「一級建築士は1,000時間以上、二級建築士は700時間」。建築士の勉強時間を調べると、こうした数字に行き当たります。ところが、学習サイトを1つずつ読むと、一級の目安は学科と製図の合計で600〜700時間台から2,000時間まで、二級は400時間台から1,000時間以上まで割れています(600〜700時間台と400時間台は、各社が示した学科と製図の内訳を当サイトが足した値です)。しかも、その数字をどうやって出したのか、調査の人数や方法まで示しているページは、確認できた範囲では見当たりませんでした。

建築士試験は、「学科の試験」に受かった人だけが「設計製図の試験」を受けられます。2026年度は、学科の試験から製図の試験までが一級で11週(77日)、二級で10週(70日)と短い日程です。二級は学科の合格発表(8月24日)から製図の試験(9月13日)まで、20日でした(日数と週数は、公式の日付から数えた当サイト算出)。勉強の中身も、知識を覚える学科と、図面を時間内に描き切る製図とで違います。この記事では、試験を実施している建築技術教育普及センター(以下、センター)の公式統計と、学習サイトの目安を重ねて、学科と製図に分けて「自分には何時間必要なのか」を見積もれるようにします。

この記事の要点

  • 学習サイトが示す一級の目安は、学科と製図の合計で600〜700時間台(TACの内訳を足した当サイト算出)から2,000時間(総合資格学院、初学者の独学)まで、二級は400時間台(TACの内訳を足した当サイト算出)から1,000時間以上まで割れている。調査の人数や方法を示したページは、確認できた範囲では見当たらない
  • 想定する受験者をそろえると、一級は初学者の独学や一般的な目安で1,000〜1,500時間が中心(総合資格学院だけが初学者の独学で1,300〜2,000時間)、実務経験者などで700〜1,000時間。二級は初学者で700〜1,000時間、経験者や建築系の学校卒で500〜800時間
  • 製図の目安は、内訳を示すサイトの間で、一級も二級も100〜500時間と割れている。センターの受験要領に、学習時間の記載はない
  • 学科の合格率は、一級が令和7年度16.5%・令和8年度26.2%、二級が令和7年度40.9%・令和8年度42.5%(※令和8年度の二級の受験者数と合格率は、総合資格学院・STUDYing掲載値でセンター未掲載)。製図の合格率は令和7年度で一級35.0%、二級46.4%。一級の学科は、令和7年度は総得点の合格基準点が88点、令和8年度は94点で、合格率が約9.7ポイント(当サイト算出)動いた
  • 一級の製図の受験者のうち、令和7年度は少なくとも60.2%(当サイト算出)が前年以前に学科に合格して免除を受けた人。学科合格は、合格年を含む5回の試験のうち製図を3回まで受けられる
  • 令和7年度の製図で、設計条件や要求図書への重大な不適合に当たった答案は、一級で9.7%、二級で25.1%。答案の完成と条件への適合が合否を分けている
  • 建築士の登録者は約120万人(一級383,923人、二級796,459人。令和7年4月1日時点)。職種「建築技術者」の年収は約621万円(当サイト算出)だが、資格を持つ人だけの値ではない

結論:条件をそろえると、目安のずれは小さくなる

先に結論をまとめます。学習サイトの目安は、各社が書いている「想定する受験者」の条件で並べ直すと、次のように整理できます。数字は学科と製図の合計で、2026年10月1日に各社のページで確認しました。

一級建築士

想定する受験者目安(学科+製図)そう示している学習サイト
初学者の独学1,000〜2,000時間STUDYing(初学者1,000〜1,500時間)、総合資格学院(初学者の独学で1,300〜2,000時間)
初学者の一般的な目安(学習方法を限定しない)1,000〜1,500時間ジョブハウス建設(初学者1,000〜1,500時間)
実務経験者や知識のある人700〜1,000時間STUDYing(実務経験者や知識を備えた人)、ジョブハウス建設(実務経験者でも)
条件を示さない一般論600〜2,000時間アガルート(700〜1,500時間)、学研リスキル大学(本文は一般的に1,000〜1,500時間で、経験者は短縮できる可能性があるとも書く。同じページのまとめでは1,500〜2,000時間とも書き、ページ内で食い違う)、総合資格学院の別のページ(学科500〜1,000時間+製図300〜500時間)、TAC(学科約500時間+製図100〜200時間。内訳のみで、合計は当サイト算出)

二級建築士

想定する受験者目安(学科+製図)そう示している学習サイト
初学者700〜1,000時間STUDYing(初学者700時間程度)、ジョブハウス建設(建築知識ゼロから900〜1,000時間以上)
経験者や建築系の学校卒500〜800時間STUDYing(経験者500時間ほど)、ジョブハウス建設(建築系の学校卒600〜800時間、建設業の実務経験者500〜700時間)
条件を示さない一般論400〜1,000時間TAC(学科300時間程度+製図100〜150時間。内訳のみで、合計は当サイト算出で400〜450時間)、アガルート(約700時間)、STUDYingの別のページ(約500〜700時間)、ジョブハウス建設(500〜1,000時間)、日本工科大学校(500〜1,000時間)

