「司法試験には3,000〜8,000時間」。司法試験の勉強時間を調べると、アガルートなどがこの数字を目安に挙げています。ところが、受験指導校のページを1つずつ読むと、伊藤塾は3,000〜5,000時間、スタディングは予備試験から司法試験まで4,500〜1万時間としています。予備試験だけでも2,000時間とするところから1万時間とするところまであり、同じ会社のページの間でも数字が食い違っています。数字の出し方について、調査の人数や方法まで示したサイトは見当たりませんでした。

それでも、各サイトが「どこまでの時間か」「どんな受験者を想定しているか」をそろえて読み直すと、ずれの理由はかなり説明できます。この記事では、その読み直しに、試験を実施する法務省の公表統計と、合格者の勉強時間を調べた数少ない調査を重ねて、「自分には何時間必要か」を自分で見積もれるようにします。あわせて、予備試験ルートと法科大学院ルートで時間の考え方がどう違うのか、何年計画なら1日に何時間必要か、科目にどう配分するのか、勉強場所にいくらかかるのか、合格した先にどんな数字があるのかまでを整理します。

この記事の要点

  • 学習サイトの目安は社ごとに違い、司法試験の合格までで3,000〜5,000時間(伊藤塾)から4,500〜1万時間(スタディング)まであり、予備試験の合格までだけでも2,000〜1万時間と開きがある。予備試験までか司法試験までか、授業や講義の時間を含むかが、サイトごとにそろっていない
  • 法務省の公表資料に、合格に必要な学習時間の目安はない(当サイトが確認した範囲)。合格者の総勉強時間を人数つきで示した調査は、講座受講者18人のアンケート(アガルート)だけで、予備試験までの合計は2,000〜1万時間に散らばり、6,000時間未満が7割強だった
  • 令和7年の司法試験は受験者3,837人、合格者1,581人で合格率41.2%。受験資格別では、予備試験合格者が90.7%、法科大学院の在学中受験が52.7%、修了者が21.9%だった
  • 予備試験の最終合格率は3.6%(当サイト算出)。年齢別では20〜24歳が7.3%で、35歳以上の各年齢層は3%未満だった(当サイト算出)
  • 予備試験ルートで司法試験まで進む場合の合計は、合格者アンケートの真ん中の階級(4,000〜6,000時間)に合格後の対策500〜2,000時間を足したおよそ4,500〜8,000時間(当サイト試算)。法律の学習歴別に調べた調査は確認できなかった。たとえば5,000時間を3年で積むなら週32時間、5年なら週19.5時間が必要(当サイト試算)
  • 弁護士は日本弁護士連合会に登録している人が48,057人(2026年9月1日現在)。弁護士だけを対象にした公的な賃金統計はない

結論:「どこまでの時間か」と想定する受験者をそろえる

司法試験には、大きく2つのルートがあります。法科大学院を修了する(または在学中に一定の要件を満たす)ルートと、予備試験に合格して受験資格を得るルートです。学習サイトの数字は、このどちらを前提にしているか、予備試験までの時間か司法試験の合格までの時間かが、社ごとに違います。そこをそろえて並べ直すと、次のようになります。

想定する範囲と受験者目安そう示している学習サイト
予備試験の合格まで(一般論)2,000〜1万時間伊藤塾(2,000〜5,000時間。同社の司法試験のページでは3,000〜5,000時間)、アガルート(3,000〜1万時間。合格者の多くは3,000〜5,000時間とする)
予備試験の合格まで、法律の学習経験がない人2,000時間ほど資格スクエア
予備試験の合格まで、勉強法で分けた場合3,000〜8,000時間スタディング(一般的な勉強法で6,000〜8,000時間、短期合格者の勉強法で3,000〜5,000時間)
予備試験の合格後、司法試験まで500〜2,000時間アガルート(2,000時間以下が多い)、スタディング(1,800〜2,000時間、短期合格者は1,500時間)、アルク(約500〜1,000時間)
司法試験の合格まで(ルートを限定しない一般論)3,000〜8,000時間伊藤塾(3,000〜5,000時間)、アガルート(3,000〜8,000時間。中には1万時間)、アルク(約3,000〜8,000時間)
予備試験ルートで司法試験まで、法律の学習経験がない人6,000〜8,000時間アルク(同じページの表では合計約5,500〜9,000時間)
予備試験ルートで司法試験まで、勉強法で分けた場合4,500〜1万時間スタディング(一般的な勉強法で7,800〜1万時間、短期合格者の勉強法で4,500〜5,600時間)
法学部出身者や法科大学院修了者3,000〜5,000時間アルク
法科大学院ルート約3,500〜6,000時間アルク(在学中に約3,000〜5,000時間と、その後の対策に約500〜1,000時間)

