平成29年度 宅建権利関係難易度 難

平成29年度 宅建試験 問7 請負

問題(引用)出典: 一般財団法人 不動産適正取引推進機構「平成29年度 宅地建物取引士資格試験 試験問題」問7(原文のまま・無改変)

請負契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1正しい

    請負人の帰責事由で中途終了し請負人が出来高に応じた報酬を請求できる場合、注文者が請求できる損害は、残工事費用のうち未施工部分に相当する請負代金額を超える額に限られます(判例の趣旨)。本肢は正しい記述です。

  • 2正しい

    注文者の帰責事由による履行不能の場合、請負人は反対給付(報酬全額)を請求できますが、自己の債務を免れたことで得た利益は注文者に償還しなければなりません(民法536条2項)。本肢は正しい記述です。

  • 3誤り

    目的物に契約不適合がある場合、注文者は追完に代わる損害賠償債権と報酬債権とを同時履行の関係に立たせ、その賠償を受けるまで報酬の支払を拒むことができます(判例)。賠償を受けていなくても報酬全額を支払わなければならないとする本肢は誤りで、これが正解肢です。

  • 4正しい

    担保責任を負わない旨の特約をしても、請負人が知りながら告げなかった事実については責任を免れることができません(民法559条・572条)。本肢は正しい記述です。

解説

正解は肢3です。請負の目的物に契約不適合がある場合、注文者が有する履行の追完に代わる損害賠償請求権と請負人の報酬請求権とは同時履行の関係に立つため、注文者はその損害賠償を受けるまで報酬の支払を拒むことができます(判例)。したがって賠償を受けていなくても報酬全額を支払わなければならないとする本肢は誤りです。肢1は請負人帰責による中途終了時の注文者の損害の範囲、肢2は注文者帰責による危険負担と利益償還(民法536条2項)、肢4は知りながら告げなかった事実の免責不可(572条)を示しており、いずれも正しい記述です。

ここがポイント

契約不適合の場合、追完に代わる損害賠償請求権と報酬請求権は同時履行の関係に立ち、注文者は賠償を受けるまで報酬支払を拒める。担保責任免責特約があっても、知って告げなかった事実は免責されない。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する平成29年度(2017年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。