この表から言えるのは次のことです。

  • 一級は、学科と製図の合計で1,000〜1,500時間を軸に考えるのが相場観です。総合資格学院だけは、初学者の独学で1,300〜2,000時間を示しています。一方で、実務経験者などで700時間以上、TACの内訳(学科約500時間+製図100〜200時間)の合計で600〜700時間と、低い目安もあります。
  • 二級は、初学者で700〜1,000時間、経験者や建築系の学校卒で500〜800時間が相場観です。TACの内訳の合計(400〜450時間)は、確認できた範囲で最も低い目安です。
  • 製図の時間は、内訳を示す各社の間で大きく割れています。この点は次の節と、後半の「学科と製図の配分」で詳しく扱います。
  • ただし、各社の数字について、根拠の説明(調査の人数や方法)は確認できた範囲では見当たりませんでした。センターの受験要領にも、学習時間の記載は見当たりません。表の数字は「相場観」として受け止め、以下の公式統計で自分の位置を確かめてください。「勉強時間の目安」そのものがどこまで当てになるのかは、学習科学の研究をもとに勉強時間の目安は本当かで検証しています。

それでも数字がずれる理由

条件をそろえても残るずれには、主に次の理由があります。

1つめは、合計を示すか、学科と製図の内訳を示すかが、サイトによって違うことです。確認したページでは、STUDYingとアガルートは合計だけを示し、TACは内訳だけを示しています。ジョブハウス建設は同じページに合計と内訳の両方を示し、総合資格学院はページによって合計だけ、内訳だけと分かれています。製図の目安も、TAC(一級は100〜150時間、別のページでは200時間程度)、ジョブハウス建設(一級は200時間前後、二級は200〜400時間)、総合資格学院(一級は300〜500時間)、日本工科大学校(二級は300〜500時間)と、100時間から500時間まで割れています。

2つめは、同じ会社の中でも食い違いがあることです。TACの一級建築士のページは、製図を「200時間程度」とするページと「100〜150時間」とするページがあります。STUDYingの二級建築士は、独学のページで初学者700時間程度・経験者500時間ほど、別のページで約500〜700時間、さらに別のページで「500時間以上」「700〜1,000時間とも言われる」としています。なお、二級のページのうち1つは、題名に「合格者の勉強時間は約700時間」とありますが、本文は「一般的には700時間程度」とする書き方で、合格者を調べた調査の記載は確認できませんでした。総合資格学院は、独学のページでは初学者の独学を1,300〜2,000時間としていますが、別のページでは学科500〜1,000時間と製図300〜500時間(合計800〜1,500時間、当サイト算出)としています。

3つめは、想定する受験者の「初学者」が、一級の受験者の実像と合っているか分からないことです。一級建築士の受験資格は、建築に関する学歴(大学や高等専門学校などで指定科目を修めて卒業)か、二級建築士、建築設備士などに限られます(建築士法第14条)。令和8年の学科の合格者を受験資格の区分で見ると、大学69.7%、二級建築士11.5%、専修学校6.7%、建築設備士1.2%、短大・高専などのその他10.9%と、すべてが建築に関する学歴か資格を使っています。一級の目安で「初学者」とする各社のページに、それが何を指すのか(建築を学んだことがない人か、試験勉強をこれから始める人か)の説明は、確認できませんでした。

4つめは、講座を売る立場からの見せ方です。たとえばSTUDYingの独学のページは、一級建築士は独学のみで合格するのは現実的に厳しいとして、自社の講座を案内しています。独学と講座で時間がどれくらい違うのかを実際に比べたデータは、確認できた範囲では見当たりませんでした。

また、短期合格の例には、数字が合わないものもあります。総合資格学院の独学のページは、試験日の2か月半前から学習を始める短期集中の例として約800時間を挙げ、週あたり約31〜43時間が必要としています。800時間を週31〜43時間で積むには約19〜26週かかり、2か月半(約11週)とは合いません(当サイト算出)。短期の数字は、前提と合わせて読む必要があります。

試験の構成と2026年度の日程

建築士試験は、学科の試験と設計製図の試験の2段階です。設計製図の試験は、学科の試験に合格しなければ受けられません。免許は、一級が国土交通大臣、二級が都道府県知事から受けます。試験事務はどちらもセンターが行っています。

一級建築士二級建築士
学科の試験5科目125問(四肢択一)、試験時間は合計6時間30分4科目100問(五肢択一)、試験時間は合計6時間
設計製図の試験1課題、6時間30分1課題、5時間
2026年度の学科の試験7月26日(日)7月5日(日)
学科の合格発表9月2日(水)8月24日(月)
製図の課題の公表7月24日6月24日
2026年度の製図の試験10月11日(日)9月13日(日)
製図の合格発表12月23日(水)(予定)12月3日(木)(予定)
受験手数料17,000円18,500円

受験手数料はどちらも令和8年度の額で非課税です。別途、事務手続手数料が必要です。2026年度の受験申込は、一級・二級とも4月1日から14日まででした。2026年度の課題は、一級がホテル、二級が商店街に建つ併用住宅(木造3階建て)です。

以下の日数と週数は、公式の日付から当サイトが数えた値です。学科の試験から製図の試験までの日数は、一級が77日(11週)、二級が70日(10週)です。学科の合格発表から製図の試験までは、一級が39日、二級が20日しかありません。製図の課題は、一級は学科の試験の2日前、二級は11日前に公表されています。

