登録販売者の勉強時間を調べると、「200〜300時間」「300時間」「約400時間」と、サイトごとに違う数字が出てきます。100時間で足りるとする独学サイトもあります。一方で、その数字をどうやって出したのか、調査の人数や方法まで示しているページは見当たりませんでした。

そこでこの記事では、各サイトが「どんな受験者を想定しているか」で目安を並べ直し、そこに厚生労働省と都道府県の公式統計、合格者に勉強時間を聞いた数少ないアンケートを重ねます。登録販売者は都道府県が試験を行うため、受ける地域によって試験日も合格率も違います。その違いも含めて、自分には何時間必要か、いつ始めれば間に合うか、章ごとにどう時間を配るか、勉強場所にいくらかかるか、合格した後にどんな数字が待っているかまでを整理します。

この記事の要点

  • 学習サイトが示す勉強時間の目安は100〜400時間と割れている。想定する受験者でそろえると、医薬品を初めて学ぶ人の独学で約400時間、学習方法を限定しない一般論で200〜400時間、得意分野や資格の学習経験がある人で200時間以下も、と整理できる
  • 厚生労働省も試験を行う都道府県も、合格に必要な学習時間は公表していない。目安の根拠となる調査の人数や方法を示したページは見当たらない
  • 登録販売者として働く人へのアンケートでは、仕事がある日は1時間未満、ない日は1〜2時間という回答が最多。当サイトの試算では平均して週12〜13時間ほどのペースで、300時間なら約24週(5か月半)
  • 令和7年度の全国の合格率は40.7%。ただし都道府県別では北海道の54.8%から沖縄県の23.2%まで開き、九州・沖縄の8県はいずれも30.3%以下だった
  • 合格基準は120問の7割程度の正答と、章ごとの足切り。足切りの割合は都道府県が決め、令和7年度は東京都と関西広域連合が35%、北海道と香川県が40%だった
  • 登録販売者として登録している人は30万1,401人(2025年3月末)。合格前に一般従事者として働いた期間も数えた従事期間が、店舗管理者になるための要件に足りない登録販売者は「研修中」の扱いになり、管理・指導の下で働く

結論:条件をそろえると、目安のずれの多くは説明がつく

先に結論をまとめます。各サイトが書いている「想定する受験者」の条件で目安を並べ直すと、次のようになります。

想定する受験者目安そう示している学習サイト
医薬品を初めて学ぶ人が独学で学ぶ約400時間アルク(初学者で約400時間)、三幸医療カレッジ(初めて学ぶ人の独学を想定して400時間で計算)
独学(前提知識を限定しない)100〜400時間ユーキャン(独学の場合で約400時間)、三幸医療カレッジ(一般的に200〜400時間程度)、独学のオキテ(おおむね100時間)
学習方法を限定しない一般論200〜400時間スタディング(200〜300時間前後)、登販ナビ(200〜300時間)、キャリカレ(250〜300時間前後。余裕を持つなら300時間)、チアジョブ登販(250〜400時間程度)
自社講座のカリキュラムどおりに進めた場合1日60分で6か月ユーキャン(標準学習期間6か月)
得意分野や資格の学習経験がある人200時間以下も登販ナビ(200時間以下で合格することも珍しくないとする)

チアジョブ登販は、まったく知識がない人の独学について、知識を頭に入れるだけで最低150時間、それとは別に過去問を繰り返す時間が必要だとしています。総時間ではないため表には入れていません。

この表から言えるのは次のことです。

  • 医薬品や体の仕組みを学んだことがない人が独学するなら、400時間を見込んでおくのが無難です。初学者の独学について数字を示した2社はどちらも約400時間で、独学全般についてユーキャンも約400時間としています。一般論の目安の上限とも重なります。
  • 一般論の目安は、4社中3社が上限を300時間としています。ドラッグストアで働いていて薬の名前に日常的に触れている人や、講座で教材と計画を整えた人は、200〜300時間を目安にできると考えられます。
  • 100時間という数字は、確認した範囲では独学情報サイト(独学のオキテ)の1つだけでした。同じサイトも、試験の難化を理由に5〜6か月の期間を見ておくと安心だとしています。

なお、厚生労働省も、試験を行う都道府県も、合格に必要な学習時間は公表していません。表の数字はどれも各社の経験や見立てによるもので、調査の人数や方法を示したものではありません。「勉強時間の目安」そのものがどこまで当てになるのかは、学習科学の研究をもとに勉強時間の目安は本当かで検証しています。

