FP(ファイナンシャル・プランニング技能検定)の勉強時間を調べると、3級は「80〜150時間」、2級は「150〜300時間」という数字がよく出てきます。ところが学習サイトを1つずつ読むと、3級は30時間から150時間まで、2級は80時間から300時間まで割れています。しかも、確認した範囲では、その総時間をどうやって出したのか、調査の人数や方法まで示したサイトは見当たりませんでした。

ただ、各サイトが「どんな受検者を想定しているか」をそろえて読み直すと、ずれの多くは説明がつきます。この記事では、その読み直しに、試験を実施する日本FP協会と金融財政事情研究会(以下、きんざい)の公式統計と、数少ない合格者アンケートを重ねて、自分に必要な時間を見積もれるようにします。3級と2級はCBT方式(テストセンターのパソコンで受ける方式)で通年実施されているので、「試験日から逆算する」のではなく、「1日何時間なら何週間かかるか」で計画を立てられるように整理しました。

この記事の要点

  • 学習サイトが示すFP3級の勉強時間は30〜150時間。想定する受検者をそろえると、知識のない初学者で80〜150時間、予備知識や実務経験がある人で30〜80時間と整理できる
  • FP2級は80〜300時間と幅がさらに広い。3級合格直後に続けて学ぶなら80〜150時間、3級を持たない初学者なら200〜300時間と、3級からの距離で大きく変わる
  • 試験を実施する2団体は、合格に必要な学習時間を公表していない。総時間の目安について、確認した範囲では、調査の人数や方法まで示したサイトは見当たらなかった
  • 講座受講者の2級合格者アンケートは2つ(アガルート、有効回答33人と23人)。どちらも平日1時間が最多で、当サイトが分布から試算すると週およそ12.6〜13.6時間、学習期間の中央値はどちらも4か月
  • 2025年度のCBT試験の学科の合格率は、3級が日本FP協会86.5%・きんざい51.0%、2級が50.8%・24.1%(当サイト算出)。合格基準は60点満点で36点以上と点数で決まっている
  • 3級合格を受検資格にする場合、2級の申請は3級の合格発表日(受検月の翌月中旬)から。3級を受けてから2級を受けられるまで、3級を月末に受けても3週間ほど、月初なら7週間ほど空く(当サイト試算)
  • 技能士の取得者数は両団体の累計で延べ約318万(1級を含む。当サイト算出)。日本FP協会の民間資格はAFP認定者15万560人、CFP認定者2万8,529人(2026年10月1日現在)

結論:条件をそろえると、目安のずれは小さくなる

先に結論をまとめます。FPの勉強時間の目安は、学習サイトごとにばらばらに見えますが、各サイトが書いている「想定する受検者」の条件で並べ直すと、次のように整理できます。まず3級です。

想定する受検者3級の目安そう示している学習サイト
金融や保険の知識がない初学者・独学80〜150時間ユーキャン(独学で80〜150時間)、アルク(初学者が基礎から学ぶ場合80〜150時間。同じページの編集部コメントでは120〜150時間)、TAC(独学の解説ページで約100時間)、アガルート(勉強に慣れていない人などは100時間程度)
学習方法を限定しない一般的な目安30〜150時間スタディング(80〜150時間)、アガルート(30〜100時間)、LEC(標準的な目安として40時間)
予備知識や実務経験がある人30〜80時間アルク(予備知識がある人や合格だけを狙う場合で30〜80時間)、アガルート(勉強習慣や実務経験のある人は30時間程度)

次に2級です。2級は「3級をいつ、どこまで学んだか」で数字が大きく変わります。

想定する受検者2級の目安そう示している学習サイト
3級を持たず実務経験もない初学者200〜300時間アルク
学習方法を限定しない一般的な目安150〜300時間スタディング、アガルート、ユーキャン(独学の解説でも同じ150〜300時間)
自社講座を使う場合150〜300時間フォーサイト(基礎知識の有無で異なるとしたうえで)
3級合格から時間がたっている人150〜200時間アルク
金融・保険の実務経験がある人100〜150時間アルク
3級合格直後に続けて学ぶ人80〜150時間アルク(表では80〜150時間、同じページの冒頭では100〜150時間程度)、LEC(3級の40時間に続けて100時間。3級から通して140時間)
講義を聞く時間を除いた勉強時間80〜100時間TAC(学科と実技に同時に合格する場合)