2027年度(令和9年)の試験日程は、2026年10月1日時点でセンターのサイトに載っていません。一級の受験要領は令和7年と令和8年のどちらも3月付で、二級の令和8年の受験要領も3月付でした。各資格の試験日程は資格試験スケジュールにまとめています。

合格者・受験者の実像

合格率の推移:学科は一級で15〜26%、二級で35〜43%

一級建築士の令和3年度から令和7年度の合格率は、次のとおりです。

一級建築士試験 学科・製図・総合の合格率の推移(令和3〜7年度)

  • 学科の試験(%)
  • 設計製図の試験(%)
  • 総合(%)
01020304020212022202320242025
学科は15.2〜23.3%、製図は26.6〜35.9%、総合は8.8〜11.4%の範囲。製図の受験者には、前年以前に学科に合格して免除を受けた人を含む。令和8年度の学科は受験者29,094人・合格者7,619人・合格率26.2%(製図は2026年10月11日に実施予定)。出典: 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 試験結果」、国土交通省 公表資料(令和8年9月2日)

学科は15.2〜23.3%、製図は26.6〜35.9%、総合は8.8〜11.4%で推移しています。総合は、センターの表にある最終的な合格率です。学科と製図の合格率を掛け合わせても、総合とは合いません(令和7年度は16.5%×35.0%=5.8%に対して、公表値は11.4%。当サイト算出)。製図の受験者に、前年以前に学科に合格した人が含まれるためと考えられます。

令和8年度の学科の試験は、実受験者29,094人、合格者7,619人、合格率26.2%でした。令和7年度の16.5%から約9.7ポイント(当サイト算出)上がり、合格者数は令和3年度以降で最も多くなりました。受験者は令和7年度の27,489人から5.8%増えています(当サイト算出)。合格基準点の違いについては、センターが次のように説明しています。総得点の合格基準点は、令和7年度は「総じて難度が高かった」として88点、令和8年度は「総じて難度が低かった」として94点でした。

二級建築士の令和3年度から令和7年度の合格率は、次のとおりです。

二級建築士試験 学科・製図・総合の合格率の推移(令和3〜7年度)

  • 学科の試験(%)
  • 設計製図の試験(%)
  • 総合(%)
020406020212022202320242025
学科は35.0〜42.8%、製図は46.4〜52.5%、総合は21.8〜25.0%の範囲。製図の受験者には、前年以前に学科に合格して免除を受けた人を含む。令和8年度の学科は合格者6,829人(センターのデータページ)。出典: 建築技術教育普及センター「二級建築士試験 試験結果」

学科は35.0〜42.8%、製図は46.4〜52.5%、総合は21.8〜25.0%です。令和8年度の学科の合格者は6,829人でした。実受験者数16,082人と合格率42.5%は、総合資格学院とSTUDYingが掲載した値で、センターのデータページには反映されていません。

一級 令和7年度一級 令和8年度二級 令和7年度二級 令和8年度
学科:受験者27,489人29,094人16,383人16,082人(※)
学科:合格者4,529人7,619人6,698人6,829人
学科:合格率16.5%26.2%40.9%42.5%(※)
製図:受験者11,381人2026年10月11日実施予定10,006人実施済み(結果は12月3日予定)
製図:合格率35.0%—46.4%実施済み
総合の合格率11.4%—22.6%実施済み

※総合資格学院・STUDYing掲載値(センター未掲載)。合格者6,829人と、合格者の属性はセンターの値です。

製図の受験者の6割以上は、前年以前に学科に受かった人(一級)

製図の合格率だけを見ると、一級の令和7年度は35.0%(11,381人中3,988人)です。ただし、この11,381人には、その年に学科に合格した人だけでなく、前年以前に学科に合格して免除を受け、製図だけを受けた人が含まれます。令和7年度の学科の合格者は4,529人なので、残りの少なくとも6,852人(60.2%)は学科免除の人です(当サイト算出)。二級は、センターの表にある総合の実受験者数(20,597人)が、学科から受けた人(学科の実受験者16,383人)と製図のみを受けた人の合計だと考えると、製図のみの受験者は4,214人で、製図の受験者10,006人の42.1%になります(当サイト算出。令和3〜6年度の表でも製図の受験者数を超えるなどの矛盾はありません)。

製図の合格率は、その年に学科に受かった人と、前年以前の再受験者を合わせた値です。学科に受かった年に初めて製図を受ける人だけの合格率は、公表資料からは分かりません。

合格者はどんな人か

一級の令和8年「学科の試験」の合格者7,619人と、令和7年「設計製図の試験」の合格者3,988人の主な属性は、次のとおりです。

項目令和8年 学科の合格者令和7年 製図の合格者
平均年齢29.8歳29.0歳
女性30.0%32.2%
受験資格:大学69.7%70.6%
受験資格:二級建築士11.5%18.4%
職域:建設業37.4%34.9%
職域:建築士事務所26.7%29.6%
職域:住宅メーカー13.0%14.3%

令和8年一級建築士試験「学科の試験」合格者の年齢構成(7,619人)

23歳以下19.4%
24〜26歳30.2%
27〜29歳15.1%
30〜34歳14%
35〜39歳7.8%
40歳以上13.4%
平均年齢は29.8歳。29歳以下の合計は64.7%(当サイト合算)。構成比は小数点以下第2位を四捨五入した値。出典: 国土交通省 公表資料(令和8年9月2日)、建築技術教育普及センター「試験結果」

