令和7年度 社労士厚生年金保険法難易度 やや難

令和7年度 社労士試験 問60 厚生年金保険法

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和7年度 社会保険労務士試験 試験問題」問60(原文のまま・無改変)

厚生年金保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 障害手当金の受給権者であって、当該障害に係る障害認定日において2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る当該障害手当金の支給に関する事務は、当該障害に係る障害認定日における被保険者の種別に応じて、厚生年金保険法第2条の5第1項各号に定める実施機関が行う。 イ 実施機関は、必要があると認めるときは、障害等級に該当する程度の障害の状態にあることにより、年金たる保険給付の受給権を有し、又は厚生年金保険法第44条第1項の規定によりその者について加給年金額の加算が行われている子に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命じ又は当該職員をしてこれらの者の障害の状態を診断させることができる。 ウ 遺族厚生年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)は、その受給権者が老齢厚生年金の受給権を有するとき、当該老齢厚生年金の額に相当する部分の支給が停止される。なお、加給年金額が加算された老齢厚生年金についてもこの規定が適用されるため、加給年金額に相当する部分も含めて、当該遺族厚生年金は支給が停止される。 エ 遺族厚生年金の受給権を取得した当時30歳未満の妻が、当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の受給権を取得しない場合、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して3年を経過したときに遺族厚生年金の受給権は消滅する。 オ 事業主が、正当な理由がなく、厚生年金保険法第27条の規定に違反して、被保険者(70歳以上の使用される者を含む。)の資格の取得及び喪失(70歳以上の使用される者にあっては、厚生労働省令で定める要件に該当するに至った日及び当該要件に該当しなくなった日)並びに報酬月額及び賞与額に関する事項について、厚生労働大臣に届け出なければならないにもかかわらず、これを届出せず又は虚偽の届出をした場合は、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    (アとウ)。ウは65歳以後の遺族厚生年金が老齢厚生年金相当部分を停止する仕組みについて、加給年金額部分まで含めて遺族厚生年金を停止するとする点で誤りであり、組合せとして成立しません。

  • 2誤り

    (アとオ)。オは届出義務違反の罰則(6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金)として正しいものの、アの障害手当金の事務の整理に疑義があり、本問の正解にはなりません。

  • 3誤り

    (イとエ)。イは正しいですが、エが誤りです。30歳未満で遺族基礎年金の受給権を取得しない妻の遺族厚生年金は『5年間の有期給付』で、取得日から起算して5年を経過したときに失権します。3年とする点が誤りです。

  • 4正しい

    (イとオ)。イは実施機関が受給権者や加給年金対象の子に医師の診断を命じ又は診断させることができるとする点で正しく、オも厚生年金保険法第27条の届出義務違反に対する罰則として6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金とする点で正しい組合せです。

  • 5誤り

    (ウとエ)。ウは加給年金部分まで支給停止とする点で誤り、エも30歳未満の妻の有期を3年とする点で誤りで、いずれも妥当ではありません。

解説

正解は肢4(イとオ)です。実施機関は受給権者や加給年金額の加算対象である子に対し医師の診断を受けるべき旨を命じ又は職員に診断させることができ(イ・正)、事業主が第27条の届出義務に違反して届出をせず又は虚偽の届出をした場合は6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(オ・正)。ウは65歳以後の遺族厚生年金が老齢厚生年金相当部分を停止する仕組みで、加給年金額部分まで一律停止するわけではない点が誤り、エは30歳未満で遺族基礎年金を取得しない妻の遺族厚生年金が3年ではなく5年の有期給付である点が誤りです。

ここがポイント

30歳未満で遺族基礎年金を取得しない妻の遺族厚生年金は『取得から5年』の有期失権。第27条の届出義務違反は6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金。実施機関は診断命令ができる。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和7年度(2025年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。