「基本情報技術者試験は200時間」。勉強時間を調べると、まずこの数字に出会います。ところが、ITパスポートに合格している人や、IT業界で働いている人の目安になると、学習サイトによって50時間から150時間まで割れています。しかも、目安の根拠になった調査の人数や方法まで示している学校のページは、確認した範囲では見当たりませんでした。

一方で、試験を実施している情報処理推進機構(IPA)は、受験者の年齢、社会人か学生か、在学中の学校、経験年数、担当業務ごとの合格率まで公表しています。この記事では、学習サイトの目安を「どんな受験者を想定しているか」でそろえ直し、そこにIPAの公式統計を重ねて、自分には何時間必要なのかを見積もれるようにします。あわせて、週に何時間取れば何週間で届くのか、2026年12月からの試験休止と2027年度の制度見直しが計画にどう響くのか、科目の配分、勉強場所の費用、合格した先の数字までを整理します。

この記事の要点

  • 学習サイトの目安は、ITの知識がない初学者なら今回確認した4サイトとも約200時間。ITパスポート合格者は50〜150時間、IT業界で働く人や情報系の学校の出身者は50〜70時間と、前提によって割れる。IPAは合格に必要な学習時間を公表していない
  • 2025年度は受験者147,186人、合格者56,370人で、合格率は38.3%。合格者の82.2%は29歳以下で、69.2%は社会人だった(いずれも当サイト算出)
  • 社会人の受験者は、経験年数が長いほど合格率が低い。1年未満は47.0%、20年以上は24.2%(当サイト算出)。「経験者なら50時間」をそのまま当てはめるのは危険
  • 合格には科目Aと科目Bの両方で600点以上(1,000点満点)が必要。2026年8月の評価点分布では、600点以上の人の割合は科目Aが65.9%、科目Bが48.0%だった(当サイト算出)
  • 週11時間(平日1時間・休日3時間)なら、200時間に届くのは19週目(当サイト試算)
  • 現行制度のCBT試験は2026年12月28日以降に休止する予定で、新制度は2027年度春頃に始まる予定。IPAは、基本情報技術者試験で問う知識・技能の範囲そのものは変わらないと説明している

結論:前提をそろえると、目安の違いが見えてくる

先に結論をまとめます。学習サイトの目安を、各サイトが書いている「想定する受験者」の条件で並べ直すと、次のようになります。

想定する受験者目安そう示している学習サイト
ITの知識がない初学者約200時間TAC(情報処理の知識がない人)、ユーキャン(ITを学び始めたばかりの初心者)、スタディング(文系やIT業界外の完全初学者)、資格Times(IT初学者)
独学(前提は限定しない)150〜200時間フォーサイト(実務経験者や情報系出身者はより短いとする)
学習方法を限定しない一般論約200時間LEC(個人差があるとしたうえで。独学でも200時間程度)
ITパスポート合格者・学習経験者50〜150時間TAC(約100時間)、スタディング(100〜150時間)、資格Times(ITパスポートを持つ人などで50時間程度)
IT業界で働く人・情報系の学校の出身者50〜70時間TAC(50時間ほど)、スタディング(約50時間)、ユーキャン(業界経験者や専門学校の卒業生などで50〜70時間)
自社の講座を使う場合120時間ほどフォーサイト

この表から言えるのは次のことです。

  • ITの知識がほとんどない人は、200時間を見込んでおくのが無難です。初学者の条件を書いている4サイトの目安は、いずれも約200時間でした。
  • ITパスポートに合格している人の目安は、50時間から150時間まで3倍の開きがあります。後で説明するとおり、ITパスポートで身につく知識は科目Aには生きますが、科目Bの中心であるアルゴリズムとプログラミングの練習の代わりにはなりにくいと考えられます。プログラミングを学んだことがなければ、150時間に近い側で見積もるほうが安全です。
  • IT業界で働く人や情報系の学校の出身者は、50〜70時間まで短くできる可能性があります。ただし、IPAの統計を見ると、経験が長い社会人ほど合格率は低くなっています(後述)。経験の中身を確かめてから当てはめてください。

