「応用情報は200時間」「いや、500時間」。応用情報技術者試験の勉強時間を調べると、この2つの数字がよく出てきます。学習サイトを1つずつ読むと、この2つは想定する受験者が違うだけで、矛盾していないことが多いと分かります。基本情報技術者試験に受かっている人なら200時間、ITが初めての人なら500時間、という出発点の違いです。ただ、その数字をどうやって出したのか、調査の人数を示していたのは、今回確認した学校・メディアの中ではたけゆうラボの50人アンケートだけでした。
もう1つ、2026年度は計画の立て方そのものが変わります。応用情報は2026年度から紙の試験をやめてCBT(パソコンで解答する方式)に移り、春・秋の年2回が「前期・後期」に再編されました。さらにIPA(情報処理推進機構)は、現行の試験制度を2026年度で終え、2027年度から新しい試験制度に移る予定だと公表しています。この記事では、各社の目安を想定する受験者でそろえ直し、IPAの統計で合格者の実像を確かめたうえで、現行の応用情報として最後になる予定の2回から、1週間・1日あたりに必要な時間を逆算します。科目の配分、勉強場所の費用、合格した後の数字までまとめます。
この記事の要点
- 学習サイトが示す応用情報の勉強時間は、基本情報の合格者やITの実務経験者で200時間程度、IT未経験の初学者で300〜500時間(500時間以上とするサイトもある)。数字のずれには、想定する受験者(出発点)の違いや、講義時間を含むかどうかなどが関わっている
- 試験を実施するIPAは、合格に必要な学習時間を公表していない。今回確認した学校・メディアの目安のうち、調査の人数を示していたのはたけゆうラボの50人アンケートだけで、実施の時期や受験回は書かれていない
- 2026年度はCBTで前期(科目A 2026年10月28日〜11月10日、科目B 11月24日〜12月6日)と後期(科目A 2027年2月6日〜19日、科目B 3月3日〜15日)の2回。IPAは現行制度をこの年度で終える予定としている
- 令和7年度の合格率は23.4%(受験者82,668人、合格者19,319人)。合格者の平均年齢は28.8歳で、大学院生の合格率は45.2%、専門学校生は10.8%と、所属で大きく分かれる
- 合格基準は科目A・科目Bともに100点満点中60点の絶対評価。科目Aが60点に届かないと、科目Bは採点されない
- 2026年10月1日から後期を目指す場合、当サイトの試算では200時間なら週9.5時間、500時間なら週23時間が必要
先に確認:2026年度はCBTで前期・後期の2回、現行制度はここで終了予定
勉強時間の前に、試験の日程を確認しておきます。計画の逆算の起点になるからです。
IPAによると、2026年度の応用情報技術者試験は、従来の春期(4月)・秋期(10月)の紙の試験に代わり、CBT方式で次の2回行われます。科目Aと科目Bは別の期間に行われ、それぞれの期間の中から、会場ごとの予約枠を選んで受けます。
| 回 | 申込受付 | 科目A | 科目B |
|---|---|---|---|
| 前期 | 2026年10月6日10時〜11月7日17時 | 2026年10月28日〜11月10日 | 2026年11月24日〜12月6日 |
| 後期 | 2027年1月27日〜2月16日 | 2027年2月6日〜19日 | 2027年3月3日〜15日 |
申込みは前期・後期それぞれ1回だけで、申し込むときに科目Aと科目Bを同時に予約します。受験手数料は7,500円(税込)です。合格発表は、前期が2027年2月頃、後期が2027年6月頃の予定です。
もう1つ大事なのが、試験制度の見直しです。IPAは、現行の試験制度を2026年度の試験実施をもって終了し、2027年度から新試験制度に移行する予定だと公表しています。2026年3月31日時点の検討状況では、応用情報技術者試験と高度試験を大くくりにして再編し、「プロフェッショナルデジタルスキル試験」(仮称)として「マネジメント」「データ・AI」「システム」の3区分を新設する案が示されています。新しい試験の開始は2027年度の夏頃から秋頃の予定で、実施時期の詳細は検討中です。IPAは経過措置として、現行の高度試験や情報処理安全確保支援士試験で一部科目の免除要件を満たした人に、一定期間、新試験の一部科目を免除することを検討しています(応用情報の合格は、現行の高度試験で科目A-1が免除される要件の1つです)。