学科の合格者のうち、29歳以下は64.7%(当サイト算出)、40歳以上は13.4%です。職域で見ると、建築士事務所・建設業・住宅メーカー・官公庁等で合計83.1%(当サイト算出)を占め、学生・研究生は5.5%です。一級の合格者は、働きながら受験した人が中心です。ただし、この属性は合格者のもので、受験者全体の勉強時間や学習方法を示すものではありません。

二級の令和8年「学科の試験」の合格者6,829人と、令和7年「設計製図の試験」の合格者4,645人の主な属性は、次のとおりです。

項目令和8年 学科の合格者令和7年 製図の合格者
平均年齢27.6歳27.2歳
24歳以下57.5%57.1%
女性39.4%42.7%
受験資格:学歴のみ86.4%85.4%
受験資格:実務のみ12.3%13.1%
職域:住宅メーカー・工務店・大工30.1%32.3%
職域:建設業(住宅メーカー等を除く)20.1%19.7%
職域:学生(大学院生を含む)・研究生22.3%21.1%

令和8年二級建築士試験「学科の試験」合格者の年齢構成(6,829人)

24歳以下57.5%
25〜29歳14%
30代14.7%
40代9.1%
50歳以上4.7%
平均年齢は27.6歳。29歳以下の合計は71.5%(当サイト合算)。構成比は小数点以下第2位を四捨五入した値。出典: 建築技術教育普及センター「二級建築士試験 試験結果」

二級は、学科の合格者の71.5%が29歳以下(当サイト算出)で、5人に1人を超える22.3%が学生・研究生です。受験資格が「学歴のみ」の人が86.4%を占めるので、建築を学校で学んだ人が中心だといえます。「実務のみ」(実務経験を7年以上積んで受験)の人は12.3%です。二級の「初学者」の目安は、こうした受験者の実像と同じ前提とは限りません。

合格ラインの仕組み

学科は科目ごとの基準点と総得点の両方

一級の学科は、各問題1点で、学科Ⅰ(計画)と学科Ⅱ(環境・設備)が各20点、学科Ⅲ(法規)と学科Ⅳ(構造)が各30点、学科Ⅴ(施工)が25点の計125点満点です。合格には、各科目の基準点と総得点の基準点のすべてに達する必要があります。令和8年の基準点は、科目が計画11点・環境設備11点・法規16点・構造16点・施工13点、総得点が94点でした。令和7年は科目の基準点が同じで、総得点が88点でした。

センターは、各科目は過半の得点、総得点は概ね90点程度を基本的な水準として想定していると説明しています。そのうえで、試験の難しさに応じて合格基準点を決めています。令和7年度は難度が高かったとして88点、令和8年度は難度が低かったとして94点でした。

二級の学科は、4科目を各25点、計100点満点で採点します。基準点は、各科目13点、総得点60点が原則です。令和8年は、学科Ⅰ(建築計画)の平均点が例年に比べて著しく高く、問題の難易度の差によると認められたため、学科Ⅰの基準点が14点に補正されました。令和7年は学科Ⅳ(建築施工)が14点でした。

科目ごとに基準点があるため、得意な科目の点で苦手な科目を補うことはできません。どの科目も基準点を下回らないことが、時間配分の前提になります。

製図は「ランクⅠ」だけが合格

設計製図の試験は、点数ではなく、採点結果をランクⅠからⅣの4段階に分けて判定します。合格は「ランクⅠ」だけです。ランクⅠは「知識及び技能」を有するもの、ランクⅡは不足しているもの、ランクⅢは著しく不足しているもの、ランクⅣは設計条件や要求図書に対する重大な不適合に該当するものです。

令和7年度の採点結果の割合は、次のとおりです。

ランクⅠ(合格)ランクⅡランクⅢランクⅣ(重大な不適合)
一級35.0%1.6%53.7%9.7%
二級46.4%3.5%25.0%25.1%

二級は、4人に1人(25.1%)が、設計条件や要求図書に対する重大な不適合(ランクⅣ)に当たりました。センターの公表資料には、重大な不適合の例として、要求図面が1面以上欠けるもの、面積表が完成していないもの、要求室の欠落、図面相互の重大な不整合などが挙げられています。解答の傾向として、二級では「未完成」「面積違反」「主要室の欠落」「設計条件違反」が多く、一級では要求室などの特記事項の不適合や、法令への重大な不適合が多いと説明されています。

一級のランクⅢとⅣの合計は63.4%(当サイト算出)です。図面を最後まで描き切ること、条件への適合を確かめることが、時間をかけて練習する中身になります。公式の資料には、合格者数を先に決める旨の記載は確認できませんでした。なお、令和8年から設計製図の試験でも法令集を使えるようになりました(一級・二級とも、令和8年の受験要領)。令和7年以前の製図の合格率やランクの割合と、令和8年の結果を、単純に比べることはできません。

受験資格と学科合格の有効期間

実務経験は、受験資格から免許登録の要件へ

建築士法の改正(令和2年3月1日施行)で、受験の際の要件だった実務経験が、合格後の免許登録の要件に変わりました(一級)。センターの受験要領は、一級の受験資格を次のように説明しています(建築士法第14条)。

