令和7年度 社労士社会保険に関する一般常識難易度 やや難

令和7年度 社労士試験 問40 社会保険制度

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和7年度 社会保険労務士試験 試験問題」問40(原文のまま・無改変)

社会保険制度に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア いわゆる団塊ジュニア世代の全員が65歳以上となる令和22(2040)年頃を見通すと、85歳以上人口が急増し、認知機能が低下した高齢者や要介護高齢者が更に増加する一方、生産年齢人口が急減することが見込まれている。さらに、都市部と地方では高齢化の進み方が大きく異なるなど、これまで以上にそれぞれの地域の特性や実情に応じた対応が必要となる中で、このような社会構造の変化や高齢者のニーズに応えるために、「地域包括ケアシステム」の深化・推進を目指している。 イ 「地域包括ケアシステム」とは、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制のことをいい、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要となる。なお、介護保険法の規定により、要介護認定を受けようとする被保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、申請書に被保険者証を添付して市町村に申請をしなければならないが、この場合において、当該被保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、地域包括支援センターに当該申請に関する手続を代わって行わせることができるとされている。 ウ ケアマネジャー(介護支援専門員)とは、厚生労働省令で定める実務の経験を有する者であって、厚生労働大臣が行う試験に合格し、かつ、都道府県知事が厚生労働省令で定めるところにより行う研修の課程を修了したものであって、厚生労働省令で定めるところにより介護保険事業を行う市町村及び特別区の登録を受け、介護支援専門員証の交付を受けたものである。なお、介護支援専門員証の有効期間は、原則5年とされている。 エ 出産育児一時金に要する費用は、原則として現役世代の被保険者が自ら支払う保険料で負担することとされているが、後期高齢者医療制度の創設前は、高齢者世代も、出産育児一時金を含め、こどもの医療費について負担していた。また、生産年齢人口が急激に減少していく中で、少子化をめぐって、これまで様々な対策を講じてきたが、未だに少子化の流れを変えるには至っていない状況にある。このため、今般、子育てを社会全体で支援する観点から、後期高齢者医療制度が出産育児一時金に要する費用の一部を支援する仕組みを令和6(2024)年度から導入することとした。 オ 核家族化の進行や人口の都市集中、将来の高齢化社会への展望等を背景に、 全国民を対象とした老後の所得保障の必要性が高まり、 昭和34(1959)年に国民年金法が制定された。これに基づき、無拠出制の福祉年金制度は昭和34(1959)年11月から、拠出制の国民年金制度は昭和36(1961)年4月から実施され、「国民皆年金」が実現することとなった。さらに平成元(1989)年改正における基礎年金の導入により、財政基盤の安定化のほか、基礎年金部分についての給付と負担の公平化、重複した給付の整理が図られた。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    アとイの組合せを誤りとする本肢は妥当しません。アは2040年問題と地域包括ケアシステムの深化・推進についての記述で正しく、イも地域包括ケアシステムの定義及び要介護認定申請の代行についての記述で正しいものです。

  • 2誤り

    アとウの組合せを誤りとする本肢は妥当しません。アは正しく、誤っているのはウとオです。

  • 3誤り

    イとエの組合せを誤りとする本肢は妥当しません。イは正しく、エの出産育児一時金への後期高齢者医療制度からの支援の令和6年度導入も正しい記述です。

  • 4正しい

    誤っているのはウとオの組合せです。ウはケアマネジャー(介護支援専門員)の登録主体を「市町村及び特別区」とする点が誤り(登録は都道府県が行う)、オは基礎年金導入を「平成元(1989)年改正」とする点が誤り(基礎年金導入は昭和60(1985)年改正による)です。よって本肢が正解です。

  • 5誤り

    エとオの組合せを誤りとする本肢は妥当しません。エは正しく、誤っているのはウとオです。

解説

正解は肢4(ウとオ)です。ウはケアマネジャー(介護支援専門員)の登録を「市町村及び特別区」が行うとする点が誤りで、登録は都道府県が行います。オは基礎年金の導入時期を「平成元(1989)年改正」とする点が誤りで、基礎年金は昭和60(1985)年改正により導入されました。ア(2040年を見据えた地域包括ケアシステムの深化)、イ(地域包括ケアシステムの定義と申請代行)、エ(後期高齢者医療制度による出産育児一時金への支援の令和6年度導入)は正しい記述です。社会保障の沿革と制度横断の知識を問う問題です。

ここがポイント

介護支援専門員の登録は都道府県が行う。基礎年金導入は昭和60年改正(平成元年改正ではない)。地域包括ケアシステムと2040年問題を押さえる。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和7年度(2025年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。