つまり、現行の応用情報を受けられるのは、上の表の2回が最後になる予定です。なお、IPAのよくある質問によると、試験の合格に有効期限はなく、過去の合格が無効になることもありません。また、過去の試験制度での合格が、新しい試験区分の合格に自動的に移行することはないとも説明しています。試験日程は資格試験スケジュールでも確認できます。
結論:出発点をそろえると、目安は「200時間」と「300〜500時間」に分かれる
学習サイトの目安を、各社が書いている「想定する受験者」の条件で並べ直すと、次のようになります。数字と条件は各社のページの記載どおりです。
| 想定する受験者 | 目安 | そう示している学習サイト |
|---|---|---|
| IT未経験、または基本情報に合格していない初学者 | 300〜500時間以上 | LEC(基本情報の合格者や実務経験者でない場合300〜500)、アルク(IT未経験の初学者300〜500)、TAC(情報処理技術者試験の未経験者で約500)、Midworks(初学者で約500)、開志創造大学(IT初心者で約500)、資格Times(IT初心者で500以上) |
| 基本情報は未受験だが、ITの実務経験がある | 300時間程度 | アルク(同じページの別の表では、プログラマー・エンジニア等の実務経験者を200時間程度としている) |
| 基本情報の合格者や、ITの実務経験者 | 200時間程度 | TAC(約200)、LEC(200程度)、アルク(200)、Midworks(約200)、開志創造大学(基礎知識のある実務経験者で約200)、資格Times(基本情報の合格者で200)、スタディング(経験者で200程度) |
| 基本情報レベルの知識があり、問題演習中心で進める | 50〜150時間 | スタディング(丁寧に進めるならさらに200時間を想定すると安心、とも書いている) |
| 学習方法で分けた目安 | 独学200〜500時間、講座200〜300時間 | TAC(講座の目安は講義時間を含む) |
この表から言えるのは次のことです。
- ITが初めてで基本情報にも合格していない人は、500時間を見込んでおくのが無難です。300〜500時間と幅がありますが、TAC・Midworks・開志創造大学は約500時間、資格Timesは500時間以上としています。短く見積もって途中で足りなくなるより、長めに見積もって早く仕上がるほうが、計画の立て直しが楽です。
- 基本情報の合格者は、上の表のTAC・LEC・アルク・Midworks・資格Timesが200時間程度としています(開志創造大学は基礎知識のある実務経験者で約200時間、スタディングは問題演習中心で進める場合に50〜150時間とも示しています)。初学者の目安と比べて100〜300時間短く(当サイト算出)、基本情報から順に受けるかどうかは、計画の最初に決めておきたい分かれ目です。
- ITの実務経験はあるが基本情報を受けていない人の扱いは、サイトによって違います。LECとTACは実務経験者を基本情報の合格者と同じ200時間程度に入れています。アルクは、実務経験者を200時間程度とする表と、基本情報を受けていないIT実務者を300時間程度とする表の両方を載せていて、同じページの中でも扱いが分かれています。仕事で触れている分野が試験範囲のどこまでかによって変わる、と考えるのが自然です。
表の数字は、今回確認した範囲では調査の人数や方法が示されていない目安で、試験実施機関のIPAが公表した値でもありません。TACのように「といわれています」と書くページもあります。表の数字は相場観として受け止め、以下の公式統計で自分の位置を確かめてください。「勉強時間の目安」そのものがどこまで当てになるのかは、学習科学の研究をもとに勉強時間の目安は本当かで検証しています。基本情報から順に受けるかどうか迷っている人は、基本情報技術者試験の勉強時間もあわせて読んでください。
それでも数字がずれる理由
条件をそろえても残るずれには、確認できた範囲で次の3つの要因が考えられます。
1つめは、「初学者」の定義が各社で違うことです。TACは「情報処理技術者試験の未経験者」、LECは「基本情報の合格者や実務経験者でない人」、資格Timesと開志創造大学は「IT初心者」、アルクは「IT未経験」と書いています。情報系の学校を出たが基本情報は受けていない人は、TACの定義では初学者に入り、資格Timesの定義では入らないかもしれません。自分がどの定義に当てはまるかで、読むべき数字が変わります。