この表から言えるのは次のことです。

  • 予備試験ルートでは、時間の大半が予備試験までにかかります。予備試験の合格後に司法試験までかける時間の目安は500〜2,000時間で、予備試験までの目安よりずっと小さく示されています。予備試験合格者の司法試験の合格率は、令和7年に90.7%でした。
  • 予備試験ルートで司法試験まで進む場合の合計は、およそ4,500〜8,000時間と見積もれます(当サイト試算)。下で紹介する合格者アンケートでは、予備試験までの合計時間の真ん中の人は4,000〜6,000時間の階級にあり、これに予備試験合格後の500〜2,000時間を足した範囲です。ただし、このアンケートは講座受講者18人に限られ、法律の学習歴は集計されていません。法律を学んだことがない人の目安は、調査の裏づけがない各社の数字に頼るしかなく、アルクは司法試験まで6,000〜8,000時間、資格スクエアは予備試験まで2,000時間ほどと、社によって大きく違います。
  • 法学部で学んだ人や法科大学院の修了者は、3,000〜5,000時間まで短くできる可能性があります。ただし、何時間短くなるかを調べた公開データは確認できませんでした。

試験を実施する法務省の公表資料には、合格に必要な学習時間の目安はありません(当サイトが確認した範囲)。法務省が司法修習生を対象に行った「司法試験予備試験に関するアンケート調査」(第69期、回答1,178人)にも、勉強時間を尋ねる設問はありませんでした。表の数字は「相場観」として受け止め、以下の実測データと公式統計で自分の位置を確かめてください。「勉強時間の目安」そのものがどこまで当てになるのかは、学習科学の研究をもとに勉強時間の目安は本当かで検証しています。

合格者は実際に何時間勉強していたか

合格者の勉強時間を調べた調査で、人数と時期が分かるものは、確認できた範囲では次の3つでした。いずれも受験指導校によるもので、公的な調査ではありません。

予備試験までの合計時間:講座受講者18人

アガルートが、自社の講座を使って令和7年の予備試験に合格した人に行ったアンケートです(調査期間は2026年2月19日〜3月26日、有効回答18人、回答を許諾した一部の人のみ)。予備試験合格までの合計勉強時間は、次のとおりでした。

合計勉強時間割合
2,000〜4,000時間未満38.9%
4,000〜6,000時間未満33.3%
6,000〜8,000時間未満22.2%
8,000〜1万時間未満5.6%

6,000時間未満が72.2%を占め、2,000時間未満と1万時間以上はいませんでした。18人を時間の短い順に並べると、真ん中の9番目と10番目の人は4,000〜6,000時間未満の階級に入ります(当サイト読み取り)。回答者の66.7%は20代でした。人数が少なく、講座の受講者に限った調査なので、独学の人や、合格まで長くかかった人の実態は分かりません。

1日あたりの時間:予備試験合格者126人

加藤ゼミナールが、インターネット調査会社のモニターのうち「予備試験合格者」と回答した126人に、1日あたりの勉強時間を尋ねた調査です(2024年3月22〜27日、合格は自己申告。1週間の勉強時間を7で割った値として回答)。

1日あたりの勉強時間予備試験合格者
2時間未満4.7%
2〜3時間15.9%
4〜5時間27.0%
6〜7時間29.4%
8〜9時間13.5%
10時間以上9.5%

4〜7時間が56.4%で、1日4時間以上の人は79.4%でした(当サイト算出)。1日4〜7時間は、週に直すと28〜49時間です。同じ調査で合格までの学習期間を尋ねると、2〜3年未満が34.1%で最も多く、3年未満の人が合わせて63.4%、1年未満は7.1%でした。

司法試験合格までの年数:講座受講者78人

アガルートが、自社の講座を使って令和6年の司法試験に合格した人に、学習経験期間を尋ねたアンケートです(2024年11月15日〜12月15日、有効回答78人)。3年が25.6%、4年が23.1%で、3〜4年が合わせて48.7%でした。2年は6.4%で、5年以上の人は合わせて35人で、44.9%いました(当サイト算出)。