この表から言えるのは次のことです。

  • 金融や保険の知識がない人が3級を独学するなら、100〜150時間を見込んでおくのが無難です。初学者向けの目安は80〜150時間で、TACとアガルートの100時間前後はその中に入ります。
  • 2級は、3級の合格直後に続けて学ぶなら80〜150時間、3級から間が空いたなら150〜200時間がひとつの目安です。80時間という下限を示しているのはアルクの表だけで、同じページの冒頭と LEC は100時間以上です。3級を持たずにAFP認定研修の修了などで2級から受ける初学者は、アルクが示す200〜300時間を見込んでおくと安全です(この数字の根拠はアルク1社です)。
  • 3級と2級を続けて計画するなら、合計で160〜300時間になります(3級80〜150時間と、3級直後の2級80〜150時間の合計。当サイト試算)。

ただし、確認した範囲では、総時間の算出根拠となる調査の人数や方法を示したページは見当たりませんでした(調査データや受講生アンケートに言及するページはあります)。試験を実施する日本FP協会ときんざいも、合格に必要な学習時間は公表していません。表の数字は相場観として受け止め、以下の実測データと公式統計で自分の位置を確かめてください。「勉強時間の目安」そのものがどこまで当てになるのかは、学習科学の研究をもとに勉強時間の目安は本当かで検証しています。

それでも数字がずれる理由

条件をそろえても残るずれには、少なくとも4つの理由があります。

1つ目は、2級の数字が「3級から通した時間」なのか「3級合格後に上乗せする時間」なのかの違いです。LECは3級を40時間、2級をその後の100時間とし、3級から通すと140時間と示しています。アルクは2級を、3級合格の直後かどうか、3級を持っているかどうかで80時間から300時間まで分けています。2級の目安を見るときは、どちらの意味の数字なのかを確かめる必要があります。

2つ目は、講義を聞く時間を含むかどうかです。TACの2級の80〜100時間は、講義時間を除いた勉強時間だと明記されています。講座を使う人は、これに講義の時間が加わります。

3つ目は、数字を示している側の立場です。今回読んだページは、ほとんどが講座や教材を販売する学校・事業者のものです。フォーサイトの2級150〜300時間は、自社講座を使った場合の目安として示されています。

4つ目は、同じ学習サイトの中での食い違いです。アルクの2級ページは、3級合格直後の目安を表では80〜150時間としていますが、冒頭では3級直後と金融・保険の実務経験者を「100〜150時間程度」とまとめています。アルクの3級ページも、本文は初学者を80〜150時間としていますが、編集部コメントでは初学者に120〜150時間を見ておくよう勧めています。同じページの数字でも、書かれている場所によって幅が違う場合があります。

数少ない実測データ:講座受講者の2級合格者アンケート

総時間ではありませんが、1日の勉強時間と学習期間については、人数と調査期間つきのアンケートが見つかりました。いずれもアガルートが、自社のFP講座を使って2級に合格した人を対象に行ったものです。調査期間は2つとも2級が紙の試験だった時期(2級のCBT化は2025年4月)にあたります。

項目調査A調査B
調査期間2023年7月4日〜2024年11月4日2024年3月8日〜2025年3月7日
有効回答33人23人
平日で最多1時間(40.6%)1時間(39.1%)
休日で最多1時間(25.0%)、次いで4時間(21.9%)2時間と4時間(各21.7%)
週あたり(当サイト試算)約12.6時間約13.6時間
学習期間で最多2か月(24.2%)2か月(34.8%)
学習期間の中央値(当サイト算出)4か月4か月

週あたりの時間は、公表された平日・休日の分布から平均を求め、平日5日・休日2日で当サイトが試算しました。最も長い区分(調査Aは「5時間以上」、調査Bは「6時間以上」)はその時間ちょうどとして計算したので、実際はこれより少し多い可能性があります。調査Aは有効回答33人ですが、1日の勉強時間の割合は32分の1刻みの値になっており、この設問の回答は32人とみられます。

