平成30年度 宅建試験 問2 代理
Aが所有する甲土地の売却に関する代理権をBに授与し、BがCとの間でAを売主、Cを買主とする甲土地の売買契約を締結した場合における記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
代理人が自己の利益を図る意図で代理権を濫用し、相手方Cがその目的を知り又は知り得たときは、無権代理行為とみなされ効果は本人Aに帰属しません(民法107条)。Cが悪意である本肢で効果がAに帰属するとするのは誤りです。
- 2誤り
制限行為能力者であっても代理人となることができ、その代理行為は行為能力の制限を理由に取り消すことができません(民法102条)。補助開始の審判を受けていてもBは有効に代理権を取得できるため、本肢は誤りです。
- 3誤り
双方代理は原則として無権代理とみなされますが、本人があらかじめ許諾した行為については有効です(民法108条1項ただし書)。Aの許諾があれば有効となり得るため、『許諾の有無にかかわらず無効』とする本肢は誤りです。
- 4正しい
代理人が後見開始の審判を受けたことは代理権の消滅事由です(民法111条1項2号)。代理権授与後にBが後見開始の審判を受ければ代理権は消滅し、その後の契約締結は無権代理行為となるため、本肢が正しい記述です。
解説
正解は肢4です。代理人が後見開始の審判を受けたことは代理権の消滅事由とされており(民法111条1項2号)、Bの代理権は消滅します。代理権消滅後にBが行った契約締結は無権代理行為となります。なお肢2のとおり、代理人になる時点での制限行為能力は代理権取得を妨げませんが(102条)、いったん有効に取得した代理権は後見開始の審判によって消滅する点を区別して理解しましょう。肢1の代理権濫用(107条)、肢3の双方代理の許諾による有効化(108条1項ただし書)もあわせて押さえておきたい論点です。
ここがポイント
代理人が後見開始の審判を受けると代理権は消滅する(111条1項2号)。一方、代理人になる時点での制限行為能力は代理権取得を妨げない(102条)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する平成30年度(2018年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。