表の学習サイトの数字については、根拠となる調査の人数や方法を確認できませんでした。IPAも、合格に必要な学習時間は公表していません。表の数字は「相場観」として受け止め、以下の実測データと公式統計で自分の位置を確かめてください。「勉強時間の目安」そのものがどこまで当てになるのかは、学習科学の研究をもとに勉強時間の目安は本当かで検証しています。

それでも数字がずれる理由

前提をそろえても残るずれには、主に3つの理由があります。

1つめは、ITパスポートの扱いです。資格Timesは、ITパスポートを持つ人を「IT関連の事前知識がある人」に含めて50時間程度としています。TACは約100時間、スタディングは100〜150時間です。スタディングは、ITパスポートの知識は科目Aのストラテジ系・マネジメント系にそのまま生きる一方で、科目Bのアルゴリズムは含まれないため、科目Bには初学者と同等の時間が必要だとしています。ITパスポートの勉強時間については、ITパスポートの勉強時間で整理しています。

2つめは、試験制度が2023年4月に変わったことです。それまでの午前・午後試験が、現在の科目A・科目Bに再編されました。今回確認したページのうち、資格Timesの記事は2023年1月7日の更新で、制度が変わる前に書かれたものです。古い制度を前提にした目安が、そのまま検索結果に残っていることがあります。

3つめは、講座を売る立場からの見せ方です。フォーサイトは独学の目安を150〜200時間とする一方で、自社の講座なら120時間ほどで合格可能としています。講座には教材選びや計画づくりの手間を省ける利点がありますが、独学との時間の差を実際に比べたデータは示されていません。

合格者は実際に何時間勉強していたか

総勉強時間を大人数で調べた公開データは、確認できた範囲ではありません。人数が少ないか、人数が分からないものとして、次の2つがあります。

1つは、IT試験の教材会社アイテックが、自社教材を使った合格者の合格体験記から示している数字です。基本情報技術者試験の合格者について、平均学習時間214時間、平均年齢35.7歳、平均受験回数1.8回としています。何人の体験記から計算したか、いつの試験の合格者かは書かれていません。

もう1つは、個人ブログ「たけゆうラボ」が、クラウドソーシングで受験者50人に聞いたアンケートです(記事は2023年4月30日公開、2024年4月26日更新)。

回答者合格した人の割合合格者の平均勉強時間
全体(50人)68%140時間
大学などでITを専攻した人(13人)92%128時間
ITを専攻していない人(37人)59%146時間

不合格だった人の平均勉強時間は98時間でした。ただし、調査の時期や、回答者が2023年4月の制度変更の前と後のどちらで受験したかは書かれていません。勉強時間も本人の自己申告です。

たけゆうラボは回答者50人、アイテックは標本数が公表されておらず、どちらも目安を裏づけるには根拠が十分とは言えない参考データです。また、合格者の経験や属性は揃っていないため、初学者の目安である200時間と直接は比べられません。

受験者と合格者の実像:IPAの公式統計から

基本情報技術者試験は、2023年4月から科目A・科目Bの現行制度になり、年間を通じてCBT方式(試験会場のコンピュータで解答する方式)で行われています。受験者は、会場と日時を自分で選んで受験します。

基本情報技術者試験 合格率の推移(2019〜2025年度)

2019年度(筆記・年2回)25.7%

受験者121,556人・合格者31,224人

2020年度48.1%

受験者52,993人・合格者25,499人

2021年度(CBT)40.7%

受験者85,428人・合格者34,734人

2022年度(CBT)37.4%

受験者101,620人・合格者38,033人

2023年度(科目A・B)47.1%

受験者121,611人・合格者57,278人

2024年度(科目A・B)40.8%

受験者133,732人・合格者54,501人

2025年度(科目A・B)38.3%

受験者147,186人・合格者56,370人

合格率=合格者数÷受験者数(年度合計)。2023年4月から科目A・科目Bの現行制度で、通年のCBT方式。2020年度は受験者が52,993人と、前後の年度(2019年度121,556人、2021年度85,428人)より少ない年。筆記で年2回行っていた2009〜2019年度の合格率は22.1〜31.8%。出典: 情報処理推進機構(IPA)「推移表(平成21年度春期以降)」(令和8年4月21日現在)

