令和7年度 社労士労働者災害補償保険法難易度 難

令和7年度 社労士試験 問13 脳・心臓疾患の認定基準

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和7年度 社会保険労務士試験 試験問題」問13(原文のまま・無改変)

厚生労働省労働基準局長通知「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」(令和3年9月14日付け基発0914第1号。以下本問において「認定基準」という。)に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。 ア 認定基準にいう「特に過重な業務」とは、日常業務に比較して特に過重な身体的、精神的負荷を生じさせたと客観的に認められる業務をいうが、ここでいう日常業務には、労働基準法第36条に基づく労使協定により延長することができる労働時間内に行う業務が含まれる。 イ 認定基準において、業務の過重性の具体的な評価を行うに当たって検討すべきとされている負荷要因の1つに勤務時間の不規則性があり、特に長期間の過重業務の判断に当たっては、勤務間インターバルがおおむね9時間未満の勤務の有無、時間数、頻度、連続性等について検討し、評価することとされている。 ウ 認定基準において、業務の過重性の具体的な評価を行うに当たって検討すべきとされている負荷要因の1つである作業環境(温度環境、騒音)は、長期間の過重業務の判断に当たっては付加的に評価するのに対し、短期間の過重業務の判断に当たっては付加的に考慮するのではなく、他の負荷要因と同様に十分検討することとされている。 エ 器質的心疾患(先天性心疾患、弁膜症、高血圧性心疾患、心筋症、心筋炎等)を有する者が、認定基準にいう対象疾病である虚血性心疾患等を発症した場合については、業務と発症との関連が認められることはない。 オ 労災保険法第7条第1項第2号に定める複数業務要因災害による脳・心臓疾患の認定に関しては、認定基準における過重性の評価に際して、二以上の事業の業務による業務の過重性の検討に当たり、異なる事業における労働時間を通算して評価する。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    アは誤りです。『特に過重な業務』の比較対象となる『日常業務』とは、通常の所定労働時間内の業務等を意味し、36協定により延長できる時間内に行う業務まで含むものではありません。

  • 2誤り

    イは誤りです。勤務間インターバルは認定基準上『おおむね11時間未満』の勤務の有無等を検討することとされており、9時間未満とする点が誤りです。

  • 3正しい

    ウは正しい記述です。作業環境(温度環境・騒音)は、長期間の過重業務では付加的に評価するのに対し、短期間の過重業務では他の負荷要因と同様に十分に検討することとされています。

  • 4正しい

    エは誤り、オは正しいため、組合せとして本肢が正解です(オの正しさにより)。オは正しい記述で、複数業務要因災害による脳・心臓疾患の認定では、二以上の事業の業務の過重性を検討するに当たり、異なる事業の労働時間を通算して評価します。

  • 5誤り

    エは誤りです。器質的心疾患を有する者であっても、業務による負荷が著しく、それが基礎疾患を自然経過を超えて増悪させたと認められれば、業務と発症との関連が認められる場合があります。『認められることはない』とする点が誤りです。

解説

正しいのはウとオで、正解は肢4です。ウは作業環境(温度・騒音)が短期間の過重業務では十分に検討される点、オは複数業務要因災害で異なる事業の労働時間を通算して過重性を評価する点で、いずれも認定基準どおりです。アは比較対象の『日常業務』に36協定の延長時間内の業務まで含めない点、イは勤務間インターバルの基準が『おおむね11時間未満』である点、エは器質的心疾患を有する者でも業務との関連が認められ得る点で、それぞれ誤りです。令和3年改正の認定基準は、勤務間インターバル等の新しい負荷要因と複数業務要因災害の通算評価が頻出です。

ここがポイント

令和3年認定基準では勤務間インターバル『おおむね11時間未満』が負荷要因。作業環境は短期間の過重業務で十分検討。複数業務要因災害では異なる事業の労働時間を通算評価。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和7年度(2025年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。