令和2年度 宅建権利関係難易度 やや難

令和2年度 宅建試験 問6 意思表示(錯誤)

問題(引用)出典: 一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和2年度 宅地建物取引士資格試験 試験問題」問6(原文のまま・無改変)

AとBとの間で令和8年7月1日に締結された売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、売買契約締結後、AがBに対し、錯誤による取消しができるものはどれか。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    表示の錯誤ですが、Aに重大な過失があり、相手方Bは過失なく信じています。表意者に重過失があるときは原則として錯誤取消しができず(民法95条3項)、相手方が悪意・重過失でも共通錯誤でもないため取り消せません。

  • 2誤り

    壺の価値の評価を誤った動機の錯誤ですが、その動機(10万円程度との認識)が法律行為の基礎とされていることを相手方に表示したとはいえず、また錯誤による取消しの要件(95条2項)を満たしません。取り消せません。

  • 3正しい

    絵画を贋作と誤信した動機の錯誤で、その事情が表示され法律行為の基礎とされており(民法95条1項2号・2項)、重要な錯誤です。さらにBも同様に誤信した『共通錯誤』であるため、Aに過失があっても取消しが可能です(95条3項2号)。本肢が取消しできる場合です。

  • 4誤り

    為替計算を誤った表示の錯誤ですが、Aに重大な過失があり、相手方Bは過失なく信じています。表意者に重過失があり共通錯誤等の例外にも当たらないため、原則どおり取消しはできません(民法95条3項)。

解説

正解は肢3です。錯誤による取消しは、表意者に重大な過失がある場合は原則できませんが(民法95条3項)、相手方が表意者と『同一の錯誤に陥っていたとき(共通錯誤)』は例外的に取り消せます(同項2号)。肢3は絵画を贋作と誤信した動機の錯誤がBにも共通しているため、Aに過失があっても取消しが可能です。肢1・肢4は表意者Aに重過失があり相手方が善意無過失で例外にも当たらず取り消せず、肢2は動機の錯誤の要件(基礎事情の表示)を満たさず取り消せません。

ここがポイント

表意者に重過失があると原則取消し不可。ただし『相手方が悪意・重過失』『共通錯誤』なら例外的に取消し可(95条3項)。動機の錯誤は基礎事情が表示されていることが要件。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する令和2年度(2020年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。(10月実施分)

解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。