2つめは、「勉強時間」に講義を見る時間を含めているかです。TACは受験指導校を使う場合の目安を200〜300時間とし、そこに自社の講義時間(最長のコースで135時間程度)を含むと書いています。講座を使っても、講義とは別に自分で問題を解く時間が必要だということです。
3つめは、学習方法ごとの見せ方です。TACは独学で200〜500時間、受験指導校で200〜300時間と、講座を使うと短くなる形で示しています。ただし、講座と独学の時間の差を実際に比べたデータは示されておらず、2つの目安の差が学習方法によるものかどうかは、このページからは分かりません。
合格者の勉強時間を実際に調べた例としては、個人のブログが、クラウドソーシングで集めた受験者50人のアンケートを公開しています。合格者24人の平均は235時間でした。ただ、調査の時期や受けた回は書かれておらず、人数も50人と少ないため、この記事では目安の根拠には使いません。大人数を対象に、時期と方法を明記した調査は、確認できた範囲ではありませんでした。
合格者・受験者の実像:IPAの統計で見る
自分の出発点を確かめるために、IPAが公表している統計を見ておきます。
合格率は22〜29%で推移、申し込んだ人の約3人に1人は受験していない
直近5年度の春期・秋期の結果は次のとおりです。
| 試験 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和3年度春期 | 26,185人 | 6,287人 | 24.0% |
| 令和3年度秋期 | 33,513人 | 7,719人 | 23.0% |
| 令和4年度春期 | 32,189人 | 7,827人 | 24.3% |
| 令和4年度秋期 | 36,329人 | 9,516人 | 26.2% |
| 令和5年度春期 | 32,340人 | 8,805人 | 27.2% |
| 令和5年度秋期 | 37,763人 | 8,753人 | 23.2% |
| 令和6年度春期 | 36,730人 | 8,677人 | 23.6% |
| 令和6年度秋期 | 44,243人 | 12,613人 | 28.5% |
| 令和7年度春期 | 38,663人 | 8,527人 | 22.1% |
| 令和7年度秋期 | 44,005人 | 10,792人 | 24.5% |
令和7年度(春期・秋期の合計)は、応募者125,041人のうち受験したのは82,668人で、受験率は66.1%でした。応募したが受験しなかった人は42,373人で、応募者の33.9%にあたります(当サイト算出)。公表されている数字からは、受験しなかった理由は分かりません。合格者は19,319人で、受験者に対する合格率は23.4%です。
合格者の平均年齢は28.8歳、20代後半の合格率が最も高い
令和7年度の合格者の平均年齢は28.8歳(受験者は30.1歳)でした。年齢別の一覧表を年齢帯ごとに合算すると、合格率は次のようになります。
応用情報技術者試験 令和7年度の年齢帯別合格率(春期・秋期合計)
受験者3,105人・合格者456人
受験者21,304人・合格者5,339人
受験者27,454人・合格者7,438人
受験者11,563人・合格者2,856人
受験者6,223人・合格者1,326人
受験者8,512人・合格者1,293人
受験者4,507人・合格者611人
合格率は25〜29歳の27.1%が最も高く、40代は15.2%、50歳以上は13.6%でした。合格者の3人に2人(66.1%)は20代です(いずれも当サイト集計)。年齢による差の理由は、この統計からは分かりません。勉強に使える時間、基本情報の学習からの間隔、受験の動機など、さまざまな事情が混ざっていると考えられます。
所属で合格率は大きく分かれる
IPAは、受験者を「社会人」と「学生」に分け、勤務先や在学先ごとの結果も公表しています。令和7年度の主な区分は次のとおりです。
応用情報技術者試験 令和7年度の合格率 — 学生・社会人の所属別(春期・秋期合計)
受験者1,229人・合格者555人
受験者3,926人・合格者1,256人
受験者3,876人・合格者1,187人
受験者82,668人・合格者19,319人
受験者18,211人・合格者4,132人
受験者19,732人・合格者4,316人
受験者5,458人・合格者591人
合格者のうち85.7%はIPAの区分でいう社会人(無職・無記入を含む)で、学生は14.3%でした。社会人のうち、ソフトウェア業・情報処理・提供サービス業・コンピュータ及び周辺機器製造又は販売業に勤める人は、合格者全体の44.6%を占めます(当サイト算出)。