2つの調査とも、平日は1時間が最も多く、学習期間は2か月が最多で中央値は4か月でした。6か月以上かけた人も、調査Aで13人(39.4%)、調査Bで8人(34.8%)います(当サイト算出。公表された割合を足し合わせずに、有効回答数に占める人数から計算)。ただし、学習期間に3級の学習を含むかどうかは示されていません。

アガルートは、2級と3級の合格者をまとめた調査(調査Aと同じ期間、有効回答47人)も公表しています。平日の勉強が1時間以内だった人は、3級の合格者で80%、2級の合格者で59.4%でした。2級の値は調査Aの分布と一致するので、同じ回答をまとめたものとみられます。回答者はいずれも講座の受講者で、独学の人を対象にした同様の調査は見当たりませんでした。

合格者・受検者の実像:公式統計で見るFP3級・2級

FP技能検定は、日本FP協会ときんざいの2団体が国の指定を受けて実施しています。どちらで受けて合格しても、取れる国家資格「FP技能士」は同じです。きんざいは、2級・3級の学科試験は両団体で同一試験問題だと説明しています。違うのは実技試験の科目です。

2025年度のCBT試験の受検者数と合格率

2025年度(2025年4月〜2026年2月)のCBT試験の結果を、両団体の公表値から合算すると次のようになります。両団体とも、試験結果を年度の前半と後半に分けて公表しているため、当サイトが2期分を足して算出しました。

この集計はCBT試験だけです。きんざいは2025年5月25日に2級の紙の試験も実施しており、学科の受検者は5,915人、合格率は17.26%でした。同じ日に3級も激変緩和措置として紙の試験が行われましたが、学科の受検者は31人でした。

FP技能検定3級・2級 団体別の合格率(2025年度・CBT試験)

3級 学科(日本FP協会)86.5%

受検者85,976人

3級 学科(きんざい)51%

受検者40,909人

3級 実技(日本FP協会)85.1%

資産設計提案業務

3級 実技(きんざい)51.7%

2科目の合計

2級 学科(日本FP協会)50.8%

受検者52,697人

2級 学科(きんざい)24.1%

受検者31,864人

2級 実技(日本FP協会)62.9%

資産設計提案業務

2級 実技(きんざい)52.3%

4科目の合計

CBT試験のみの集計。2025年度=2025年4月〜2026年2月実施(2026年3月は休止)。両団体が前期(4〜9月)・後期(10〜2月)に分けて公表した受検者数と合格者数を当サイトが合算して算出(小数第2位を四捨五入)。きんざいが2025年5月25日に実施した紙の試験(2級学科の受検者5,915人・合格率17.26%、3級は激変緩和措置で学科受検者31人)は含まない。学科は両団体で同一試験問題(きんざいの説明)。出典: 日本FP協会「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」、金融財政事情研究会「CBT試験結果」(2025年4月〜9月実施、2025年10月〜2026年2月実施)。紙の試験はきんざい「試験結果:2025年5月FP技能検定試験」
級・団体学科の受検者学科の合格率実技の合格率
3級・日本FP協会8万5,976人86.5%85.1%
3級・きんざい4万909人51.0%51.7%
2級・日本FP協会5万2,697人50.8%62.9%
2級・きんざい3万1,864人24.1%52.3%

3級の学科を受けた人は両団体で12万6,885人、2級の学科は8万4,561人でした(両団体の公表値を合算。当サイト算出)。学科の受検者の6割以上は日本FP協会で受けています(3級で68%、2級で62%。当サイト算出)。

直近の2026年4〜8月も傾向は同じです。学科の合格率は、日本FP協会が3級86.23%・2級50.36%、きんざいが3級51.33%・2級28.57%でした。

同じ学科なのに、なぜ団体で合格率が違うのか

同一試験問題とされる学科で、3級は日本FP協会86.5%に対しきんざい51.0%、2級は50.8%に対し24.1%と、3級で35.5ポイント、2級で26.7ポイントの差があります(当サイト算出)。ただ、両団体とも受検者の年齢・職業・受検の動機といった属性を公表していないため、差の理由は公式データでは確かめられません。受検者の層(受検に至った経緯や準備の度合い)が団体によって違う可能性は考えられますが、推測の域を出ません。

勉強時間の見積もりで言えるのは、「合格率が高いから短い時間で受かる」とは限らないということです。合格率は受検者の層で動きます。自分の得点力は、後で述べる過去問の正答率で測るほうが確かです。