3つの調査は対象も聞き方も違うので、数字を掛け合わせて平均の総時間を出すことはできません。ただ、調査ごとに見ると、学習期間が短かった人は多数派ではありません。1年未満は7.1%(加藤ゼミナール、126人)、学習経験期間が2年の人は6.4%(アガルート、78人)でした。一方、合計勉強時間が最も短い階級(2,000〜4,000時間未満)は、アガルートの18人の調査では38.9%で最も多い階級でした。なお、アガルートと加藤ゼミナールの予備試験の調査はどちらも予備試験の合格までの時間で、その後の司法試験の勉強は含みません。

それでも数字がずれる理由

条件をそろえても残るずれには、確認できた範囲で3つの理由があります。

1つめは、何を「勉強時間」に含めるかです。加藤ゼミナールの記事は、大学や法科大学院の授業時間、予備校の講義の視聴時間を含めるのかが不明だと指摘しています。同じ記事で、法科大学院ルートで合格した弁護士が「約1万時間」と書いていますが、これは授業を含めた概算です。辰已法律研究所は、法科大学院ルートでは大学4年と法科大学院2年を単純に足すと8,000〜1万時間になると説明しています。一方、講座の講義時間は、LECの予備試験向けの入門講座が324時間、スタディングの基礎講座が約198時間です。講義を見る時間だけで数百時間になるので、それを含めるかどうかで目安は大きく動きます。確認した学習サイトのうち、目安の時間から何を除いたかを明記していたのは、加藤ゼミナールの記事だけでした。この記事は、執筆した弁護士の私見として、集中して自習する時間がおよそ5,000時間は必要で、これは大学や法科大学院の授業を除いた時間だとしています。

2つめは、範囲の取り方が同じ会社の中でもそろっていないことです。伊藤塾は予備試験の目安を、予備試験のページでは2,000〜5,000時間、司法試験のページでは3,000〜5,000時間としています。アガルートは司法試験の合格までを3,000〜8,000時間、予備試験の合格までを3,000〜1万時間としています。

3つめは、数字の根拠です。伊藤塾は、予備試験の目安を公的統計ではなく受験指導校や合格者の経験則によるものと明記しています。スタディングは担当者の長年の指導経験から、辰已法律研究所は「1日約8時間を1年続けると3,000時間程度」という計算から、数字を説明しています。アガルートは上の合格者アンケートを載せていますが、見出しの「3000~10000時間」や「3000~5000時間が多い」をこの調査から算出したとは書いていません。講座を使えば独学より短くなるとするサイトもありますが(アルクは独学の半分以下に短縮できるとし、アガルートのFAQは、同社の講座を利用する場合は3,000時間程度、独学の場合は1万時間かかる場合もあるとする)、両者を実際に比べたデータは示されていません。

合格者・受験者の実像:ルートと年齢で合格率が大きく違う

ここからは、法務省の公表統計で、受験者と合格者の姿を見ていきます。

司法試験:受験者3,837人、合格率41.2%

令和7年(2025年)の司法試験は、受験者3,837人のうち1,581人が合格し、合格率は41.2%でした。ここ10年の合格者数は年1,400〜1,700人台で推移する一方、受験者数は2011年の8,765人から半分以下に減り、合格率は40%台まで上がりました。

現行司法試験 受験者数と合格率の推移(2006〜2025)

  • 受験者数
  • 合格者数
  • 合格率(%)
02,0004,0006,0008,00010,0000102030405020062007200820092010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
出典: 法務省「司法試験の結果について」各年

合格率は受験資格によって大きく違います。

令和7年司法試験 受験資格別の合格率

予備試験合格者90.7%

受験者472人・合格者428人

法科大学院 在学中受験52.7%

受験者1,352人・合格者712人

法科大学院 修了者21.9%

受験者2,013人・合格者441人

全体41.2%

受験者3,837人・合格者1,581人

合格率は受験者に対する最終合格者の割合で、法務省「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等」の値(90.68%・52.66%・21.91%)を小数第1位に丸めたもの。全体は当サイト算出。修了者には、修了後に2回目以降の受験をした人も含まれる。合格率の差には、受験者の学力や学習歴の違いが含まれ、受験資格そのものの効果を示すものではない。出典: 法務省「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等」「令和7年司法試験の採点結果」

予備試験合格者の合格率は90.7%で、法科大学院の在学中に受験した人は52.7%、修了してから受験した人は21.9%でした。合格者1,581人の内訳では、在学中受験が45.0%、修了者が27.9%、予備試験合格者が27.1%です(当サイト算出)。予備試験の合格者がほぼ受かっていることから、予備試験ルートでは予備試験の段階で強く選抜されていることがうかがえます。学習サイトが予備試験ルートの時間の大半を予備試験までに置いているのも、この構造と合っています。ただし、合格率の差には受験者の学力や学習歴の違いが含まれ、受験資格そのものの効果を示すものではありません。