学生の中でも、大学院生の合格率は45.2%、大学生は30.6%なのに対し、専門学校生は10.8%でした。専門学校生は受験率が85.8%と高く、申し込んだ人のほとんどが受けています。在学先の学科や、学校で受験を求められているかどうかなど、合格率の違いには複数の事情が混ざっている可能性があります。
社会人については、経験年数別の集計もあります。合格率は1年未満が35.1%で最も高く、10年以上12年未満は23.2%、24年以上は14.0%でした。ただし、社会人の受験者の37.9%(70,049人のうち26,519人、当サイト算出)は経験年数が無記入で、統計表には何の経験年数かの定義も書かれていないため、この数字は傾向として見るにとどめてください。
ここから言えるのは、「応用情報は○時間」という一律の数字より、自分の出発点のほうが大事だということです。情報系の大学院生と、ITと関係のない仕事をしてきた40代とでは、同じ200時間でも意味がまったく違います。短期合格の体験談を読むときは、書き手の経歴を確かめてから自分に当てはめてください。
合格ラインの仕組み:60点の絶対評価、科目Aが先に関門になる
応用情報の試験は、科目A(旧・午前試験)と科目B(旧・午後試験)の2つです。2026年度のCBT移行で名前は変わりましたが、出題範囲・出題形式・出題数・試験時間は変わっていません。
| 科目 | 試験時間 | 形式 | 問題数 |
|---|---|---|---|
| 科目A | 150分 | 多肢選択式(四肢択一) | 80問すべて解答 |
| 科目B | 150分 | 記述式 | 11問中5問を解答 |
科目Bは、問1の情報セキュリティが必須で、残りの問2〜11(経営戦略、システムアーキテクチャ、ネットワーク、データベース、プログラミング、プロジェクトマネジメント、システム監査など10分野)から4問を選びます。配点は、科目Aが1問1.25点、科目Bが1問20点です。
合格基準は、科目A・科目Bともに100点満点中60点以上です。受験者の上位何割を合格にする相対評価ではなく、点数で決まる絶対評価です。科目Aで60点を取るには、1問1.25点で計算すると80問中48問の正解が必要です(当サイト算出)。ただしIPAは、問題の難易差が認められた場合には基準点を変えることがあるとしています。
注意したいのが「多段階選抜方式」です。科目Aの得点が60点に届かないと、科目Bは採点されずに不合格になります。CBTでは科目Aの得点が試験終了後に画面に表示されるので、科目Bの期間を迎える前に、科目Aの結果が分かります。科目Bの得点は画面に表示されず、マイページでの成績照会は前期が2027年1月頃、後期が2027年5月頃の予定です。
CBTの試験中は、画面上のメモ機能と電卓機能が使えるほか、入室時にメモ用紙1枚と筆記用具が配られます。自分で用意したメモ用紙や筆記用具は持ち込めません。また、CBT移行後の試験問題は非公開になりました。IPAが公開している過去問題は、令和7年度(2025年度)の秋期までです。
いつから始める? 受ける回と開始日別の「1週・1日あたりの時間」
現行の応用情報として残るのは前期と後期の2回なので、開始日から科目Bの期間の初日までを逆算しました。科目Bの初日は、前期が2026年11月24日、後期が2027年3月3日です。科目Aはその約4週間前から始まるので、科目Aの対策を先に終えておく必要があります。
週あたりの時間は、開始日から科目Bの初日までの日数を7で割った正確な週数から計算し、0.5時間単位に切り上げて表示しています。「平日」は、休日(土日)に4時間ずつ(週8時間)勉強した場合に、平日に1日あたり必要な時間を、正確な週数から計算して10分単位に切り上げたものです。いずれも目標の時間に届くように切り上げているため、表の値で勉強すれば目標時間以上になります。
| 始める日 | 受ける回 | 週数 | 200時間 | 300時間 | 500時間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年10月1日 | 前期 | 約8週 | 週26時間・平日3時間40分 | 週39時間・平日6時間20分 | 週65時間・平日11時間30分 |
| 2026年10月1日 | 後期 | 約22週 | 週9.5時間・平日20分 | 週14時間・平日1時間10分 | 週23時間・平日3時間 |