合格者の年齢や職業の内訳は、確認した範囲では両団体とも公表していません。FPがどう国家資格になり、なぜ2団体が併存しているのかはFP(ファイナンシャル・プランナー)はどう国民資格になったかで詳しく扱っています。

合格ラインの仕組み:60点満点で36点。点数で決まる

試験の構成

3級・2級とも、学科試験と実技試験の両方に合格するとFP技能士になれます。合格基準は点数で決まっていて、宅建のように年によって合格点が動く仕組みではありません。

試験時間問題数合格基準
3級 学科(共通)90分60問60点満点で36点以上
3級 実技(日本FP協会)60分20問100点満点で60点以上
3級 実技(きんざい)60分5題50点満点で30点以上
2級 学科(共通)120分60問60点満点で36点以上
2級 実技(日本FP協会)90分40問100点満点で60点以上
2級 実技(きんざい)90分5題50点満点で30点以上

実技試験の科目は団体ごとに違います。日本FP協会は「資産設計提案業務」の1科目だけです。きんざいは、3級が「個人資産相談業務」と「保険顧客資産相談業務」、2級が「個人資産相談業務」「中小事業主資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」「損保顧客資産相談業務」から選びます。

きんざいの実技は科目によって合格率が違います。2025年度の合算(当サイト算出)では、3級の個人資産相談業務が65.4%、保険顧客資産相談業務が45.8%でした。2級は個人資産相談業務55.6%、中小事業主資産相談業務42.1%、生保顧客資産相談業務48.9%、損保顧客資産相談業務66.7%です(損保は受検者243人と少数)。

一部合格と免除

学科と実技は別々の日に受けられます。片方だけ合格した場合は「一部合格」となり、合格した試験の実施日の翌々年度末まで、その試験が免除されます。たとえば2026年度に学科だけ合格したら、2029年3月末までに実技に合格すればFP技能士になれます(きんざいも「2026年度の一部合格は2029年3月31日まで有効」と例示しています)。3級に合格したFP技能士は、無期限で3級の学科試験の免除を受けられます。

同じ試験をもう一度受ける場合、2回目の受検日は、受けた試験の合格発表日の翌日以降でなければなりません。CBTは随時受けられますが、不合格なら翌月中旬の合格発表を待ってから受け直す、という間隔になります。

2級の受検資格

3級は「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」が対象で、実質的に誰でも受けられます。2級は、次のいずれかに当てはまる人だけが受けられます。

  • 3級FP技能検定の合格者
  • FP業務に関し2年以上の実務経験がある人
  • 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した人
  • 金融渉外技能審査3級の合格者

3級を経ずに2級から受ける人の主な経路は、AFP認定研修の修了か実務経験です。旧審査試験である金融渉外技能審査3級の合格者も受検できます(日本FP協会の試験要綱による)。

いつ受ける? 1日何時間なら何週間かかるか

3級・2級はCBT方式で、休止期間を除けば毎日のように受けられます。2026年度の休止期間は、2026年12月28日〜2027年1月5日と2027年3月25日〜31日です(2026年5月24日〜31日も休止でした)。2027年3月からは、これまで1か月間だった3月の休止期間が短くなり、3月1日〜24日も試験が行われます。合格発表は受検月の翌月中旬です。たとえば2026年10月に受けた人の合格発表は11月17日です。

試験日を自分で選べるので、計画は「何時間を、週何時間で積むか」で決まります。次の表は、目標の総時間を、4つの週あたりのペースで割った週数です。週数は、目標時間を週あたりの時間で割って小数点以下を切り上げた当サイト試算です。

  • 週6.5時間:平日30分、休日2時間
  • 週9時間:平日1時間、休日2時間
  • 週14時間:毎日2時間
  • 週18時間:平日2時間、休日4時間
目標主な想定週6.5時間週9時間週14時間週18時間
40時間3級(LECの標準)7週5週3週3週
80時間3級の初学者の下限、2級の3級直後の下限13週9週6週5週
100時間3級(TAC)、2級の3級直後(LEC)16週12週8週6週
150時間3級の初学者の上限、2級の一般的な下限24週17週11週9週
300時間2級の一般的な上限、3級なしの初学者47週34週22週17週

