区であって地理的条件から天候の変化が激しく、雷の発生頻度も高い地域で、山頂より100メートル下方で植生盤の植付作業をしていた労働者が、夕立のような異様な天候になったので、作業を中止し、他に適当な退避場所がなかったことから山頂の休憩小屋に退避しようと移動していたときに、落雷の直撃を受けて死亡した場合
  • 通常は私鉄バスを利用して帰宅する夜勤労働者が、当該私鉄バスのストライキによる運休のため、早朝、電車で帰宅するつもりでバス停とは反対方向の鉄道駅に向かっている途上で自動車にはねられ、負傷した場合
正解3正解は「三つ」(選択肢3)

記述ごとの解説

  • 正しい

    休日であっても使用者の呼び出しを受けて緊急に現場へ赴く途上の災害は、使用者の支配下にある業務上の災害と認められます。

  • 誤り

    社宅への延焼を防止する作業は、私的な財産・生活を守るための行為であり、使用者の業務とはいえず業務遂行性が認められません。

  • 正しい

    使用者の出張命令を受けて職務関連の技能検定を受検中に、その実技に起因して負傷した場合は、業務遂行性・業務起因性が認められます。

  • 正しい

    落雷頻度の高い地域での作業中、退避場所への移動中の落雷による死亡は、業務に内在する危険が現実化したものとして業務起因性が認められます。

  • 誤り

    バス停と反対方向の駅へ向かう帰宅途上の災害であり、業務遂行性が認められないため、業務災害としての保険給付の対象とはなりません。

解説

業務災害として認められるのはア・ウ・エの三つで、正解は肢3です。アは休日の緊急呼び出しに応じる途上、ウは出張命令による技能検定中、エは作業中の落雷退避中で、いずれも使用者の支配下にある業務遂行中の災害として業務起因性が認められます。イは社宅延焼防止という私的行為、オはバス運休に伴う帰宅途上で、業務遂行性が否定されます。業務災害の判断は『業務遂行性(使用者の支配下にあるか)』と『業務起因性(業務に内在する危険が現実化したか)』の二要件を事例ごとに丁寧に当てはめることが重要です。

ここがポイント

業務災害は業務遂行性(使用者の支配下)と業務起因性(業務に内在する危険の現実化)で判断。緊急呼出し・出張命令中の災害は業務上、私的行為や帰宅途上は業務外。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和7年度(2025年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。