2025年度(2025年4月〜2026年3月)は、応募者172,217人のうち147,186人が受験し、56,370人が合格しました。合格率は38.3%です。現行制度になった2023年度は47.1%、2024年度は40.8%でした。2026年度は4〜8月の5か月分で39.2%です。筆記で年2回行っていた2009〜2019年度の合格率は22.1〜31.8%だったので、それより高い水準が続いています。合格率が上がった理由は、制度や出題形式の変更、受験者の顔ぶれの変化などが重なっていると考えられ、統計だけではどれが効いたのかは分かりません。

合格者の8割強は20代以下

2025年度の受験者を年齢別に集計すると、次のようになります(年代ごとの合格率と割合は、IPAの年齢別一覧表から当サイトが算出)。

年齢受験者数合格率合格者に占める割合
19歳以下16,304人33.8%9.8%
20〜24歳61,235人42.0%45.6%
25〜29歳37,163人40.6%26.8%
30〜34歳13,639人35.5%8.6%
35〜39歳6,811人30.4%3.7%
40〜49歳7,817人27.2%3.8%
50歳以上4,217人23.9%1.8%

2025年度の年度合計で、受験者の平均年齢は26.6歳、合格者の平均年齢は25.8歳です。合格者の82.2%は29歳以下でした。合格率は20〜24歳の42.0%を頂点に、年齢が上がるほど下がり、40代では27.2%、50歳以上では23.9%です(19歳以下は33.8%)。年齢が高い人ほど仕事や家庭で勉強時間を取りにくい、学校で学んだ時期から離れている、といった事情が考えられますが、統計からは理由までは分かりません。統計から分かるのは年齢別の合格率までで、必要な勉強時間は測られていません。仕事や家庭などの制約で勉強時間を取りにくい人は、目安に余裕を持たせて計画を立てておくと安心です。

合格者の7割は社会人。学生は学校によって合格率が大きく違う

2025年度の受験者のうち社会人は104,698人で、合格率は37.3%でした。学生は42,488人で、合格率は40.9%です。合格者に占める社会人の割合は69.2%でした(当サイト算出)。

学生の合格率は、在学中の学校によって大きく違います。

在学中の学校受験者数合格率
大学院(全体)2,891人72.0%
大学(理工系の情報系)7,082人52.6%
大学(情報系以外の理工系)2,175人56.5%
大学(文系の情報系)1,324人40.3%
大学(情報系以外の文系)3,500人42.2%
高専(全体)724人52.2%
専門学校(情報系)12,302人27.3%
高校(全体)3,320人31.1%

大学院・高専・高校の行は、IPAが情報系・情報系以外などに分けて公表している区分を合算して、当サイトが合格率を算出した値です。ほかの行はIPAの公表値です。

情報系以外の文系の大学生でも合格率は42.2%で、社会人全体の37.3%を上回っています。一方、情報系の専門学校の学生は27.3%でした。この差には、学習の進み具合だけでなく、学校のカリキュラムの中でどの時期に受けるかといった受験の位置づけの違いも含まれている可能性があり、表だけでは理由は分かりません。「文系だから受からない」と考える必要はない、ということは言えます。

経験年数が長い社会人ほど、合格率は低い

IPAは、社会人の受験者を、申込時のアンケートで答えた経験年数ごとにも集計しています。

基本情報技術者試験 社会人受験者の経験年数別の合格率(2025年度)

1年未満47%

受験者10,870人・合格者5,108人

1年以上4年未満40.3%

受験者11,212人・合格者4,524人

4年以上10年未満36.1%

受験者10,793人・合格者3,895人

10年以上20年未満30.9%

受験者6,231人・合格者1,928人

20年以上24.2%

受験者4,967人・合格者1,202人

経験年数は受験申込時のアンケートによる社会人の自己申告。IPAの区分を当サイトがまとめ、合格率を算出しました(1年未満はIPAの公表値)。社会人受験者104,698人のうち57.2%は無記入で、この図に含まれません。「経験なし」(受験者783人、合格率40.5%)も省略しています。出典: 情報処理推進機構(IPA)「統計資料 令和8年3月分 基本情報技術者試験」経験年数別一覧表