先ほどの2つのアンケートから試算した「週およそ12.6〜13.6時間」を物差しにすると、3級の初学者が100〜150時間を積むのに8〜12週、3級直後の2級を80〜150時間で仕上げるのに6〜12週かかる計算です(当サイト試算)。

「1ヶ月」「2週間」で受かるか

検索でよく調べられている短期合格を、同じ計算で確かめておきます。毎日2時間なら1か月(30日)で60時間、2週間で28時間、毎日3時間なら1か月で90時間、2週間で42時間です(いずれも当サイト試算)。

  • 3級を1か月で:毎日3時間を確保すれば、初学者向けの目安の下限(80時間)に届きます。毎日2時間の60時間では、予備知識がある人向けの目安(30〜80時間)の範囲です。
  • 3級を2週間で:28〜42時間は、予備知識がある人向けの目安(30〜80時間)の下の方です。知識のない初学者には厳しい計画です。
  • 2級を1か月で:3級合格直後でも目安は80時間以上です。80時間を30日で積むには1日およそ2.7時間(当サイト試算)が必要で、毎日2時間(60時間)では届きません。
  • 2級を2週間で:今回確認した学習サイトの目安は3級合格直後でも80時間以上あり、毎日2〜3時間(28〜42時間)では届きません。80時間を14日で積むには1日およそ5.7時間(当サイト試算)が必要です。

3級合格後、最短で2級を受けられるのはいつか

3級合格を受検資格にして2級を受ける場合、日本FP協会の試験要綱は、3級の合格番号は合格発表日に通知され、合格発表日より前には2級の受検申請ができないとしています。予約は受検日の3日前までできます。

公式日程から数えると、2026年10月に3級を受けた人は、11月17日の合格発表を待って2級を申請し、最短で11月20日に2級を受けられます。3級を10月1日に受けた人なら約7週間、10月31日に受けた人なら約3週間の間隔です(当サイト試算)。この待ち時間を2級の勉強に充てられるので、3級の受検後すぐに2級の学習を始めると、3級の知識が新しいうちに2級を受けられます。LECも、3級の試験が終わったらすぐに2級の学習を始めるよう勧めています。

テキストは「法令基準日」で選ぶ

FPの試験は、税金や年金など、毎年変わる制度を扱います。問題は「法令基準日」の時点で施行されている法令を基準に作られ、2026年度は、4月〜5月の試験が2025年4月1日、6月以降の試験が2026年4月1日です。テキストや問題集は、受ける月の法令基準日に合った年度版を選びましょう。どの本を使うかはFPのおすすめ参考書ガイドで整理しています。

各資格の試験日程は資格試験スケジュールにまとめています。受検日を決めたら、復習の間隔を逆算する復習スケジューラも使えます。

分野別の配分:公開された1セットでは6分野が10問ずつ。自分の正答率で寄せる

学科試験の範囲は、3級・2級とも次の6分野です。

  • ライフプランニングと資金計画(社会保険、年金、住宅ローンなど)
  • リスク管理(生命保険、損害保険)
  • 金融資産運用(預金、債券、株式、投資信託など)
  • タックスプランニング(所得税など)
  • 不動産
  • 相続・事業承継

分野ごとの出題数は、日本FP協会の試験要綱では定められていません(学科は3級・2級とも60問)。CBTでは受検者ごとに出題される問題が異なるため、日本FP協会は毎年5月下旬ごろに1セット分の問題と解答を公表しています。当サイトが2026年5月公表分を問題文から分類すると、3級(正誤式30問、三答択一式30問)は、正誤式・三答択一式ともに6分野が5問ずつ順に並び、各分野10問でした。2級(四答択一式60問)も、6分野が10問ずつでした。2026年5月公表の各1セットでの結果であり、この配分が毎回続くとは公式には示されていません。

公表された1セットでは出題が均等だったので、最初は6分野に同じくらいの時間を割り、そこから自分の正答率で配分を変える方法が、他人の配分をまねるより確実です。

  1. 6分野に同じくらいの時間を割り、テキストを一通り読む。
  2. 分野別に問題集や公表問題を解き、正答率を測る。
  3. 正答率が6割(合格基準)に最も届いていない分野に時間を寄せる。1〜2週間ごとに測り直す。

