平成29年度 宅建試験 問27 契約不適合責任の特約制限(8種制限)
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
- ア売買契約において、当該宅地の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、買主がその不適合を売主に通知すべき期間を引渡しの日から2年間とする特約を定めた場合、その特約は無効となる。
- イ売買契約において、売主の責めに帰すべき事由によって目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合についてのみ引渡しの日から1年間担保責任を負うという特約を定めた場合、その特約は無効となる。
- ウAが目的物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を負う期間内においては、損害賠償の請求をすることはできるが、契約を解除することはできないとする特約を定めた場合、その特約は有効である。
記述ごとの解説
- ア誤り
宅建業者が自ら売主となる場合、不適合の通知期間を『引渡しの日から2年以上』とする特約は有効です(業法40条1項)。引渡しから2年間とする特約はこの例外に該当し有効であるため、無効とする本記述は誤りです。
- イ正しい
民法が定める契約不適合責任は売主の帰責事由を要しない無過失責任であり、責任を売主の帰責事由がある場合に限定し、かつ通知期間を引渡しから1年とするのは買主に不利で業法40条の制限に反するため無効となります。よって本記述は正しいです。
- ウ誤り
契約不適合の場合、買主には追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除が認められます。解除権を一律に排除する特約は買主に不利で民法の規定より不利な特約として業法40条に反し無効となるため、有効とする本記述は誤りです。
解説
正解は肢1(一つ)です。宅建業者が自ら売主となる場合の契約不適合責任の特約は、民法より買主に不利なものは原則無効ですが、通知期間を『引渡しの日から2年以上』とする特約のみ例外的に有効です(業法40条)。アは引渡しから2年間の通知期間特約でこの例外に該当し有効なので『無効』とする記述は誤り、ウは買主の解除権を排除する点で買主に不利なため無効であり『有効』とする記述は誤りです。イは責任を売主の帰責事由がある場合に限定し通知期間も1年とする買主に不利な特約で無効となるため正しい記述です。正しいのはイの一つです。
ここがポイント
宅建業者が自ら売主の契約不適合責任特約は、買主に不利なものは無効。唯一の例外が『通知期間を引渡しから2年以上』とする特約のみ有効という点。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する平成29年度(2017年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。