それでも数字がずれる理由

条件をそろえても残るずれには、少なくとも3つの理由が考えられます。

1つめは、何を勉強時間に数えるかです。ドラッグストアで働きながら独学で一発合格した経験を公開しているブラッシュアップ・ジャパンのライターは、3か月・約250時間のうち、テキストの要点をノートにまとめる作業に約200時間、全国の過去問を解く作業に約45時間を使ったと書いています。ノートを作るか、テキストを読んで過去問を回すかで、総時間は大きく変わります。

2つめは、講座を売る立場からの見せ方です。ユーキャンは独学の場合を約400時間とする一方、自社講座は1日60分・標準6か月で合格を目指せるとしています。毎日60分を6か月続けると、単純計算で約180時間です(当サイト算出)。講座には教材選びや計画づくりの手間を省ける利点がありますが、独学と講座の時間の差を実際に比べたデータは示されていません。

3つめは、受験者の背景の違いです。受験者の職業を示す公的な統計は確認できませんでした。ただ、次の節で紹介するアンケートでは、登録販売者として働く回答者の47.8%が、入社1年目で試験を受けていました。登販ナビは、第3章(主な医薬品とその作用)はドラッグストアで働く人なら日頃見ている商品のパッケージと結びつけやすい、としています。働きながら売り場で薬に触れている人と、医薬品にまったく縁のない人とでは、同じ範囲を覚えるのにかかる時間が違って当然です。

合格者は実際にどれくらい勉強していたか

総勉強時間を大人数で調べた公開データは、確認できた範囲ではありません。代わりに、1日の勉強時間と勉強期間を聞いた調査が1つずつあります。どちらも学校ではなく、登録販売者向けの求人サイトが行ったものです。

仕事がある日は1時間未満、ない日は1〜2時間が最多

登販ナビ(APOPLUS)は、2024年6月26日〜7月3日に、登録販売者として働く人169人にインターネットでアンケートを行いました。試験勉強をしていたころの1日の学習時間の回答は次のとおりです。

1日の学習時間仕事がある日仕事がない日
1時間未満42.7%16.0%
1〜2時間25.3%30.7%
2〜3時間20.0%24.0%
3〜4時間8.0%14.7%
4〜5時間4.0%5.3%
5〜6時間ー6.7%
6〜7時間ー2.7%

各区分の真ん中の値(1時間未満なら30分)で当サイトが平均を試算すると、仕事がある日は約1.6時間、ない日は約2.4時間です。仕事がある日を週5日、ない日を週2日とすると、週およそ12.6時間になります。このペースなら、300時間に届くのは約24週(5か月半)、400時間なら約32週(7か月強)です。

ただし、注意点が3つあります。1つめに、公表された割合はどれも、75人を分母にしたときにちょうど割り切れる値になっています(42.7%=32人÷75人など)。この設問に答えたのは、169人全員ではない可能性があります。2つめに、回答者は今は登録販売者として働いている人で、約半数は入社1年目に受験しています。医薬品の売り場で働きながら勉強した人が多い集団だと考えられます。3つめに、総勉強時間や勉強を始めた時期は聞かれていません。

勉強期間は「半年」が最多

チアジョブ登販は、登録販売者への転職を希望する人のうち、試験に合格した人に勉強期間を聞いています(85票。調査時期は示されていません)。

勉強期間票数割合
数週間1票1%
1か月4票5%
2か月2票2%
3か月6票7%
4か月4票5%
半年36票42%
1年17票20%
1年半2票2%
2年7票8%
2年以上6票7%

最も多いのは半年(42%)で、勉強期間が3か月以内だった人は13票(15.3%、当サイト算出)でした。「2か月で受かった」「1か月で受かった」という体験談は実際にありますが、少数派です。インターネットの知恵袋などで見かける短期合格の話を自分に当てはめる前に、その人が売り場で働きながら受けたのか、医薬品を初めて学んだのかを確かめたほうが安全です。

合格者・受験者の実像:合格率は40%台、地域差は30ポイント超

登録販売者試験は、医薬品医療機器等法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)にもとづいて都道府県知事が行う試験です。年1回以上行うと決められていて、実施日は都道府県によって違います。

令和7年度(2025年度)は、全国の受験者5万8,996人のうち2万4,004人が合格し、合格率は40.7%でした。前年度の46.7%から6.0ポイント下がっています。厚生労働省は、同じ人が複数の都道府県で受けて重複して数えられている可能性がある延べ人数だと注記しています。

登録販売者試験 受験者数と合格率の推移(2010〜2025年度、全国)