| 2026年11月1日 | 後期 | 約17週 | 週11.5時間・平日50分 | 週17.5時間・平日2時間 | 週29時間・平日4時間10分 |
| 2026年12月1日 | 後期 | 約13週 | 週15.5時間・平日1時間30分 | 週23時間・平日3時間 | 週38.5時間・平日6時間10分 |
| 2027年1月1日 | 後期 | 約9週 | 週23時間・平日3時間 | 週34.5時間・平日5時間20分 | 週57.5時間・平日10時間 |
(いずれも当サイト試算)
この表から言えるのは次のことです。
- 前期を10月から目指すのは、基本情報の合格者やITの実務経験者で、すでに準備が進んでいる人向けです。200時間でも週26時間が必要で、働きながら一から積むのは現実的ではありません。
- 初学者が500時間を見込むなら、10月初めに始めて後期を目指すのが、平日3時間・休日4時間の計画で届くぎりぎりのラインです。10月15日開始なら平日約3時間30分、11月1日開始なら平日約4時間10分が必要になります(当サイト試算)。
- 基本情報の合格者が200時間で計画するなら、12月開始でも平日1時間30分で後期に間に合います。
後期に間に合わない場合、現行の応用情報を受ける機会はない予定です。2027年度からの新試験は、試験区分も出題の構成も変わる予定で、勉強時間の目安を示せる材料はまだありません。IPAが公開している新試験のシラバス案とサンプル問題を確認してから計画を立ててください。
試験日から復習の間隔を逆算したいときは、試験日を入れるだけで復習日を提案する復習スケジューラが使えます。
科目別の配分:各社の答えは割れている。自分で決める方法
科目Aと科目Bにどう時間を配分するかは、学習サイトの答えが割れています。
- 科目Aを先に厚く固める派:IT資格道場は、科目Aの得点が届かないと科目Bが採点されない仕組みを理由に、科目Aを先に固めるよう勧めています
- 科目Bを重く見る派:スタディングは、試験の本丸は科目Bで、勉強時間の比重も科目Bのほうが重くなるとしています
- インプットとアウトプットの比率:資格Timesは初学者に7対3(500時間ならインプット350時間)、スタディングは基本知識のある実務経験者に4対6か5対5を勧めています
科目Bの選び方については、TACが、必須の情報セキュリティと得意な4分野に、予備の1〜2分野を加えて対策を絞る方法を示しています。どの配分が合格に有利かを比べたデータは、今回確認したページには見当たりませんでした。
そこで、他人の配分をまねるより、仕組みから逆算する方法をおすすめします。手順は3つです。
- 科目Aの過去問を年度単位で解き、60点に余裕をもって届くまでは科目Aを優先する。CBTでは科目Aが先にあり、ここで落ちると科目Bは採点されません。
- 科目Bの分野を早めに決める。必須の情報セキュリティに加え、仕事や学校で触れている分野から4つ、予備を1〜2つ選びます。過去問を1問ずつ解いて、時間内に6割以上取れる分野を残します。
- 1〜2週間ごとに科目Aの得点と、科目Bの分野ごとの正答率を測り直し、目標との差が最も大きいところに時間を寄せる。
過去問を何周すればいいのかは過去問は何周すればいいのかで、本番での時間配分や見直しの方法は試験本番の戦略を学習科学で考えるで扱っています。CBTの試験問題は非公開になったので、使える過去問は令和7年度秋期以前のものです。
勉強時間を確保する場所:自習室代はいくらかかるか
200〜500時間を積むうえで、最も大きな壁は「毎日の時間を確保し続けること」です。家では集中できない人にとって、勉強する場所の選択は時間の確保そのものです。
当サイトに掲載している有料自習室のうち、月額プランがある324施設で、各施設の最も安い月額プランの料金を集計しました(2026年9月30日時点)。
| 集計の範囲 | 金額 |
|---|---|
| 第1四分位(安い方から4分の1の位置) | 月5,800円 |
| 中央値 | 月7,800円 |
| 第3四分位(高い方から4分の1の位置) | 月11,000円 |
324施設のうち320施設は、当サイトが公式サイトと料金を突き合わせて確認した掲載です。「最も安い月額プラン」には、夜間のみや平日のみといった利用時間に制限のあるプランも含まれます。
10月から後期を目指す場合、勉強期間は10月から翌年3月上旬までなので、月単位で契約すると6か月分です。中央値の月7,800円なら自習室代は4万6,800円、第1四分位から第3四分位の幅では3万4,800円〜6万6,000円です。12月開始なら12月から3月の4か月分で、中央値で3万1,200円になります。これに受験手数料7,500円が加わります(いずれも当サイト試算)。