  • 大学や高等専門学校で、指定科目を修めて卒業した人
  • 二級建築士(免許を登録していることが条件。試験に合格しただけでは受験資格になりません)
  • 国土交通大臣が同等以上の知識と技能を有すると認める人(建築設備士を含む)

実務経験は、免許登録のときに確認されます。たとえば、大学で指定科目を60単位以上修めて卒業した人は卒業後2年以上、二級建築士や建築設備士は取得後4年以上の実務が登録時に必要です(令和8年の一級受験要領)。つまり、実務経験を積み終わっていなくても、大学卒業後すぐに一級の試験を受けられます。令和8年の学科の合格者に学生・研究生が5.5%いるのも、この制度と整合します。

二級建築士と木造建築士の受験資格は、建築士法第15条で、大学・高等専門学校・高等学校などで指定科目を修めて卒業した人、知事が認める人(建築設備士を含む)、建築実務の経験が7年以上ある人とされています。二級でも、受験資格が「学歴のみ」の場合の実務経験は登録要件になりました。実務経験だけで受ける人は、受験の申込時に実務経歴書などを提出します。

学科の合格は、5回の試験のうち製図3回まで有効

令和2年以降の学科の試験に合格した人は、その後に行われる5回の建築士試験のうち、3回の設計製図の試験を受けられます(一級・二級とも同じ)。センターのよくあるご質問は、令和8年の学科に合格した場合の例を示しています。

  • 令和8年の製図を欠席した場合は、令和12年の試験までに3回の学科免除を受けられる
  • 令和8年の製図を受験して不合格だった場合は、令和12年の試験までに2回の学科免除を受けられる

製図を欠席しても、免除の回数は減りません。学科の免除は本人の申請で受けられます。学科で苦労した人にとって、製図に最大3回挑戦できる仕組みは、1回の失敗で学科の勉強が無駄にならないことを意味します。

いつから始める? 開始月別の「週・平日1日あたりの時間」

建築士試験は、学科と製図で別々に時間を積む必要があります。まず、学科の試験日までに積む時間を、始める月ごとに計算します。2027年度の日程は未公表のため、2026年度の学科の試験日(一級は7月26日、二級は7月5日)を基準にしました。各月の1日に始めた場合の試算です。

計算の前提は次のとおりです。週あたりの時間は、学科の試験日までの日数を7で割った正確な週数から計算し、0.5時間単位に切り上げています。週数は小数第1位に四捨五入して表示しています。「平日1日」の列は、休日(土日)に1日5時間ずつ(週10時間)勉強した場合に、平日5日に必要な1日あたりの時間を、正確な週数から計算して10分単位に切り上げたものです。週10時間以下で足りる場合は「休日だけで足りる」としています。

一級建築士の学科(500時間と1,000時間)

学科500時間は、TACが示す学科の目安です。1,000時間は、総合資格学院が示す学科の目安(500〜1,000時間)の上限です。

始める月学科の試験日までの週数500時間:週500時間:平日1日1,000時間:週1,000時間:平日1日
前年10月約42.6週12時間30分23.5時間2時間50分
前年11月約38.1週13.5時間40分26.5時間3時間20分
前年12月約33.9週15時間1時間30時間4時間
1月約29.4週17時間1時間30分34時間4時間50分
2月約25.0週20時間2時間40時間6時間
3月約21.0週24時間2時間50分48時間7時間40分
4月約16.6週30.5時間4時間10分60.5時間10時間10分
5月約12.3週41時間6時間10分81.5時間14時間20分

学科に1,000時間を積むなら、前年10月に始めても週23.5時間(平日2時間50分)が必要です。2月以降の開始では、休日に5時間ずつ勉強しても平日に6時間以上が必要になり、働きながらでは現実的ではありません。

二級建築士の学科(300時間と600時間)

学科300時間は、TACが示す学科の目安です。600時間は、ジョブハウス建設が示す学科の範囲(300〜600時間)の上限です。

始める月学科の試験日までの週数300時間:週300時間:平日1日600時間:週600時間:平日1日
前年10月約39.6週8時間休日だけで足りる15.5時間1時間10分
前年11月約35.1週9時間休日だけで足りる17.5時間1時間30分
前年12月約30.9週10時間休日だけで足りる19.5時間2時間
1月約26.4週11.5時間20分23時間2時間40分
2月約22.0週14時間50分27.5時間3時間30分
3月約18.0週17時間1時間20分33.5時間4時間40分
4月約13.6週22.5時間2時間30分44.5時間7時間
5月約9.3週32.5時間4時間30分65時間11時間

製図は学科の後の10〜11週で積む

製図は、学科の試験の後に積む時間も必要です。2026年度は、学科の試験日から製図の試験日まで、一級が77日(11週)、二級が70日(10週)です。この期間だけで製図の時間を積むなら、必要な週あたりの時間は次のとおりです(切り上げ、0.5時間単位)。

製図に積む時間一級(11週):週二級(10週):週
100時間9.5時間10時間
150時間14時間15時間
200時間18.5時間20時間
300時間27.5時間30時間
400時間36.5時間40時間
500時間45.5時間50時間

