令和7年度 社労士労働基準法難易度 やや難

令和7年度 社労士試験 問6 労働基準法第37条(割増賃金の基礎となる賃金)

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和7年度 社会保険労務士試験 試験問題」問6(原文のまま・無改変)

労働基準法第37条(以下本問において「本条」という。)に定める割増賃金の基礎となる賃金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解5選択肢 5 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    割増賃金の基礎から除外できる通勤手当は、距離等に応じて実費弁償的に支給されるものに限られます。距離にかかわらず一律に支給される1,000円部分は実費弁償といえず除外できないため、全額を算入しなくてよいとする本肢は誤りです(昭和23年2月20日基発297号)。

  • 2誤り

    手術手当のように特定の作業に従事したことに対して支払われる手当は、その作業に従事しない時間(手術以外の業務での時間外労働)の割増賃金の基礎には算入する必要がありません。一律に算入しなければならないとする本肢は誤りです。

  • 3誤り

    特殊作業手当が支払われる現場作業を時間外に行った場合、その現場作業はその時間における『通常の労働時間の労働』に当たるため、当該特殊作業手当は割増賃金の基礎に算入する必要があります。算入しなくてよいとする本肢は誤りです。

  • 4誤り

    年俸制で賞与の額が確定しており毎月支払部分と明確に区分されていても、その賞与部分は割増賃金の基礎となる賃金に算入しなければなりません(平成12年3月8日基収78号)。算入しなくてよいとする本肢は誤りです。

  • 5正しい

    正規の勤務時間の一部又は全部が深夜帯に及ぶ看護業務に対し勤務1回につき支払う夜間看護手当は、深夜業に対する割増賃金そのものとは別の手当であり、通常の労働時間又は労働日の賃金とは認められず、割増賃金の基礎に算入しなくて差し支えないとされています。正しい記述です(昭和48年3月6日基収217号)。

解説

正解は肢5です。深夜帯に及ぶ看護業務に対し勤務1回につき支払う夜間看護手当は、通常の労働時間又は労働日の賃金とは認められないため、割増賃金の基礎に算入しなくて差し支えないとされています。肢1は一律支給される通勤手当部分が実費弁償といえず除外できない点、肢4は額が確定した年俸制の賞与も基礎に算入すべき点で誤りです。割増賃金の基礎から除外できる手当(家族・通勤・別居・子女教育・住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金)は限定列挙であり、これに当たらない手当は原則算入する、という枠組みを押さえることが要点です。

ここがポイント

割増賃金の基礎から除外できる手当は限定列挙(家族・通勤・別居・子女教育・住宅・臨時の賃金・1か月超ごとの賃金)。年俸制で額が確定した賞与は基礎に算入する。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和7年度(2025年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。