公立図書館は無料で使えますが、館によっては持ち込みの勉強を制限していたり、席の数が少なかったりします。平日の夜や休日に確実に座れるかどうかは、事前に確かめておくと安心です。
受かった後の数字:合格者はどれだけいて、何に使えるか
最後に、200〜500時間をかけて取る資格の「その先」を、公的な資料で見ておきます。
2009年度からの合格者は延べ26万人
応用情報技術者試験が始まった2009年度(平成21年度)から2025年度(令和7年度)までの合格者は、延べ260,399人です(IPAの推移表の年度別合格者数を当サイトが合計した値)。応用情報には宅建士や税理士のような登録制度がないため、何人が資格を持っているかは、合格者の累計でしか言えません。同じ人が2回合格した場合は2人と数えられています。
独占業務はないが、他の試験の免除や採用の応募資格になる
応用情報には、合格者だけに認められた業務(独占業務)や、事業所への配置義務はありません。IPAが案内している主な使い道は次のとおりです。
- 中小企業診断士試験:第1次試験の科目の一部が免除されます(診断士試験の変遷は中小企業診断士試験の歴史で扱っています)
- 弁理士試験:論文式筆記試験の選択科目「理工Ⅴ(情報)」が免除されます(弁理士試験の歴史)
- 警察庁の一般職技術系職員(サイバー採用・情報処理技術者採用)で、応募資格の1つになっています
- 高等学校(情報)の教員資格認定試験で、受験資格の1つになっています
年収は「職種の値」で見るしかない
応用情報の合格者だけを対象にした公的な賃金統計はありません。参考として、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)から、職種別の年収を「所定内給与×12か月+年間賞与」で算出すると、次のようになります(当サイト算出)。
| 職種・区分 | 年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| ソフトウェア作成者 | 約538万円 | 37.1歳 |
| システムコンサルタント・設計者 | 約847万円 | 38.3歳 |
| 参考:全産業(民営事業所) | 約510万円 | 44.4歳 |
ただし、これらは職種全体の平均で、応用情報の資格を持つ人だけの値ではありません。また、資格を取れば年収がこの水準になることを示すものでもありません。
よくある質問
応用情報技術者試験の勉強時間は何時間必要ですか?
出発点によって変わります。学習サイトの目安を想定する受験者でそろえると、基本情報技術者試験の合格者やITの実務経験者で200時間程度、ITが未経験で基本情報にも合格していない初学者で300〜500時間(500時間以上とするサイトもあります)です。試験を実施するIPAは学習時間を公表していません。今回確認した学校・メディアの目安のうち、調査の人数を示していたのはたけゆうラボの50人アンケートだけで、実施の時期や受験回は書かれていません。迷ったら、初学者は500時間、基本情報の合格者は200時間で計画を立てるのが無難です。
基本情報を持っていると、応用情報の勉強時間はどのくらい短くなりますか?
基本情報技術者試験の合格者なら、TAC・LEC・アルク・Midworks・資格Timesが200時間程度を目安にしています(開志創造大学は基礎知識のある実務経験者で約200時間)。初学者の300〜500時間と比べると、100〜300時間短い計算です(当サイト算出)。スタディングは、基本情報レベルの知識がある人が問題演習中心に進めるなら50〜150時間という見積もりも示しています。ただし応用情報の科目Bは記述式で、多肢選択式の基本情報とは形式が違うので、記述の演習時間は削らないほうが安全です。
応用情報に合格するには1日何時間勉強すればいいですか?
受ける回と始める日で変わります。2026年度の後期試験(科目Bは2027年3月3日〜15日)を目指して2026年10月1日から300時間を積むなら週14時間で、休日に4時間ずつ勉強すれば平日は1日1時間10分ほどです。12月1日開始なら週23時間、平日は1日3時間ほどになります(いずれも当サイト試算)。合格者の1日の勉強時間を大人数で調べた公開データは、確認できた範囲ではありませんでした。
応用情報は3か月や1か月で合格できますか?