合格者の平均年齢は26.8歳(2025年12月末現在)、最年少は18歳、最高齢は69歳でした。合格者の75.7%(1,197人)は、その受験資格での1回目の受験で合格しています(当サイト算出)。

司法試験には受験期間の制限があります。法科大学院の修了者と予備試験の合格者は、資格を得た日の後の最初の4月1日から5年の間しか受験できません(司法試験法4条)。試験は年1回なので、受けられるのは最大5回です。

2026年(令和8年)の司法試験は7月15日から19日まで(17日を除く4日間)行われ、受験者は3,871人でした。令和8年の合格発表は2026年11月11日(予定)です。

予備試験:最終合格率3.6%、年齢と職業で差

令和7年の予備試験は、出願者15,764人、受験者12,432人で、最終合格者は452人でした。受験者に対する最終合格率は3.6%です(当サイト算出)。

予備試験 出願者数と合格率の推移(2011〜2025)

  • 出願者数
  • 合格率(%・対受験者)
05,00010,00015,00020,000012345201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
出典: 司法試験予備試験 各年合格発表

試験は3段階で、短答式の合格者だけが論文式を、論文式の合格者だけが口述試験を受けます。

段階受験者合格者合格率
短答式(2025年7月)12,432人2,744人22.1%
論文式(2025年9月)2,620人457人17.4%
口述(2026年1月)457人452人98.9%

合格率は当サイト算出です(論文式は欠席者を除いた受験者が分母)。口述試験はほぼ全員が通るので、実質的な関門は短答式と論文式の2つです。前年に論文式まで合格していても、翌年は短答式から受け直しになります。予備試験には、受験資格や受験回数の制限がありません。

最終合格者の平均年齢は28.46歳、最年少は19歳、最高齢は68歳でした(2025年12月31日時点)。法務省は年齢別・職種別の内訳も公表しています。年齢別の最終合格率を計算すると、次のとおりです。

令和7年司法試験予備試験 年齢別の最終合格率(対受験者)

20〜24歳7.3%

受験者3,688人・最終合格者268人

25〜29歳4.1%

受験者1,250人・最終合格者51人

30〜34歳3.8%

受験者1,011人・最終合格者38人

35〜39歳2%

受験者1,028人・最終合格者21人

40〜44歳2.8%

受験者983人・最終合格者28人

45〜49歳1.5%

受験者1,032人・最終合格者15人

50〜54歳1.3%

受験者976人・最終合格者13人

55歳以上0.7%

受験者2,312人・最終合格者17人

全体3.6%

受験者12,432人・最終合格者452人

受験者は短答式試験の受験者、最終合格者は口述試験の合格者。年齢は2025年12月31日時点で、受験願書に基づく出願者の自己申告。19歳以下(受験者152人・最終合格者1人)は表示していない。割合はすべて当サイト算出。出典: 法務省「令和7年司法試験予備試験口述試験(最終)結果」参考情報

20〜24歳の7.3%に対し、35歳以上の各年齢層は3%未満でした(当サイト算出)。職種別に見ても、大学生は受験者3,601人のうち264人が合格して7.3%、会社員は2,840人のうち59人で2.1%、公務員は1,309人のうち36人で2.8%でした(当サイト算出)。最終合格者452人の58.4%は大学生です。

ただし、30歳以上でも最終合格者は132人いました。社会人の合格率が低い理由として、勉強に使える時間の差が考えられますが、法務省の統計は受験者の勉強時間を調べていないので、どれだけが時間の差によるものかは分かりません。

2026年(令和8年)の予備試験は、短答式(7月19日)の受験者12,453人のうち2,668人が合格しました。論文式の合格発表は2026年12月17日、最終合格の発表は2027年2月4日の予定です。司法試験制度の20年の変化は司法試験の歴史と傾向で詳しく扱っています。

合格ラインの仕組み

司法試験:短答と論文を1対8で合算

司法試験は、短答式(憲法・民法・刑法、175点満点)と論文式(800点満点)で行われます。合否の判定は3段階です。

  1. 短答式で、各科目40%以上(憲法20点、民法30点、刑法20点)を取り、かつ合計が基準点以上であること。基準点は令和7年が81点、令和8年が99点でした。
  2. 論文式で、各科目の満点の25%以上を取ること。1科目でも下回ると、それだけで不合格です。
  3. 短答式の得点と論文式の得点を「1対8」の比重で合算した総合点が、合格点以上であること。