銀行や保険会社で働く人は金融資産運用やリスク管理の時間を減らせる、というように、仕事の経験に合わせた調整がこの方法なら自然にできます。実技試験は学科の6分野の知識を事例に当てはめて解く問題なので、学科の学習が進んだら、受ける科目の問題形式にも早めに慣れておきましょう。過去問の回し方は「過去問は3周」は本当かで、時間を積んでも落ちる人と受かる人の違いは資格試験の合格率と学習科学が教える、受かる人の戦略で扱っています。

勉強時間を確保する場所:自習室代はいくらかかるか

3級で80〜150時間、2級でさらに80〜300時間を積むうえで、最も大きな壁は毎日の時間を確保し続けることです。家では集中できない人にとって、勉強する場所の選択は時間の確保そのものです。

当サイトに掲載している有料自習室のうち、月額プランがある324施設で、各施設の最も安い月額プランの料金を集計しました(2026年9月30日時点)。

集計の範囲金額
第1四分位(安い方から4分の1の位置)月5,800円
中央値月7,800円
第3四分位(高い方から4分の1の位置)月11,000円

324施設のうち320施設は、当サイトが公式サイトと料金を突き合わせて確認した掲載です。「最も安い月額プラン」には、夜間のみや平日のみといった利用時間に制限のあるプランも含まれます。

週9時間(平日1時間、休日2時間)のペースで、自習室代を中央値の月額で当サイトが試算すると、次のようになります(合計はいずれも当サイト試算。事務手数料または払込手数料は含みません)。

  • 3級(80〜150時間):9〜17週。月単位で契約すると3〜4か月分で、中央値の月7,800円なら2万3,400円〜3万1,200円。受検手数料は学科と実技で8,000円なので、合計は3万1,400円〜3万9,200円です。
  • 2級を3級合格直後に(80〜150時間):同じく3〜4か月分で2万3,400円〜3万1,200円。受検手数料は学科と実技で1万1,700円なので、合計は3万5,100円〜4万2,900円です。
  • 2級を150〜300時間で:17〜34週で4〜8か月分、3万1,200円〜6万2,400円。受検手数料は同じく1万1,700円なので、合計は4万2,900円〜7万4,100円です。

受検手数料(非課税)は両団体とも同じ額です。日本FP協会は、事務手数料または払込手数料が別にかかるとしています。

公立図書館は無料で使えますが、館によっては持ち込みの勉強を制限していたり、席の数が少なかったりします。CBTは計算問題を画面上の計算機で解くので、本番に近い練習をしたい人は、パソコンを開ける席かどうかも確かめておくと安心です。

受かった後の数字:FP技能士はどれだけいるか

最後に、3級・2級をとった先の数字を、公式に公表されているものだけで見ておきます。

技能士の取得者数は延べ約318万。実人数ではない

両団体は、2002年度に技能検定が始まってからの技能士の取得者数を公表しています。日本FP協会実施分は144万1,068(2026年4〜8月のCBT試験まで)、きんざい実施分は174万506(2026年7月9日現在。CBT試験の合格者は6月15日時点)で、合わせると延べ約318万です(当サイト算出)。この中には1級の約6万(日本FP協会2万5,539、きんざい3万5,023)も含まれます。

ただし、これは合格証書の延べ数です。3級と2級の両方に合格した人や、きんざいの実技を複数の科目で合格した人は、その数だけ数えられます。FP技能士の資格を持つ実際の人数はこれより少なく、両団体とも実人数は公表していません。

2025年度だけで見ると、新たに発行された技能士は日本FP協会が9万8,957、きんざいが3万712で、合わせて12万9,669でした(当サイト算出)。このうち1級が2,879(日本FP協会1,012、きんざい1,867)、3級が9万1,131、2級が3万5,659です(いずれも両団体の公表値を合算。当サイト算出)。3級と2級だけを足すと12万6,790(当サイト算出)で、団体別の合計とは1級の分だけ違います。

日本FP協会の民間資格:AFP15万人、CFP2.8万人

国家資格のFP技能士とは別に、日本FP協会は民間資格のAFPとCFPを認定しています。AFPはAFP認定研修の修了と2級FP技能検定の合格などを要件とする資格で、CFPはその上位の資格です。どちらも継続教育を受けて更新する必要があります。2026年10月1日現在の認定者は、AFPが15万560人、CFPが2万8,529人です。AFPは2022年1月1日の16万4,129人をピークに減り、CFPは毎年増えています。