各社が示す製図の目安を当てはめると、一級でTACの100〜200時間なら週9.5〜18.5時間、総合資格学院の300〜500時間なら週27.5〜45.5時間です。二級でTACの100〜150時間なら週10〜15時間、ジョブハウス建設の200〜400時間なら週20〜40時間になります。学科の試験日より前に、製図の練習をどこまで進めておくかで、この期間の負担が変わります。製図の課題は、学科の試験の前(一級は2日前、二級は11日前)に公表されます。

学科の試験に合格すると、一級は学科の合格発表から製図の試験まで39日、二級は20日です。学科の結果を待たずに製図の準備を始めるかどうかは、自分で判断することになります。

試験日から復習の間隔を逆算したいときは、試験日を入れるだけで復習日を提案する復習スケジューラが使えます。

学科と製図の配分

学科と製図の時間の比率

各社が示す学科と製図の内訳は、次のとおりです。

学科製図製図の割合(当サイト算出)
一級 TAC(勉強時間のページ)約500時間約200時間約29%
一級 TAC(試験分析のページ)約500時間100〜150時間17〜23%
一級 ジョブハウス建設500時間前後200時間前後約29%
一級 総合資格学院500〜1,000時間300〜500時間—
二級 TAC約300時間100〜150時間25〜33%
二級 ジョブハウス建設300〜600時間200〜400時間—
二級 日本工科大学校200〜500時間300〜500時間—

TACやジョブハウス建設の一級は、製図が全体の2〜3割です。一方、日本工科大学校の二級は、製図の目安(300〜500時間)が学科の目安(200〜500時間)と同じか、それ以上です。どの比率が合格に有利かを比べたデータは、確認できた範囲では見当たりませんでした。

一級の学科:科目の出題数と基準点、各社の配分

一級の学科の配点(令和8年)と、ジョブハウス建設が示す科目別の時間配分は、次のとおりです。

科目出題数・満点令和8年の基準点ジョブハウス建設の配分1問あたり(当サイト算出)
計画20問・20点11点80時間4.0時間
環境・設備20問・20点11点80時間4.0時間
法規30問・30点16点150時間5.0時間
構造30問・30点16点150時間5.0時間
施工25問・25点13点100時間4.0時間

TACは、近年は法規と構造の60問で50点以上を取ることが合格への最短距離と言われているとして、この2科目を最重点に挙げています。ただし、令和8年の基準点では、法規と構造の基準点は各16点、総得点は94点です。法規と構造で50点を取っても、残りの3科目(計65問)で44点が必要です(当サイト算出)。

二級の学科:科目の出題数と基準点

二級の学科は4科目各25問・25点で、基準点は原則13点です(令和8年は学科Ⅰが14点)。ジョブハウス建設は、計画80〜120時間、法規120〜180時間、構造120〜150時間、施工70〜100時間(建設業で働く人の場合)を示しています。同ページは二級の出題数を構造30問・計105問としていますが、センターの令和8年の正答肢表では、4科目とも25問で計100問です。配分の数字を読むときは、出題数が公式と合っているかも確かめてください。

自分で決める方法

他人の配分をまねるより、自分の目標点から逆算する方法をおすすめします。手順は3つです。

  1. 各科目の基準点と総得点の基準点を、どちらも上回る目標点を決める。一級は令和7年が88点、令和8年が94点でした。基準点は試験の難しさで動くので、少し余裕のある点を置きます。
  2. 目標点を科目ごとに割り振る。たとえば一級なら、出題数に応じて、計画15点、環境・設備15点、法規25点、構造25点、施工20点で合計100点、という具合です。
  3. 科目ごとに過去問を解いて正答率を測り、目標点との差が最も大きい科目に時間を寄せる。基準点を下回りそうな科目があれば、最優先で時間を回します。1〜2週間ごとに測り直して配分を変えます。

製図は、課題が毎年変わるので、決まった知識を覚えるだけでは足りません。令和3年から令和7年の一級の課題は、集合住宅、事務所ビル、図書館、大学、庁舎でした。二級は、歯科診療所併用住宅(鉄筋コンクリート造)、保育所(木造)、専用住宅(木造)、ゲストハウス(鉄筋コンクリート造)、シェアハウス(木造)です。図面を時間内に描き切る練習と、条件への適合を確かめる練習を、本番と同じ時間(一級6時間30分、二級5時間)で繰り返すことが、前述の「重大な不適合」を避ける近道になります。過去問の回し方は過去問は何周すればいいのか、勉強法の根拠は試験勉強の学習科学で扱っています。

勉強時間を確保する場所:自習室代はいくらかかるか

一級で1,000時間以上、二級で500時間以上を積むには、毎日の時間を確保し続けることが最も大きな壁です。家では集中できない人にとって、勉強する場所の選択は時間の確保そのものです。製図は本番が5時間(二級)、6時間30分(一級)と長く、通し練習にはまとまった時間と場所が要ります。

当サイトに掲載している有料自習室のうち、月額プランがある324施設で、各施設の最も安い月額プランの料金を集計しました(2026年9月30日時点)。

集計の範囲金額
第1四分位(安い方から4分の1の位置)月5,800円
中央値月7,800円
第3四分位(高い方から4分の1の位置)月11,000円

324施設のうち320施設は、当サイトが公式サイトと料金を突き合わせて確認した掲載です。「最も安い月額プラン」には、夜間のみや平日のみといった利用時間に制限のあるプランも含まれます。