論文式の配点は、公法系科目(憲法・行政法)200点、民事系科目(民法・商法・民事訴訟法)300点、刑事系科目(刑法・刑事訴訟法)200点、選択科目100点です。総合点は「短答式の得点+論文式の得点×1,400÷800」で計算されます。令和7年の合格点は総合点770点以上で、総合評価の対象者の平均点は794.22点でした。総合点の満点1,575点のうち論文式が1,400点を占めるので、合否のほとんどは論文式で決まります。

合格点は、毎年の試験のあとに司法試験委員会が決めます。短答式の基準点が81点から99点に上がった令和8年は、短答式の平均点も102.1点から118.1点に上がっていました。何点取れば受かるかが事前に決まっている試験ではないので、「何時間やったか」ではなく「本番で何点取れるか」で合否が決まります。

予備試験:短答270点、論文は10科目

予備試験の短答式は、法律基本科目7科目(憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法)が各30点、一般教養科目が60点の、計270点満点です。合格点は令和7年が159点、令和8年が165点でした。

論文式は、法律基本科目7科目に、法律実務基礎科目(民事・刑事)と選択科目を加えた10科目です。法律基本科目は各50点、法律実務基礎科目は民事・刑事が各50点と、司法試験委員会が定めています。選択科目は2022年から、それまでの一般教養科目に代わって加わりました。令和7年の論文式の合格点は240点以上でした。

口述試験は、法律実務基礎科目の民事と刑事について、試験委員と口頭で問答する形で行われます。それぞれ60点が「一応の水準」とされ、令和7年の合格点は119点以上でした。

いつから始める? 年数別の「1週・1日あたりの時間」

2027年の試験日程

2027年(令和9年)の日程は、司法試験委員会が2026年8月5日に決定しています。

試験日程
予備試験 短答式2027年7月18日(日)
予備試験 論文式2027年9月11日(土)・12日(日)
予備試験 口述試験2028年1月22日(土)・23日(日)
予備試験 最終合格発表2028年2月3日(木)
司法試験2027年7月14日(水)・15日(木)・17日(土)・18日(日)
司法試験 合格発表2027年11月10日(水)

予備試験の最終合格は2月に発表され、同じ年の7月に司法試験を受けられます。たとえば2027年の予備試験に合格すれば、最短で2028年7月の司法試験を受けることになります(2028年の日程はまだ公表されていません)。

何年計画なら1日に何時間か

数千時間を積む試験なので、開始月ではなく「何年で積むか」で必要な時間を計算しました。1年を約52.2週(365.25日)とし、週あたりの時間は0.5時間単位、1日あたりの時間は10分単位に切り上げて表示しています(当サイト試算)。目標の時間を積むのに必要な週数・日数から計算した値で、丸めた値からさらに計算してはいません。

計画の年数3,000時間5,000時間8,000時間
1年(約52週)週57.5時間(毎日8時間20分)週96時間(毎日13時間50分)週153.5時間(毎日22時間)
2年(約104週)週29時間(毎日4時間10分)週48時間(毎日7時間)週77時間(毎日11時間)
3年(約157週)週19.5時間(毎日2時間50分)週32時間(毎日4時間40分)週51.5時間(毎日7時間20分)
4年(約209週)週14.5時間(毎日2時間10分)週24時間(毎日3時間30分)週38.5時間(毎日5時間30分)
5年(約261週)週11.5時間(毎日1時間40分)週19.5時間(毎日2時間50分)週31時間(毎日4時間30分)

働きながら勉強する人向けに、休日に6時間ずつ(週12時間)勉強した場合、平日に1日あたり必要な時間も計算しました(当サイト試算)。必要な週あたりの時間から休日の12時間を引いて5日で割り、10分単位に切り上げています。

計画の年数3,000時間:平日1日5,000時間:平日1日8,000時間:平日1日
2年3時間30分7時間20分13時間
3年1時間30分4時間7時間50分
4年30分2時間30分5時間20分
5年休日だけで足りる1時間30分3時間50分

5,000時間を例にすると、働きながら3年で届かせるには平日も毎日4時間が必要です。4年なら平日2時間30分、5年なら1時間30分です。8,000時間なら、5年でも平日に毎日3時間50分が必要です。伊藤塾は、社会人が働きながら予備試験を目指す場合の目安を、週20時間前後で3〜5年としています。週20時間なら3年で約3,100時間、5年で約5,200時間です(当サイト試算)。学生のように毎日6〜7時間を確保できるなら、5,000時間は2年前後で積める計算です(当サイト試算)。

