令和4年度 宅建試験 問4 抵当権(代価弁済・引渡命令・抵当権消滅請求)
A所有の甲土地にBのCに対する債務を担保するためにCの抵当権(以下この問において「本件抵当権」という。)が設定され、その旨の登記がなされた場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
抵当不動産の第三取得者Dが、抵当権者Cの請求に応じてその代価を弁済したときは、抵当権はその第三取得者のために消滅します(代価弁済・民法378条)。本肢は条文どおりで正しい記述です。
- 2誤り
建物明渡猶予制度(民法395条)は『建物の使用者』を保護する制度であり、対象は抵当建物の使用者に限られます。土地の使用者には適用されないため、土地の使用者Eが6か月の引渡猶予を主張できるとする本肢は誤りです。
- 3誤り
抵当地に後から建物が築造された場合、抵当権者は土地とともにその建物を一括競売できますが(民法389条1項)、これは『できる』のであって、建物の競売も申し立てなければならない義務はありません。義務とする本肢は誤りです。
- 4誤り
抵当権消滅請求は『主たる債務者・保証人及びこれらの者の承継人』はすることができません(民法380条)。Bは被担保債務の主たる債務者であるため、抵当権消滅請求をすることはできず、本肢は誤りです。
解説
正解は肢1です。代価弁済(民法378条)は、抵当不動産の第三取得者が抵当権者の請求に応じてその代価を弁済したときに、抵当権がその第三取得者のために消滅する制度であり、肢1はこの要件を満たす正しい記述です。肢2は建物明渡猶予(395条)が土地の使用者には及ばない点、肢3は一括競売(389条)が抵当権者の権利であって義務ではない点、肢4は主たる債務者Bは抵当権消滅請求ができない(380条)点で、いずれも誤りです。代価弁済(抵当権者主導)と抵当権消滅請求(第三取得者主導)の違いを押さえましょう。
ここがポイント
代価弁済は抵当権者の請求に応じて第三取得者が代価を払う制度。主たる債務者・保証人・その承継人は抵当権消滅請求ができない(380条)。建物明渡猶予は『建物』使用者限定。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する令和4年度(2022年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。