独占業務はなく、名称の独占

FP技能士には、資格がないとできない独占業務はありません。職業能力開発促進法は、技能検定に合格した人は技能士と名乗れること、技能士でない者は技能士という名称を使ってはならないことを定めています(50条)。

一方で、FPの仕事は他の資格や登録が必要な業務と隣り合っています。日本FP協会は、FP業務に関連する法令として、金融商品取引法(投資助言には登録が必要)、税理士法、弁護士法、保険業法などを挙げ、資格や登録のない業務を行ってはならないと会員に求めています。

年収:FP技能士だけの統計はない

FP技能士だけを対象にした公的な賃金統計はありません。厚生労働省の職業情報提供サイト job tag は、FPを職業分類「その他の経営・金融・保険の専門的職業」に属するとし、賃金構造基本統計調査の職種「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」の統計を示しています。令和7年賃金構造基本統計調査(産業計・企業規模計・男女計)では、この職種の所定内給与額は月71万4,300円、年間賞与その他特別給与額は243万5,200円です。「所定内給与額×12+年間賞与」で年収を求めると約1,100.7万円になります(当サイト算出)。

この値には注意が必要です。FP技能士の資格を持つ人に限った値ではなく、区分名のとおり他の職業も含みます。また、資格を取れば年収が上がるという根拠にはなりません。FPの知識は、銀行・証券・保険・不動産などで、営業や相談の仕事に組み合わせて使われることが多く、どの仕事で使うかによって賃金は変わります。

よくある質問

FP3級の勉強時間は何時間必要ですか?

想定する受検者によって変わります。学習サイトの目安を条件でそろえると、金融や保険の知識がない初学者で80〜150時間(短めに見るサイトでは100時間程度)、予備知識がある人や合格だけを狙う場合、実務経験や勉強習慣がある人で30〜80時間です。LECは標準的な目安として40時間を示しています。試験を実施する日本FP協会ときんざいは、学習時間を公表していません。

FP2級は3級合格後、何時間勉強すれば受かりますか?

3級に合格した直後に続けて学ぶ場合、学習サイトの目安は80〜150時間です(アルクは表で80〜150時間、同じページの冒頭では100〜150時間程度。LECは3級の40時間に続けて100時間)。3級から時間がたっている人向けには150〜200時間を示すサイトもあります。なお、3級合格を受検資格にする場合、2級の受検申請は3級の合格発表日(受検月の翌月中旬)からしかできません。

FP3級・2級は1か月や2週間で合格できますか?

毎日2時間なら1か月で約60時間、2週間で28時間です(当サイト試算)。FP3級は、1か月で毎日3時間(約90時間)を確保すれば初学者向けの目安の下限に届きますが、2週間で積める28〜42時間は、予備知識がある人向けの目安(30〜80時間)の下の方です。FP2級は、今回確認した学習サイトの目安が3級合格直後でも80時間以上あり、毎日2〜3時間(2週間で28〜42時間)では届きません。

FPの合格率は日本FP協会ときんざいで違うのですか?

違います。2025年度(2025年4月〜2026年2月のCBT試験)の学科試験の合格率は、3級が日本FP協会86.5%・きんざい51.0%、2級が日本FP協会50.8%・きんざい24.1%でした(両団体の公表値を合算して当サイトが算出)。きんざいは2級・3級の学科試験は両団体で同一試験問題だと説明していますが、両団体とも受検者の属性を公表していないため、差の理由は公式データでは確かめられません。

FP技能士の資格を持っている人は何人いますか?

両団体が公表している技能士の取得者数(2002年度からの累計)は、日本FP協会実施分が144万1,068、きんざい実施分が174万506です。ただしこれは合格証書の延べ数で、3級と2級の両方や複数の実技科目に合格した人は重複して数えられるため、実際の人数はこれより少なくなります。日本FP協会の民間資格では、AFP認定者が15万560人、CFP認定者が2万8,529人です(2026年10月1日現在)。

FPの資格を取ると年収は上がりますか?