経験年数1年未満の人の合格率は47.0%で、経験が長くなるほど下がり、20年以上では24.2%でした(区分をまとめた合格率は当サイト算出)。1年未満の受験者10,870人には、新入社員として研修の時期に受ける人も含まれているとみられますが、統計からは確認できません。また、社会人の受験者の57.2%はこの項目が無記入なので、全体の傾向を表しているとは限りません。

担当業務ごとの合格率にも差があります。プログラム開発の人は42.2%、研究・開発の人は59.7%だったのに対し、ネットワーク技術支援の人は30.1%、ITサービスマネジメント(システム管理・運用)の人は30.6%、情報セキュリティ技術支援・管理・運用の人は25.7%でした。この項目も、社会人の受験者の約3分の2は「その他・無記入」です。

TAC、スタディング、ユーキャンの3社は、IT業界で働く人の目安を50〜70時間としています。しかし公式統計を見る限り、ITの仕事をしていることが、そのまま合格しやすさにつながるとは言えません。科目Bの20問のうち16問はアルゴリズムとプログラミングの問題なので、普段プログラムを書いていない人は、経験が長くても科目Bの練習に時間を取ったほうが安全です。

合格ラインの仕組み:科目Aと科目Bの両方で600点

基本情報技術者試験の構成は、IPAの試験要綱で次のように決まっています。

科目試験時間出題数問う内容
科目A90分60問(四肢択一)知識
科目B100分20問(多肢選択式)技能

科目Aと科目Bは同じ日に続けて受け、間に最長10分の休憩を取れます。科目Bの20問は、アルゴリズムとプログラミングの分野が16問、情報セキュリティの分野が4問です。プログラムは特定の言語ではなく、試験用の擬似言語で出題されます。なお、科目Aの60問のうち評価に使うのは56問、科目Bの20問のうち評価に使うのは19問で、残りは今後出題する問題を評価するために使われます。

採点はIRT(項目応答理論)という方式で、問題ごとの難しさなどを踏まえて評価点を出します。各科目1,000点満点で、科目Aと科目Bの両方が600点以上なら合格です。片方だけ高くても合格しません。正答数がそのまま点数になるわけではなく、何問正解すれば600点になるかは、確認した範囲では公表されていません。

評価点は、試験が終わるとその場で画面に表示されます。合格発表は受験した月の翌月の中旬から下旬です。不合格だった場合は、前回の受験日の翌日から数えて30日を超えた日以降に、もう一度受けられます。たとえば5月1日に受けた人は、6月1日以降です。

関門は科目B

IPAは月ごとに評価点の分布を公表しています。2026年8月分では、科目Aで600点以上だった人は9,829人中6,478人(65.9%)、科目Bで600点以上だった人は11,257人中5,405人(48.0%)でした(割合は当サイト算出)。科目Bの受験者のほうが多いのは、次に説明する免除制度で科目Aを受けなかった人が1,428人いたためとみられます(2つの人数の差から当サイト算出)。

科目Aは3人に2人が基準点を超える一方で、科目Bを超えたのは半分以下でした。科目Aの基準を満たした人は、免除者を含めると最大7,906人ですが、科目Bで600点以上だった人は5,405人しかいません。この月の合格者4,699人の上限を決めているのは、科目Bのほうです(人数は当サイト算出)。

科目A免除制度

IPAが認定した講座を受講し、講座の修了試験に合格するなどの基準を満たすと、科目Aが1年間免除されます。免除された人は、本試験で科目Bだけを受けます。専門学校や講座会社が認定講座を開いており、IPAは免除対象講座の一覧を公開しています。科目Aを先に済ませて、本試験までの時間を科目Bに集中させる使い方ができます。

週に何時間なら何週間? 週あたりの勉強時間から逆算する

CBT方式では、受験日を自分で決められます。試験日から逆算するより、「週に何時間取れるか」から受ける時期を決めるほうが現実的です。次の表は、目標の時間に届くまでの期間を、週の勉強時間のパターンごとに当サイトが試算したものです。目標の時間に届く週を示すため、週数は小数点以下を切り上げた整数で表示しています。か月は、切り上げる前の正確な週数(目標の時間÷週の合計)を約4.35週で割り、小数第2位以下を切り上げて小数第1位で表示しています。そのため、表の週数を4.35で割った値とは一致しないことがあります。