なお、予備試験に合格した人の司法試験の受験期間は、合格した日の後の最初の4月1日から5年間です。予備試験に合格したあとの500〜2,000時間は、この期間の中で積むことになります。

法科大学院ルートの最短

法科大学院ルートの制度上の最短は、大学の法曹コース(3年)で早期卒業し、法科大学院の既修者コース(2年)に進む形で、文部科学省が標準的な流れとして示しています。予備試験ルートには年齢や学歴の受験資格がないため、全ルートを通じた最短の年数は制度では定められていません。司法試験は、法科大学院で所定の科目の単位を取り、その年の4月1日から1年以内に修了する見込みがあると学長の認定を受ければ、在学中に受けられます(司法試験法4条2項)。在学中に受験した人がその後修了した場合、受験期間の5年は、在学中に最初に受験した年の4月1日から数えます(同条3項)。この形なら、大学に入って5年目の7月に司法試験を受けることになります。合格後は、1年間の司法修習を経て、修習の最後の考試に合格すると、裁判官・検察官・弁護士になる資格が得られます。

試験日から復習の間隔を逆算したいときは、試験日を入れるだけで復習日を提案する復習スケジューラが使えます。各資格の試験日程は資格試験スケジュールにまとめています。

科目別・試験別の時間配分:論文式を中心に置く

予備試験の科目別・試験別の配分について、学習サイトの示し方は次のとおりです。

学習サイト配分の示し方
スタディング短答式2〜3割、論文式6〜7割、口述1〜2割
資格スクエア短答と論文を2対8(短答式の直前期は短答中心)
伊藤塾短答対策は直前期を除いて全体の2割程度。インプット2対アウトプット8
アガルート短答式の2〜3か月前までは論文式に8割程度。インプット2対アウトプット8
アルク6,000時間の例で、短答30%、論文50%、選択科目10%、法律実務基礎科目10%

社によって比率は違いますが、確認した5社はいずれも論文式に最も多くの時間を充てています。司法試験の総合点でも、1,575点満点のうち論文式が1,400点を占めます。どの配分が合格に有利かを比べたデータはありませんが、論文式を中心に置くこと自体は、試験の配点の仕組みと合っています。

科目の間の配分は、論文式の配点から考えるのが確実です。司法試験の論文式では、民事系科目(民法・商法・民事訴訟法)が800点中300点と最も大きく、公法系と刑事系が各200点です。そのうえで、司法試験では論文式の各科目に満点の25%、短答式の各科目に満点の40%という最低ラインがあり、1科目でも下回ると不合格になります。公式資料が定めているのはこの最低ラインまでで、科目ごとの最適な時間配分は示していません。最低ラインに届かない科目が1つでもあると、ほかの科目の点数にかかわらず不合格になります。答練や模試で最低ラインに近い科目が見つかったら、その科目に時間を回す必要があります。どこまで回すかは、配点の大きい科目の得点とのバランスで、受験生ごとに決まります。

短答式は、予備試験では最初の関門です。令和7年は受験者の22.1%しか通っていません。短答の時期の扱いは社によって違います。アガルートは短答式の2〜3か月前から短答の比率を6〜9割に上げるとし、資格スクエアは直前期に限って短答中心に切り替えるとしています。伊藤塾は短答を直前期を除いて全体の2割程度とし、スタディングは1年で合格を目指す例で、年内に短答対策をある程度終え、年明けから試験本番までは論文式対策に絞るとしています。過去問の回し方は過去問は何周すべきか、試験直前の時間の使い方は試験戦略の学習科学で扱っています。

勉強時間を確保する場所:自習室代はいくらかかるか

数千時間を積むうえで最も大きな壁は、毎日の時間を何年も確保し続けることです。家では集中できない人にとって、勉強する場所の選択は時間の確保そのものです。

当サイトに掲載している有料自習室のうち、月額プランがある324施設で、各施設の最も安い月額プランの料金を集計しました(2026年9月30日時点)。

集計の範囲金額
第1四分位(安い方から4分の1の位置)月5,800円
中央値月7,800円
第3四分位(高い方から4分の1の位置)月11,000円

324施設のうち320施設は、当サイトが公式サイトと料金を突き合わせて確認した掲載です。「最も安い月額プラン」には、夜間のみや平日のみといった利用時間に制限のあるプランも含まれます。

3年計画で月単位で契約し続けると36か月分になり、自習室代の合計は第1四分位の月5,800円で20万8,800円、中央値の月7,800円で28万800円、第3四分位の月11,000円で39万6,000円です。これに受験手数料が加わります。令和8年の受験手数料は、予備試験が電子出願で20,000円(郵送出願は21,000円)、司法試験が電子出願で31,000円(郵送出願は32,000円)でした。予備試験と司法試験を1回ずつ電子出願で受けるなら51,000円で、中央値の自習室代と合わせると33万1,800円です(当サイト試算)。

