令和6年度 宅建試験 問2 委任契約・準委任契約
委任契約・準委任契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
売主と一体となって販売事務の一切を行っていた宅建業者は、信義則上、買主に対して防火戸の操作方法等を説明する義務を負うことがあると判例(最判平成17年9月16日)が認めています。本肢は正しい記述です。
- 2正しい
委任の受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができません(民法644条の2第1項)。条文どおりで正しい記述です。
- 3正しい
委任は本人の死亡により終了するのが原則ですが(民法653条1号)、これは任意規定であり、本人の死亡によっても代理権・委任を存続させる旨の特約は有効とされています(判例)。本肢は正しい記述です。
- 4誤り
本肢の記述は『請負』の定義(民法632条)であって、委任の定義ではありません。委任は法律行為等の事務の委託をその内容とし、報酬は特約がなければ請求できません(民法643条・648条1項)。委任の説明として誤りで、これが正解肢です。
解説
正解は肢4です。問題は『誤っているもの』を問うており、肢4が誤りです。肢4の『仕事を完成することを約し、その結果に対し報酬を支払う』という記述は請負契約の定義(民法632条)であって、委任契約の定義ではありません。委任は事務の委託を内容とし、原則無償です。肢1は売主と一体の宅建業者の信義則上の説明義務を認めた判例、肢2は復受任者選任の要件(644条の2)、肢3は本人死亡後も委任を存続させる特約の有効性で、いずれも正しい記述です。
ここがポイント
『仕事の完成+結果に対する報酬』は請負(632条)の定義。委任は事務の委託で原則無償という点との区別が問われる。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する令和6年度(2024年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。