令和2年度 宅建権利関係難易度 難

令和2年度 宅建試験 問7 保証(保証債務の範囲・求償)

問題(引用)出典: 一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和2年度 宅地建物取引士資格試験 試験問題」問7(原文のまま・無改変)

保証に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、保証契約は令和2年4月1日以降に締結されたものとする。

正解2選択肢 2 が正しい

肢ごとの解説

  • 1正しい

    特定物売買における売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、債務不履行による契約解除に伴う原状回復義務(既払代金の返還義務)についても保証する責任を負います(最大判昭和40年6月30日)。本肢は判例どおりで正しい記述です。

  • 2誤り

    前段は誤りです。主たる債務の目的・態様が保証契約締結後に加重されても、保証人の負担は加重されません(民法448条2項)。また主たる債務者の時効利益の放棄は相対的効力にとどまり保証人に及ばないため、本肢は誤り(=本問の正解)です。

  • 3正しい

    弁済期前に弁済した保証人に対し、主たる債務者が弁済日以前に相殺原因を有していたことを主張するときは、保証人は債権者に対し、その相殺で消滅すべきであった債務の履行を請求できます(民法459条の2第1項後段)。本肢は条文どおりで正しい記述です。

  • 4正しい

    委託を受けた保証人は、事前通知をせず弁済等をすると、主たる債務者が債権者に対抗できた事由をもって保証人に対抗でき、求償が制限されることがあります(民法463条1項)。本肢は正しい記述です。

解説

正解は肢2です。主たる債務の目的又は態様が保証契約締結後に加重されても、保証人の負担は加重されません(民法448条2項)。また、主たる債務者による時効利益の放棄は相対的効力しか持たず、その効力は保証人(連帯保証人)には及びません。前段・後段とも誤りです。肢1は売主の保証人が解除による原状回復義務まで保証する判例(昭和40年大法廷)、肢3は弁済期前弁済と相殺原因の主張(459条の2)、肢4は事前通知を怠った保証人の求償制限(463条1項)で、いずれも正しい記述です。

ここがポイント

保証契約後の主債務の加重は保証人に及ばない(448条2項)。時効利益の放棄は相対効で保証人に影響しない(時効完成前の承認も同様に保証人を拘束しない)。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する令和2年度(2020年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。(10月実施分)

解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。