令和2年度 宅建権利関係難易度 標準

令和2年度 宅建試験 問12 借地借家法(借家・定期建物賃貸借)

問題(引用)出典: 一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和2年度 宅地建物取引士資格試験 試験問題」問12(原文のまま・無改変)

AとBとの間でA所有の甲建物をBに対して、居住の用を目的として、期間2年、賃料月額10万円で賃貸する旨の賃貸借契約を締結し、Bが甲建物の引渡しを受けた場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1正しい

    建物の引渡しを受けた賃借人は、賃貸人たる地位の移転後の新所有者Cに対し、すでに賃料を前払いしていたことを対抗できます(民法605条の2第3項参照、判例)。本肢は正しい記述です。

  • 2正しい

    定期建物賃貸借では賃料改定特約があればそれに従いますが、特約がない場合は借地借家法32条の賃料増減請求の規定が適用され、賃料が不相当となったときはAは増額請求ができます。本肢は正しい記述です。

  • 3誤り

    やむを得ない事情による中途解約の申入れ(借地借家法38条7項)ができるのは『賃借人B』であって賃貸人Aではありません。また居住用で床面積200㎡未満の建物に限られます。賃貸人Aが解約申入れできるとする本肢は誤りで、これが正解肢です。

  • 4正しい

    造作買取請求権(借地借家法33条)は定期建物賃貸借でも適用され、買取請求しない旨の特約がなければ、賃借人はAの同意を得て付加した造作の買取りを請求できます。本肢は正しい記述です。

解説

正解は肢3です。定期建物賃貸借において、転勤・療養・親族の介護等のやむを得ない事情により中途解約を申し入れることができるのは『賃借人』であって賃貸人ではありません(借地借家法38条7項)。賃貸人Aが解約申入れできるとする点が誤りです。肢1は前払賃料を新所有者に対抗できる点、肢2は賃料改定特約がなければ32条の増額請求ができる点、肢4は造作買取請求権が定期借家でも排除特約がなければ行使できる点で、いずれも正しい記述です。

ここがポイント

定期建物賃貸借のやむを得ない事情による中途解約権は『賃借人側』だけの権利(38条7項、居住用かつ床面積200㎡未満)。賃料改定特約がなければ32条の増減請求が働く。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する令和2年度(2020年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。(10月実施分)

解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。