公立図書館は無料で使えますが、館によっては持ち込みの勉強を制限していたり、席の数が少なかったりします。平日の夜や休日に確実に座れるかどうかは、事前に確かめておくと安心です。司法試験の受験生が自習室を選ぶときのポイントは司法試験受験生のための自習室の選び方にまとめています。

受かった後の数字:弁護士はどれだけいて、何が仕事を支えているか

弁護士として登録している人は48,057人

司法修習を終えた人が弁護士として働くには、弁護士会を通じて日本弁護士連合会(日弁連)の弁護士名簿に登録する必要があり、登録と同時に日弁連の会員になります(弁護士法8・9・47条)。日弁連によると、2026年9月1日現在の弁護士の会員は48,057人で、うち女性は10,085人です。

『弁護士白書 2025年版』によると、2025年3月31日現在の弁護士は46,243人で、10年前(2015年)の36,415人から9,828人増えました(当サイト算出)。この数は登録している弁護士の数で、司法試験の合格者の累計ではありません。裁判官や検察官になった人、弁護士登録をしていない人は含まれません。司法書士との仕事の違いは司法書士は「弁護士の下位互換」なのかで扱っています。

需要の根拠は法律にある

弁護士の仕事の土台は、弁護士法にあります。弁護士法3条は、訴訟事件や行政庁への不服申立事件などの法律事務を行うことを弁護士の職務としています。そして72条は、弁護士や弁護士法人でない者が、報酬を得る目的でこうした法律事務を取り扱うことを業とするのを禁じています(この法律または他の法律に別段の定めがある場合を除く)。報酬を得て他人の法律事件を扱う仕事は、原則として弁護士にしかできないということです。

年収は公的統計からは出せない

弁護士だけを対象にした公的な賃金統計はありません。厚生労働省の賃金構造基本統計調査の職種は、弁理士・司法書士・土地家屋調査士なども含む「法務従事者」という区分までで、弁護士だけの値は取れません。また、この統計は事業所に雇われている人の賃金を調べるもので、開業している弁護士の収入は対象外です。そのため、この記事では年収の数字は載せていません。

よくある質問

司法試験の勉強時間は何時間必要ですか?

学習サイトの目安は社ごとに違い、司法試験の合格までで、アガルートは3,000〜8,000時間(中には1万時間)、伊藤塾は3,000〜5,000時間、スタディングは予備試験から司法試験まで4,500〜1万時間としています。予備試験だけでも2,000〜1万時間と開きがあり、目安の数字そのものについて調査の人数や方法を示した社は確認できませんでした。講座受講者の令和7年予備試験合格者18人へのアンケート(アガルート)では、予備試験までの合計勉強時間は2,000〜1万時間に散らばり、真ん中の人は4,000〜6,000時間の階級でした。これに予備試験合格後の司法試験対策として学習サイトが示す500〜2,000時間を足すと、予備試験ルートで司法試験まで進む場合の合計はおよそ4,500〜8,000時間になります(当サイト試算)。法律の学習歴別に勉強時間を調べた調査は確認できなかったため、法律を学んだことがない人の目安は、この範囲より長くも短くもなり得ます。

社会人が働きながら予備試験・司法試験に合格するには、1日何時間・何年かかりますか?

たとえば合計5,000時間を3年で積むなら週32時間で、休日に6時間ずつ勉強しても平日は1日4時間が必要です。4年なら週24時間(平日1日2時間30分)、5年なら週19.5時間(平日1日1時間30分)です(当サイト試算)。伊藤塾は、働きながら予備試験を目指す社会人の目安を週20時間前後で3〜5年としています。法務省の統計では、令和7年の予備試験の最終合格率は会社員で2.1%、大学生で7.3%でした(当サイト算出)。予備試験に受験資格や受験回数の制限はありません。

司法試験の勉強時間「1万時間」は本当ですか?

1万時間という数字は、アガルート(中には1万時間という人もいる)、スタディング(一般的な勉強法で予備試験から司法試験まで7,800〜1万時間)、辰已法律研究所(3,000時間にも1万時間にもなり得る)などが挙げています。ただし、大学や法科大学院の授業時間、講座の講義時間を含めるかどうかで数字は大きく変わります。確認した学習サイトで除外範囲を明記していたのは、授業を除いた自習時間でおよそ5,000時間は必要とする加藤ゼミナールの記事だけでした。講座受講者の予備試験合格者18人のアンケートでは、8,000時間以上は1人(5.6%)でした。

司法試験に最短で合格するには何年かかりますか?