月単位で契約すると、期間の長さがそのまま費用になります。たとえば、二級で合計500時間を週15時間のペースで積むと約33週(約8か月)、一級で合計1,000時間を週20時間のペースで積むと50週(約12か月)です(当サイト試算、月単位で切り上げ)。

契約期間の例第1四分位(月5,800円)中央値(月7,800円)第3四分位(月11,000円)
8か月(二級の例)46,400円62,400円88,000円
12か月(一級の例)69,600円93,600円132,000円

これに受験手数料(令和8年度の額。一級17,000円、二級18,500円。別途事務手続手数料が必要)が加わります。中央値で計算すると、二級の8か月は合計80,900円、一級の12か月は合計110,600円です(当サイト試算)。公立図書館は無料で使えますが、館によっては持ち込みの勉強を制限していたり、席の数が少なかったりします。平日の夜や休日に確実に座れるかどうかは、事前に確かめておくと安心です。

受かった後の数字:建築士はどれだけいて、どう働いているか

最後に、1,000時間前後をかけて取る資格の「その先」を、公的な統計で見ておきます。

建築士の登録者は約120万人

国土交通省の建築士登録状況によると、2025年4月1日時点の登録者は、一級建築士が383,923人、二級建築士が796,459人、木造建築士が19,124人で、合計1,199,506人です。これは免許の登録者の数で、実際に設計や工事監理の仕事をしている人の数ではありません。合格しただけでは建築士にならず、免許の登録(一級は日本建築士会連合会、二級は各都道府県の建築士会)が必要です。

新たに最終合格する人は、一級が令和3年度から令和7年度までの5年間で年3,010〜3,988人、二級が年4,645〜5,670人です(製図の合格者数)。

仕事の面では、建築士事務所に所属する一級建築士は、令和7年4月1日時点で延べ134,789人です(複数の事務所に所属する人は、事務所の数だけ数えた値)。建築士事務所は、一級が68,549、二級が23,549、木造が157で、合計92,255あります(個人と法人の合計)。

一級建築士の高齢化が進んでいる

国土交通省の資料によると、令和6年4月1日時点で、建築士事務所に所属する一級建築士の約44%が60歳以上でした(60代24.6%、70代以上19.0%)。同じ資料は、15年前と比べて約3.6倍になったとしています(平成20年は推計値で約12%)。同じ資料は、現在の傾向が維持される場合、所属する一級建築士は30年後に半減する(14.0万人から6.9万人)と見込んでいます。これは国土交通省の推計で、将来を保証するものではありません。

需要の根拠は法律にある

建築士の需要を支えているのは法律です。センターの説明によると、建築士でなければ一定の建築物の設計と工事監理を行ってはならないとされています(業務独占。建築士法第3条から第3条の3)。建築士の種類によって、できる業務の範囲が違います。

  • 一級建築士:すべての構造・規模・用途の建築物について、設計・工事監理ができる
  • 二級建築士:比較的小規模な建築物についてだけ、設計・工事監理ができる
  • 木造建築士:より小規模な木造建築物についてだけ、設計・工事監理ができる

令和7年4月の法改正で、二級建築士が設計・工事監理できる範囲は広がりました(鳥取県の解説による)。また、建築基準法により定められた構造と規模の建築物の設計は建築士によらなければならず、一定の工事では建築士である工事監理者を定めなければなりません(建築基準法第5条の4。鳥取県の解説による)。建築士でない人が建築士の名称を使うことも禁じられています(名称独占。建築士法第34条)。

年収は「職種の値」で見るしかない

賃金構造基本統計調査の職種に「建築士」はなく、建築士だけの賃金は公的統計から分かりません。参考として、近い職種「建築技術者」の値を見ます。厚生労働省の職種一覧(新職種区分案)では、建築技術者の例に、建築士や建築施工管理技術者などが挙げられています。

令和7年の一般労働者(企業規模10人以上、男女計)で、職種「建築技術者」の年収を「所定内給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で当サイトが算出すると、約621万円(平均年齢43.4歳)になります。所定内給与額は月40.75万円、年間賞与その他特別給与額は131.6万円です。全産業の約510万円(平均44.4歳)を上回ります。なお、全産業の値は産業大分類の表(民営事業所)、建築技術者は職種別の表(産業計)で、集計の範囲が少し違います。

ただし、この値は建築士の資格を持たない人も含む職種全体の平均で、建築士だけの値ではありません。資格の種類や有無を問わない、建築の技術者としての仕事をしている人の値です。また、資格を取れば年収がこの水準になることを示すものでもありません。

よくある質問

一級建築士の勉強時間は何時間必要ですか?

学科と製図の合計で、初学者の独学や一般的な目安は1,000〜1,500時間が中心です(総合資格学院は初学者の独学で1,300〜2,000時間)。実務経験者や知識のある人は700〜1,000時間とするサイトがあり、内訳はTACが学科約500時間・製図100〜200時間、ジョブハウス建設が学科500時間前後・製図200時間前後です。センターの受験要領に学習時間の記載はなく、人数つきの合格者調査も確認できませんでした。

二級建築士の勉強時間は何時間必要ですか?