基本情報の合格者やITの実務経験者が200時間で計画するなら、3か月(約13週)で週15.4時間なので、働きながらでも組める範囲です。初学者が500時間を3か月で積むと週38.5時間で、相当に厳しい計画です。1か月(約4.3週)では200時間でも週46時間を超えます(いずれも当サイト試算)。短期合格の体験談を読むときは、書き手にITの実務経験や情報系の学歴があるかを確かめてください。令和7年度の合格率は大学院生が45.2%、専門学校生が10.8%と、所属によって大きく違いました。
応用情報技術者試験は2026年度でなくなるのですか?
IPAは、現行の試験制度を2026年度の試験実施をもって終了し、2027年度から新試験制度に移行する予定と公表しています。新制度では、応用情報技術者試験と高度試験を大くくりにして再編し、プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)を新設する案です。現行の応用情報を受けられるのは、2026年度の前期試験(2026年10〜12月)と後期試験(2027年2〜3月)が最後になる予定です。すでに合格した人の合格には有効期限がなく、無効になることもありません。IPAは経過措置として、現行の高度試験や情報処理安全確保支援士試験で一部科目の免除要件を満たした人に、一定期間、新試験の一部科目を免除することを検討しています(応用情報の合格は、現行の高度試験で科目A-1が免除される要件の1つです)。
応用情報に合格すると年収は上がりますか?
応用情報の合格者だけを対象にした公的な賃金統計はありません。参考値として、賃金構造基本統計調査(令和7年)で職種がソフトウェア作成者の人の年収を所定内給与と賞与から算出すると約538万円(平均37.1歳)、システムコンサルタント・設計者は約847万円(平均38.3歳)でした(当サイト算出)。ただしこれは資格を持つ人だけの値ではなく、資格を取れば年収が上がることを示すものでもありません。
調査方法・出典について
- 2026年度の試験日程・申込受付期間・受験手数料・合格発表と成績照会の時期・CBTでのメモ用紙の配布・試験問題の非公開は、IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」(2026年9月17日更新)によります。
- CBT移行後も出題範囲・出題形式・出題数・試験時間が変わらないこと、科目名の変更は、IPA「CBT方式での実施について」と「令和8年度の実施予定について」によります。
- 現行制度の終了予定と新試験制度の案は、IPA「試験制度の見直しについて」と「見直しの検討状況について」(2026年3月31日公表)によります。合格に有効期限がないことは、IPA「試験に関するよくある質問」によります。
- 試験時間・出題形式・出題数・配点・合格基準・多段階選抜方式・科目Bの分野構成は、IPA「試験要綱 Ver.5.6」(2026年7月)によります。
- 受験者数・合格者数・合格率・受験率・平均年齢・勤務先別・在学先別・年齢別・経験年数別の結果は、IPA「統計情報」の令和7年度の推移表と各一覧表によります。年齢帯ごとの合格率と構成比、IT関連3業種の構成比、経験年数が無記入の受験者の割合は、一覧表の値から当サイトが算出しました。2009〜2025年度の合格者累計は、推移表の年度別合格者数を合計した値です。
- 他の試験の免除と採用での扱いは、IPA「国家試験等の一部免除、公的制度の応募資格・募集条件など」(2026年6月10日更新)によります。
- 年収は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の一般労働者(企業規模10人以上、男女計)の値から、所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額で当サイトが算出しました。職種は職種第1表のソフトウェア作成者とシステムコンサルタント・設計者、全産業は産業大分類第1表の産業計(民営事業所)の値です。
- 学習サイトの勉強時間の目安と科目配分の考え方は、2026年10月1日に各社の解説ページで確認しました。
- 開始日別の週あたり・平日1日あたりの時間は、開始日から科目Bの実施期間の初日までの日数を7で割った週数で、目標時間を割って当サイトが試算しました。
- 自習室の料金は、当サイトに掲載している有料自習室のうち月額プランがある324施設について、各施設の最も安い月額プランを2026年9月30日時点で集計しました。
- 公表値は今後の発表で更新される場合があります。受験の際は、必ずIPAの公式情報をご確認ください。