令和2年度 宅建権利関係難易度 標準

令和2年度 宅建試験 問9 売買・負担付贈与(手付・担保責任)

問題(引用)出典: 一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和2年度 宅地建物取引士資格試験 試験問題」問9(原文のまま・無改変)

Aがその所有する甲建物について、Bとの間で、①Aを売主、Bを買主とする売買契約を締結した場合と、②Aを贈与者、Bを受贈者とする負担付贈与契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、これらの契約は、令和8年7月1日に締結され、担保責任に関する特約はないものとする。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    手付解除は『相手方が契約の履行に着手するまで』できます(民法557条1項)。Bが代金支払の準備をして履行の催告をした段階ではBが履行に着手したといえ、Aはもはや手付倍返しによる解除をできないため、本肢は誤りです。

  • 2誤り

    書面によらない贈与は各当事者が解除できますが、『履行の終わった部分』については解除できません(民法550条)。不動産の場合、引渡し又は登記の移転のいずれか一方が終われば履行が終わったといえ(判例)、両方の完了は不要です。本肢は誤りです。

  • 3正しい

    負担付贈与については、贈与者はその負担の限度において、売主と同じく担保責任(契約不適合責任)を負います(民法551条2項)。本肢は条文どおりで正しい記述です。

  • 4誤り

    負担付贈与には双務契約の規定が準用され(民法553条)、受贈者が負担を履行しないときは贈与者は契約を解除できます。Bの負担不履行を理由にAに解除権が発生することはあるため、『発生することはない』とする本肢は誤りです。

解説

正解は肢3です。負担付贈与については、贈与者はその負担の限度において、売主と同じ担保責任(契約不適合責任)を負います(民法551条2項)。これは負担という対価的要素がある分、無償の単純贈与より重い責任を課す趣旨です。肢1は相手方が履行に着手すると手付解除できなくなる点(557条1項)、肢2は不動産の書面によらない贈与は引渡し又は登記のいずれか一方で履行が終わったとされる点(550条・判例)、肢4は負担付贈与に双務契約の規定が準用され負担不履行で解除できる点(553条)で、いずれも誤りです。

ここがポイント

負担付贈与は『負担の限度で売主と同じ担保責任』(551条2項)かつ双務契約規定の準用で解除も可(553条)。書面によらない贈与の履行は不動産なら引渡し『又は』登記の一方で足りる。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する令和2年度(2020年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。(10月実施分)

解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。