1日の勉強時間週の合計50時間(IT業界・情報系)100時間(ITパスポート合格者など)200時間(初学者)
毎日1時間7時間8週(1.7か月)15週(3.3か月)29週(6.6か月)
平日1時間・休日3時間11時間5週(1.1か月)10週(2.1か月)19週(4.2か月)
平日2時間・休日4時間18時間3週(0.7か月)6週(1.3か月)12週(2.6か月)
毎日3時間21時間3週(0.6か月)5週(1.1か月)10週(2.2か月)
毎日5時間35時間2週(0.4か月)3週(0.7か月)6週(1.4か月)

スタディングは、社会人の現実的なペースとして週17時間(平日1.5時間、土曜5時間、日曜4.5時間)を挙げ、200時間に約12週で届くとしています。週8時間なら約6か月です。

1か月・2か月で受かるには

検索でよく調べられている「1か月」「2か月」で考えると、必要なペースは次のようになります(当サイト試算。1か月は約30.4日で計算し、1日の時間は5分単位に切り上げ)。

  • ITパスポート合格者が1か月で100時間:毎日約3時間20分
  • ITパスポート合格者が2か月で100時間:毎日約1時間40分
  • 初学者が2か月で200時間:毎日約3時間20分
  • 初学者が3か月で200時間:毎日約2時間15分
  • 初学者が1か月で200時間:毎日約6時間35分

初学者の1か月合格は、仕事や授業のある人には相当に厳しいペースです。スタディングも、1日2時間×4週間(約56時間)の計画は、IT実務経験があり科目Bのプログラム読解に抵抗がない人向けで、初学者にはすすめないとしています。短期合格の体験談を見かけたら、その人がプログラムを書いた経験があるかを確かめてから、自分に当てはめるのが安全です。

2026年12月28日から試験が休止する予定

計画を立てるうえで、2026年度は特に注意が必要です。IPAは、システムの入れ替えのため、2026年12月28日以降にCBT試験を休止する予定だと公表しています。会場によっては、それより前に休止する場合があります。2026年9月1日以降の申込みで選べる試験日は、12月27日までです。再開の時期は、2026年10月1日時点では発表されていません。

2026年10月1日に勉強を始めて12月27日に受ける場合、期間は約12.4週です。この期間で200時間を積むには週約16.1時間(毎日約2時間20分)、100時間なら週約8.1時間(毎日約1時間10分)、50時間なら週約4.1時間が必要です(当サイト試算。週あたりの時間は小数第2位以下を切り上げ、1日の時間は5分単位に切り上げ)。受験予約は申込日から3日目以降の空席がある日にしかできず、IPAは、空席がなく期限までに受験できなくても受験手数料は返還しないとしています。終盤は早めに予約しておくのが安全です。

前に書いた30日のルールがあるので、休止前に2回受けるには、1回目を11月26日までに受ける必要があります(当サイト計算)。ただし、これは必要条件にすぎません。11月26日に1回目を受けた場合、2回目に選べるのは12月27日の1日だけで、その日に試験を行う会場に空席がなければ受けられません。IPAは、会場によっては12月27日より前に休止する場合があるとしています。2回受ける余地を残したいなら、1回目はもっと早い時期に置くのが安全です。1回目のあとに再受験が間に合わなかった場合、次に受けられるのは試験の再開後です。

各資格の試験日程は資格試験スケジュールにまとめています。覚えた内容の復習日を決めたいときは、試験日を入れるだけで復習の日を提案する復習スケジューラが使えます。

2027年度の制度見直しで、勉強は無駄になるか

IPAと経済産業省は、情報処理技術者試験の試験区分を見直し、2027年度から新しい制度に移す予定です。IPAの公表内容(2026年3月31日の検討状況)によると、基本情報技術者試験について現時点で予定されているのは次の点です。

  • 新制度でも試験区分として継続する。新制度での開始は2027年度春頃の予定
  • 試験時間と出題数は、科目Aが90分・60問、科目Bが100分・20問で、今と同じ
  • 科目Aは出題範囲の体系が変わり、科目Bは出題範囲が一部変わる。ただし、技術動向などを踏まえた表記の変更などで、試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はない
  • 科目A免除制度は変更を予定していない
  • 現行の試験制度は、2026年度の試験をもって終える予定
  • これまでと同様に通年で試験を行う予定