初学者の目安は700〜1,000時間(STUDYingは700時間程度、ジョブハウス建設は建築知識ゼロから900〜1,000時間以上)、経験者や建築系の学校卒は500〜800時間です。TACは学科約300時間・製図100〜150時間(合計は当サイト算出で400〜450時間)、日本工科大学校は学科200〜500時間・製図300〜500時間としており、製図の目安は100〜500時間と割れています。令和8年の学科合格者の86.4%は、受験資格が学歴のみの人です。

学科と製図はどちらに時間をかけるべきですか?

各社の配分は、一級でTACが学科約500時間・製図100〜200時間、総合資格学院が学科500〜1,000時間・製図300〜500時間と割れています。製図は学科の後の短期間で行われ、2026年度は学科の試験から製図の試験まで一級が11週、二級が10週です(当サイト算出)。製図に200時間を積むなら、週18.5時間(一級)、週20時間(二級)が必要です(当サイト試算)。二級の令和7年度の製図は、4人に1人(25.1%)が重大な不適合に当たりました。

学科に合格したあと製図に落ちたら、学科の合格はいつまで有効ですか?

令和2年以降に学科に合格した人は、合格した年を含む5回の試験のうち、設計製図を3回まで受験できます。たとえば令和8年に学科に合格した場合は、令和12年の試験までが対象です。製図を欠席した年は回数に数えません。学科の免除は本人の申請で受けられ、一級と二級で同じルールです。

1日何時間勉強すれば間に合いますか?

2026年度の学科の試験日(一級7月26日)を基準にした当サイト試算では、学科に500時間を積む場合、前年10月開始で週12時間(休日に5時間ずつ勉強すれば平日30分)、1月開始で週17時間(平日1時間30分)、4月開始で週30.5時間(平日4時間10分)です。学科1,000時間なら前年10月開始で週23.5時間(平日2時間50分)、2月開始で週40時間(平日6時間)になり、働きながらでは相当に厳しい計画です。製図の時間は学科の後に別に必要です。

建築士に合格すると年収は上がりますか?

賃金構造基本統計調査の職種に「建築士」はなく、参考値として近い職種「建築技術者」(建築士や建築施工管理技術者などが例示される職種)で見ると、令和7年の年収を所定内給与と賞与から当サイトが算出して約621万円(平均43.4歳)で、全産業の約510万円(平均44.4歳)を上回ります。ただしこれは資格を持つ人だけの値ではなく、資格を取れば年収が上がることを示すものでもありません。

調査方法・出典について

  • 受験者数・合格者数・合格率・設計製図の課題は、建築技術教育普及センターの「試験結果」(一級・二級)によります。令和4年度の一級の学科の受験者数は、センターのデータページに「30.007」と誤記があるため、国土交通省の公表資料の30,007人を使いました。令和8年の一級の学科の結果(受験者29,094人、合格者7,619人、合格率26.2%)は、国土交通省の公表資料(令和8年9月2日)によります。
  • 令和8年の二級の学科の合格者数(6,829人)と合格者の属性は、センターの二級の「試験結果」によります。二級の学科の実受験者数(16,082人)と合格率(42.5%)は、総合資格学院とSTUDYingの掲載値で、TACの二級のページにも同じ合格率が載っています。2026年10月1日に確認しました。
  • 合格基準点、設計製図の採点結果の割合は、センターの各年の「合格基準点等について」「合格基準等について」「合否判定基準等について」によります。試験の構成、日程、免除の規定、受験資格の規定は、センターの試験のページと令和8年の受験要領によります。受験手数料は令和8年度の額です。
  • 一級の製図の受験者に占める学科免除者の割合は、製図の実受験者数から同年の学科の合格者数を引いた当サイト算出で、下限の値です(一級は総合の実受験者数が表にありません)。二級は、総合の実受験者数から学科の実受験者数を引いた当サイト算出です。
  • 建築士の登録者数と建築士事務所数は国土交通省の「建築士登録状況(令和7年4月1日時点)」、所属する一級建築士の人数と年齢構成は、国土交通省「建築分野の担い手の動向について」によります。
  • 業務独占の条文は、センターの「建築士・建築士試験とは?」で条番号を確認しました(建築士法第3条から第3条の3、第34条)。建築基準法第5条の4と、令和7年4月の法改正による二級建築士の業務範囲の拡大は、鳥取県の解説で確認しました。受験資格(建築士法第14条、第15条)は、令和8年の受験要領で確認しました。
  • 年収は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の一般労働者(企業規模10人以上、男女計)の値から、所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額で当サイトが算出しました。職種(小分類)第1表の「建築技術者」と、産業大分類 第1表の産業計の値です。職種の例示は、厚生労働省の職種一覧によります。
  • 学習サイトの勉強時間の目安と科目配分は、2026年10月1日に各社の解説ページで確認しました。学科と製図の合計の「600〜700時間」「400〜450時間」は、TACが別々に示した内訳を当サイトが足した値です。
  • 合格者の勉強時間を人数つきで調べた調査は、確認できた範囲では見当たりませんでした。総合資格学院のコラムは受講生の合格者の声で、統計ではありません。
  • 開始月別の週あたり時間、製図の週あたり時間、自習室代は、本文に書いた前提で当サイトが試算しました。
  • 自習室の料金は、当サイトに掲載している有料自習室のうち月額プランがある324施設について、各施設の最も安い月額プランを2026年9月30日時点で集計しました。
  • 公表値は今後の発表で更新される場合があります。受験の際は、必ずセンターの公式情報をご確認ください。