FP技能士だけを対象にした公的な賃金統計はありません。厚生労働省の職業情報提供サイト job tag は、FPを職業分類「その他の経営・金融・保険の専門的職業」に属するとし、賃金構造基本統計調査の職種「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」の統計を示しています。令和7年賃金構造基本統計調査のこの職種(産業計・企業規模計・男女計)では、所定内給与額が月71万4,300円、年間賞与その他特別給与額が243万5,200円で、年収は約1,100.7万円です(所定内給与額×12+年間賞与として当サイトが算出)。ただし、この値はFP技能士の資格を持つ人に限ったものではなく、区分名のとおり他の職業も含みます。FP技能士には独占業務もなく、法律で定められているのは、技能士でない者は技能士と名乗れないという名称の独占です。資格を取れば年収が上がるという根拠にはならず、銀行・保険・不動産など、どの仕事で使うかによって変わります。

調査方法・出典について

  • 受検者数・合格者数・合格率は、日本FP協会「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」と、きんざいの「CBT試験結果」(2025年4月〜9月実施、2025年10月〜2026年2月実施、2026年4月〜8月実施)、「試験結果:2025年5月FP技能検定試験」によります。2025年度の合格率は、両団体が期ごとに公表した受検者数と合格者数を当サイトが合算して算出しました(小数第2位を四捨五入)。2025年度は2026年3月に試験が行われていません。
  • 試験時間・問題数・合格基準・受検資格・免除制度・受検手数料は、日本FP協会「2級・3級FP技能検定 試験要綱」と、きんざいの3級・2級の試験要綱、「受検資格」「2026年度試験日程・科目・受検手数料」によります。両団体の学科試験が同一試験問題であることは、きんざい「複数指定試験機関方式について」によります。
  • 試験日程・休止期間・合格発表日・法令基準日は、日本FP協会「試験日程」と「2026年度以降の変更点のご案内」(2025年12月26日)によります。3級受検から2級を受けられるまでの日数は、これらの公式日程から当サイトが数えた例です。
  • 分野別の出題数は、日本FP協会が公表した3級・2級学科の2026年5月公表分(各1セット)を、当サイトが問題文から分類して数えたものです。CBTでは受検者ごとに問題が異なるため、すべての回に当てはまるとは限りません。
  • 技能士の取得者数は、日本FP協会「FP技能士の取得者数」と、きんざい「ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得状況」(2026年7月9日現在)によります。延べ約318万は両団体の累計を当サイトが合計したもので、集計時点が異なります。AFP・CFPの認定者数は、日本FP協会「CFP®認定者・AFP認定者数データ」(2026年10月1日現在)によります。
  • FPの年収は、厚生労働省 job tag「ファイナンシャル・プランナー」が示す職業分類「その他の経営・金融・保険の専門的職業」に対応する職種「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」について、e-Stat「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第1表」(産業計・企業規模計・男女計)の所定内給与額714.3千円と年間賞与その他特別給与額2,435.2千円から、「所定内給与額×12+年間賞与」で当サイトが算出しました(11,006.8千円)。FP技能士に限った統計ではありません。job tag の職業分類名は、2021年7月23日のウェブアーカイブ版で確認しました(確認日2026年10月2日)。
  • 技能士の名称に関する規定は、職業能力開発促進法50条によります。条文は、きんざい「技能士資格の表記方法について」に掲載されたもので確認しました。
  • 学習サイトの勉強時間の目安は、2026年10月1日に各社の解説ページで確認しました。
  • 2級合格者の1日の勉強時間と学習期間は、アガルートが公表した自社講座受講者アンケート2件(調査期間2023年7月4日〜2024年11月4日・有効回答33人と、2024年3月8日〜2025年3月7日・有効回答23人)と、2級・3級合格者をまとめた調査(有効回答47人)によります。平均の時間、週あたりの時間、学習期間の中央値は、公表された分布から当サイトが試算しました。6か月以上の人数と割合は、公表された割合から有効回答数に占める人数に戻して当サイトが算出しました。
  • 自習室の料金は、当サイトに掲載している有料自習室のうち月額プランがある324施設について、各施設の最も安い月額プランを2026年9月30日時点で集計しました。
  • 公表値は今後の発表で更新される場合があります。受検の際は、必ず日本FP協会・きんざいの公式情報をご確認ください。