新制度の基本情報技術者試験のシラバス案(Ver.0.1)は、2026年9月30日に公開されています。IPAの説明どおりなら、現行制度の教材で積んだ時間が無駄になることはなさそうです。ただし、案は変更される可能性があります。新制度で受けるなら、正式なシラバスやサンプル問題が出た時点で、教材が新しい範囲に対応しているかを確かめてください。応用情報技術者試験など上位の試験も大きく変わる予定で、その勉強時間は応用情報技術者試験の勉強時間で扱っています。

科目別の配分:時間の多くは科目Bへ

科目ごとの時間の配分について、学習サイトの考え方はおおむね一致しています。スタディングは、初学者の200時間のうち3分の1を科目A、3分の2を科目Bに充てるとし、プログラミング未経験なら科目Bだけで130時間前後を見込むとしています。TACは、科目Bのアルゴリズム問題に時間を適切に割り当てられるかが、全体の勉強時間を縮める最大のかぎだとしています。フォーサイトも、初学者は特に科目Bの対策に力を入れるべきだとしています。

先ほどの評価点分布で、600点以上の人の割合が科目Aより科目Bで17ポイント以上低かったことも、この考え方と合っています。

ただし、どの配分が合格に有利かを比べたデータはありません。他人の配分をまねるより、自分の状況から決める方法をおすすめします。手順は3つです。

  1. 勉強を始める前に、IPAが公開している科目Aと科目Bの問題(公開問題・サンプル問題)を1回分ずつ解いて、今の正答率を測る。
  2. 科目Bの正答率が低ければ、時間の半分以上を科目Bに充てる。科目Bのアルゴリズム対策では、プログラムが1行ずつどう動き、変数の値がどう変わるかを紙に書いて追う練習が中心的になります。科目Aは用語の理解と問題演習で進められます。
  3. 1〜2週間ごとに両方を測り直し、目標との差が大きいほうに時間を寄せる。科目Aと科目Bは両方とも600点が必要なので、片方だけを伸ばしても合格しません。

ITパスポートに合格している人は、科目Aの時間を減らせるぶん、科目Bの練習を早めに始められます。問題を何周解けば十分かは、過去問は何周すればいいかで学習科学の研究をもとに整理しています。

勉強時間を確保する場所:自習室代はいくらかかるか

基本情報技術者試験の科目Bのアルゴリズム対策では、プログラムの動きを紙に書いて追う練習が中心的になります。机にメモ用紙を広げて、100分を計って20問を解く練習もしたいところです。家では集中しにくい人にとって、こうした時間を取れる場所を持つことは、勉強時間の確保そのものになります。

当サイトに掲載している有料自習室のうち、月額プランがある324施設で、各施設の最も安い月額プランの料金を集計しました(2026年9月30日時点)。

集計の範囲金額
第1四分位(安い方から4分の1の位置)月5,800円
中央値月7,800円
第3四分位(高い方から4分の1の位置)月11,000円

324施設のうち320施設は、当サイトが公式サイトと料金を突き合わせて確認した掲載です。「最も安い月額プラン」には、夜間のみや平日のみといった利用時間に制限のあるプランも含まれます。

平日1時間・休日3時間(週11時間)のペースで当サイトが試算すると、初学者の200時間に届くのは約4.2か月(週数では19週目)なので、月単位で契約すると5か月分です。中央値の月7,800円なら自習室代は3万9,000円で、これに受験手数料7,500円(税込)が加わります。ITパスポート合格者の100時間なら約2.1か月(週数では10週目)なので3か月分、自習室代は2万3,400円です。コンビニエンスストアや銀行ATMで払う場合は、別に払込手数料がかかります。

公立図書館は無料で使えますが、館によっては持ち込みの勉強を制限していたり、席の数が少なかったりします。平日の夜や休日に確実に座れるかどうかは、事前に確かめておくと安心です。

