令和2年度 宅建試験 問32 8種制限(手付・クーリングオフ・割賦販売・保全措置)
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間で建物の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
手付による解除は、相手方が契約の履行に着手するまでに限り認められます(宅建業法39条2項・民法557条1項)。買主Bが履行に着手した後は、売主Aは手付の倍額を提供しても解除できないため、本肢が正しい記述です。
- 2誤り
クーリング・オフが行われた場合、売主は受領した手付金その他の金銭を速やかに返還しなければなりません(宅建業法37条の2第3項)。手付金を返還しないとする特約は申込者等に不利であり無効です。
- 3誤り
割賦販売では、賦払金の支払遅滞があっても、30日以上の相当期間を定めて書面で催告し、その期間内に履行がないときでなければ契約解除や残代金の一括請求はできません(宅建業法42条1項)。直ちに解除できるとする本肢は誤りです。
- 4誤り
未完成物件では手付金等が代金の5%以下かつ1,000万円以下なら保全措置は不要です(宅建業法41条1項)。代金5,000万円の5%は250万円であり、手付金200万円はこれ以下なので保全措置を講じずに受領できます。本肢は誤りです。
解説
正解は肢1です。宅建業者が自ら売主となる場合の手付は解約手付とみなされ、相手方が履行に着手するまでは買主は手付放棄、売主は手付倍返しで解除できます(39条2項)。買主Bが履行に着手した後は売主Aから解除できないため正しい記述です。肢2はクーリング・オフ時の手付金不返還特約が無効、肢3は割賦販売の解除に30日以上の書面催告が必要、肢4は未完成物件で代金の5%(250万円)以下の手付金200万円なら保全措置が不要である点でそれぞれ誤りです。
ここがポイント
手付解除は『相手方が履行に着手するまで』。未完成物件の保全措置不要ラインは代金の5%以下かつ1,000万円以下(完成物件は10%以下かつ1,000万円以下)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する令和2年度(2020年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。(10月実施分)
解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。