法科大学院ルートの制度上の最短は、法曹コース(大学3年)と法科大学院の既修者コース(2年)を組み合わせ、法科大学院の最終学年の7月に、学長の認定を受けて在学中受験する形です。予備試験には年齢や学歴の受験資格がなく、全ルートを通じた最短の年数は制度では定められていません。令和7年の予備試験の最終合格者の最年少は19歳でした。勉強時間では、加藤ゼミナールの加藤喬氏がブログで、最短だと1,500〜2,000時間ほどから予備試験の合格者が出始めるとしています。予備試験合格者へのネット調査(加藤ゼミナール、126人)では、学習期間が1年未満だった人は7.1%でした。

司法試験・予備試験は独学で合格できますか?

予備試験に受験資格の制限はなく、制度上は独学でも受けられます。独学の場合の目安として、アガルートのFAQは、予備試験の総学習時間が1万時間かかる場合もあるとしています。同じFAQは、アガルートの講座を利用する場合の予備試験の総学習時間を3,000時間程度としています。ただし、この数字の根拠となる調査の人数や方法は示されておらず、講座の利用が勉強時間をどれだけ縮めるかを比べたデータも見当たりません。独学の場合は、論文式の答案を他人に評価してもらう機会を、答練や模試で別に確保しておく必要があります。

調査方法・出典について

  • 司法試験の受験者数・合格者数・合格率・合格点・合格者の年齢・受験回数・受験資格別の人数は、法務省「令和7年司法試験の採点結果」「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等」「令和7年司法試験(短答式試験)の結果」によります。合格者に占める受験資格別の割合と、1回目の受験で合格した人の割合は当サイトが算出しました。2026年の受験者数と短答式の結果は、法務省「令和8年司法試験受験状況」「令和8年司法試験(短答式試験)の結果」によります。
  • 予備試験の受験者数・合格者数・合格点・年齢・職種別の人数は、法務省「令和7年司法試験予備試験」の短答式・論文式・口述試験の結果と、口述試験(最終)結果の参考情報(出願者の自己申告)によります。段階別・年齢別・職種別の合格率は当サイトが算出しました。
  • 合格基準と配点は、司法試験考査委員会議「司法試験における採点及び成績評価等の実施方法・基準について」、司法試験委員会「司法試験予備試験に関する配点について」、司法試験予備試験考査委員会議「司法試験予備試験口述試験の採点及び合否判定の実施方法・基準について」、法務省「令和8年司法試験予備試験に関するQ&A」によります。
  • 試験日程は、司法試験委員会「令和9年司法試験の実施日程等について」「令和9年司法試験予備試験の実施日程等について」(2026年8月5日決定)などによります。受験手数料は令和8年の司法試験受験案内と予備試験のQ&A、受験期間の制限は同受験案内(司法試験法4条の抄録を含む)と法務省「司法試験Q&A」によります。法曹コースは文部科学省、司法修習は裁判所の公表資料によります。
  • 弁護士数は、日本弁護士連合会「日弁連の会員」(2026年9月1日現在)と『弁護士白書 2025年版』によります。弁護士の職務と非弁行為の禁止は、弁護士法3条・72条を日本法令外国語訳データベースで確認しました。
  • 年収を載せなかった理由は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(e-Stat)の職種(小分類)の表で、弁護士が「法務従事者」として弁理士・司法書士などとまとめて集計されていることを確認したためです。
  • 学習サイトの勉強時間の目安と配分は、2026年10月1日に各社の解説ページで確認し、アガルートの独学の目安は2026年10月2日にFAQページで確認しました。合格者の勉強時間は、アガルートの令和7年予備試験合格者アンケート(有効回答18人)と令和6年司法試験合格者アンケート(有効回答78人)、加藤ゼミナールが2024年5月15日に公表したインターネット調査(予備試験合格者126人)によります。割合の合計や階級の読み取りは当サイトによるものです。
  • 何年計画の場合に週・1日あたり何時間必要かは、1年を365.25日として当サイトが試算し、必要な週あたり・1日あたりの時間は切り上げて表示しています。
  • 自習室の料金は、当サイトに掲載している有料自習室のうち月額プランがある324施設について、各施設の最も安い月額プランを2026年9月30日時点で集計しました。
  • 公表値は今後の発表で更新される場合があります。受験の際は、必ず法務省の公式情報をご確認ください。