受かった後の数字:合格者はどれだけいるか

最後に、200時間前後をかけて取る資格の「その先」を、公的な統計で見ておきます。

合格者の累計は約80万7,000人

基本情報技術者試験には、合格後に登録する制度がありません。そのため、資格を持つ人の数は、合格者の累計としてしか言えません。IPAの推移表によると、基本情報技術者試験の名前で試験が行われるようになった2001年度から2025年度までの合格者の累計は80万7,263人です。前身の第二種情報処理技術者試験(1969年度〜)を含めると136万1,083人になります。2025年度だけでも5万6,370人が合格しています。

独占業務はないが、国家試験としての位置づけがある

情報処理技術者試験は、情報処理の促進に関する法律に基づき、経済産業省が情報処理技術者としての知識・技能の水準を認定する国家試験です。合格者には合格証書が交付され、合格者の受験番号は官報に掲載されます。一方で、合格者だけができる独占業務や、事業所に合格者を置かなければならないという必置の定めはありません。IPAは、この試験を「ITエンジニアの登竜門」と位置づけています。

年収は「職種の値」で見るしかない

基本情報技術者の合格者だけを対象にした公的な賃金統計はありません。参考として、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)で、職種がソフトウェア作成者の人の年収を「所定内給与×12か月+年間賞与」で算出すると、約538万円(平均年齢37.1歳、勤続9.9年)になります。全産業の約510万円(平均44.4歳)を上回ります。同じ調査で、システムコンサルタント・設計者は約847万円(平均38.3歳)でした(いずれも当サイト算出)。

ただし、これらの値はその職種に就いている人全体の平均で、基本情報技術者の合格者だけの値ではありません。また、資格を取れば年収がこの水準になることや、年収が上がることを示すものでもありません。

よくある質問

基本情報技術者試験の勉強時間は何時間必要ですか?

想定する受験者によって変わります。今回確認した学習サイトの目安をそろえると、ITの知識がない初学者で約200時間、ITパスポート合格者や学習経験者で50〜150時間、IT業界で働く人や情報系の学校の出身者で50〜70時間でした。試験を実施する情報処理推進機構(IPA)は、合格に必要な学習時間を公表していません。合格には科目Aと科目Bの両方で1,000点満点中600点以上が必要で、時間を満たせば受かる試験ではない点にも注意が必要です。

ITパスポートに合格していると、基本情報技術者の勉強時間はどれくらい減りますか?

学習サイトの目安は、ITパスポート合格者で50〜150時間と幅があります。TACは約100時間、スタディングは100〜150時間、資格Timesは50時間程度としています。ITパスポートで学ぶ用語は科目Aに生きます。一方、科目Bは20問中16問がアルゴリズムとプログラミングで、スタディングはこの部分には初学者と同等の時間が必要だとしています。プログラミングを学んだことがなければ、150時間に近い側で見積もるのが安全です。

基本情報技術者は1日何時間、何か月勉強すれば合格できますか?

週に取れる時間によって変わります。当サイトの試算では、初学者の目安の200時間に届くまで、平日1時間・休日3時間(週11時間)なら約4.2か月(週数では19週目)、平日2時間・休日4時間(週18時間)なら約2.6か月(週数では12週目)です。2か月で200時間なら毎日約3時間20分、1か月で100時間なら毎日約3時間20分が必要になります。

IT業界の経験者なら短い時間で合格できますか?

経験の中身によります。TAC、スタディング、ユーキャンの3社はIT業界で働く人の目安を50〜70時間としていますが、IPAの2025年度の統計では、社会人の受験者のうち経験年数1年未満の人の合格率が47.0%だったのに対し、20年以上の人は24.2%(当サイト算出)でした。業務別では、プログラム開発の人が42.2%、情報セキュリティ技術支援・管理・運用の人が25.7%です。経験があっても、科目Bのプログラムを読む練習は別に時間を取ったほうが安全です。

2027年度に試験制度が変わると、今の勉強は無駄になりますか?

IPAは、基本情報技術者試験を2027年度の新試験制度でも継続し、科目A(90分・60問)と科目B(100分・20問)の構成も変えない案を公表しています。出題範囲の体系は変わりますが、IPAは試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はないと説明しています。新制度での開始は2027年度春頃の予定です。現行制度のCBT試験は2026年12月28日以降に休止する予定です。現時点で申し込める受験日は12月27日までで、再開時期は発表されていません。会場によってはそれより前に休止するため、早めの予約が安全です。

基本情報技術者に合格すると年収は上がりますか?

基本情報技術者の合格者だけを対象にした公的な賃金統計はありません。参考として、賃金構造基本統計調査(令和7年)で職種がソフトウェア作成者の人の年収を所定内給与と賞与から算出すると約538万円(平均37.1歳)で、全産業の約510万円(平均44.4歳)を上回ります。ただしこれはソフトウェア作成者全体の値で、資格を取れば年収が上がることを示すものではありません。

調査方法・出典について

  • 受験者数・合格者数・合格率は、IPA「推移表(平成21年度春期以降)」(令和8年4月21日現在)と「統計資料」(令和8年3月分=2025年度の年度合計、令和8年8月分=2026年度の4〜8月)によります。2026年度4〜8月の合格率39.2%は統計資料の値です。
  • 年齢別・在学中の学校別・経験年数別・業務別の受験者数と合格率は、IPA「統計資料 令和8年3月分」の各一覧表(2025年度合計)によります。これらは受験申込時のアンケートに基づく集計です。年代別と経験年数の区分をまとめた合格率、大学院・高専・高校の合格率(区分の合算)、合格者に占める年代・社会人の割合は、公表値から当サイトが算出しました。平均年齢は年齢別一覧表の年度合計の値です。
  • 科目Aと科目Bで600点以上だった人の割合は、IPA「評価点分布(令和8年8月分)」の人数から当サイトが算出しました。
  • 試験時間・出題数・採点方式・合格基準は、IPA「試験要綱 Ver.5.6」と試験区分のページによります。受験手数料7,500円(税込)、休憩、受験予約、再受験の規定、合格発表の時期は、CBT方式の受験申込みを受け付けているシー・ビー・ティ・ソリューションズの「基本情報技術者試験(FE)試験概要」とIPAの受験申込みのページによります。
  • 2026年12月28日以降の試験休止は、IPA「2026年5月以降の試験実施について」(2026年8月3日更新)と受験申込みのページ(2026年10月1日更新)によります。2027年度の新試験制度は、IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」(2026年3月31日公開、4月28日更新)と「新試験制度のシラバス案について」(2026年9月30日更新)によります。
  • 科目A免除制度は、IPA「科目A試験免除制度 基本情報技術者試験(FE)」と制度の案内によります。
  • 独占業務や必置の定めがないことは、情報処理の促進に関する法律の条文(情報処理技術者試験は第26条)を、e-Gov法令検索の2026年10月1日施行版で確認しました(2026年10月2日)。合格者の受験番号の官報掲載はIPA「官報について」によります。
  • 合格者の累計は、IPAの推移表の「新旧制度累計③」(2001年度春期から)と「新旧制度累計①」(1969年度から)の基本情報技術者試験欄の合格者数です。推移表では、2000年度までの第二種情報処理技術者試験が基本情報技術者試験の欄に計上されています。
  • 年収は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者の職種(小分類)第1表(企業規模10人以上、男女計)のソフトウェア作成者とシステムコンサルタント・設計者の値、産業大分類第1表の産業計の値から、所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額で当サイトが算出しました。
  • 学習サイトの勉強時間の目安と科目配分は、2026年10月1日に各社の解説ページで確認しました。数字と条件は各ページの原文によります。合格者の勉強時間は、アイテックの「合格者の声」とたけゆうラボのアンケートによります。
  • 週あたりの時間から必要な期間を出す表(週数は切り上げ。か月は切り上げ前の正確な週数から算出し、小数第2位以下を切り上げ)、1か月・2か月で必要な1日の時間(5分単位に切り上げ)、試験休止までのペースは当サイトの試算です。1か月は約4.35週(365.25日÷12÷7)、2026年10月1日から12月27日までは87日(約12.4週)として計算しています。
  • 自習室の料金は、当サイトに掲載している有料自習室のうち月額プランがある324施設について、各施設の最も安い月額プランを2026年9月30日時点で集計しました。
  • 公表値や試験の予定は今後変わる場合があります。受験の際は、必ずIPAの公式情報をご確認ください。