  • 受験者数(延べ)
  • 合格率(%)
020,00040,00060,00080,000010203040502010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
出典: 厚生労働省「登録販売者試験実施状況」各年度版。受験者数は延べ人数。2015年度から受験資格(実務経験・学歴)が廃止

2014年度に3万1,362人だった受験者は、2015年度に4万9,864人へ大きく増えました。2015年度の試験から、それまで受験資格として求められていた実務経験(大卒・高卒で1年、中卒で4年)と学歴の条件が、省令改正でなくなったためと考えられます。今は年齢・学歴・実務経験を問わず、誰でも受験できます。2015〜2025年度の全国の合格率は40.7〜49.3%の間にあります。

合格率は都道府県で2倍以上違う

全国の平均だけを見ると、受験者のおよそ4割が受かる試験です。ただし、都道府県別に見ると大きな開きがあります。令和7年度の合格率は、最も高い北海道が54.8%、最も低い沖縄県が23.2%でした。九州・沖縄の8県はいずれも30.3%以下で、8県を合算すると27.2%です(当サイト算出)。

試験問題は、都道府県が作ります。関西広域連合のように、近隣の府県がまとまって同じ日に同じ問題で行う例もあります。厚生労働省の実施要領は、都道府県によって難易度に差が生じないようにする趣旨を掲げていますが、結果として合格率には毎年差が出ています。ただし、この差には問題の難しさだけでなく、受験者の顔ぶれの違いも混ざっていると考えられ、どちらがどれだけ効いているかは公表データからは分かりません。

勉強時間の見積もりで言えるのは、全国平均の合格率で安心しないことです。受ける地域の過去問を解いて、自分の正答率を確かめてください。過去の試験問題と正答は、各都道府県や関西広域連合のサイトで公開されています。

合格ラインの仕組み:7割と、章ごとの足切り

試験は筆記試験で、5つの試験項目から120問が出ます。試験時間は原則240分です。

試験項目(手引きの章)出題数配分時間
第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識20問40分
第2章 人体の働きと医薬品20問40分
第3章 主な医薬品とその作用40問80分
第4章 薬事に関する法規と制度20問40分
第5章 医薬品の適正使用と安全対策20問40分

前半と後半に何章を置くかは、都道府県で違います。たとえば東京都の令和8年度試験は、午前の120分に第1・2・4章、午後の120分に第3・5章でした。

出題範囲は、厚生労働省の「試験問題の作成に関する手引き」です。実施要領は、手引きを原則として年1回改訂するとしています。令和8年度の試験では、東京都も関西広域連合も「令和8年4月」の手引きを出題範囲に掲げました。令和8年4月の改訂では、令和7年の法改正(指定濫用防止医薬品の販売など)が第4章・第5章に反映されています。古い年度のテキストで勉強すると、法改正の部分を取りこぼすことになります。

合格基準について、実施要領は「総出題数に対して7割程度の正答」で、かつ「各試験項目ごとに、都道府県知事が定める一定割合以上の正答」としています。令和7年度の各地の基準は次のとおりでした。

実施した都道府県全体各章の足切り
東京都7割以上(84点以上)35%以上
関西広域連合70%以上(84点以上)35%以上
北海道7割以上4割以上
香川県7割以上4割以上

足切りが35%なら、20問の章で7問、40問の第3章で14問が最低ラインです。40%なら、それぞれ8問と16問になります。合格基準は正答率で定められていて、受験者の中での順位で合否が決まる仕組みにはなっていません。そのため、勉強時間の物差しは「何時間やったか」より、「受験地の過去問で7割を安定して超え、どの章も足切りを割らないか」になります。

いつから始める? 試験までの月数別の「1週・1日あたりの時間」

試験日は都道府県によって違います。令和8年度(2026年度)は、たとえば次の日程です。2026年10月1日時点で、広島県と福岡県の試験はこれから実施される予定です。

実施した都道府県(例)令和8年度の試験日
北海道、群馬県8月26日(水)
関西広域連合8月30日(日)
愛知県9月2日(水)
東京都9月6日(日)
広島県10月8日(木)(実施予定)
福岡県12月20日(日)(実施予定)

令和9年度(2027年度)の試験日は、2026年10月1日時点ではまだ発表されていません。例年8月下旬から12月下旬にかけて、受ける地域ごとに行われます。申し込みの締め切りは試験よりかなり前で、令和8年度の受付期間は愛知県が6月11日〜17日、関西広域連合が6月1日〜15日でした。受付の締め切りを確認できた5団体(北海道・群馬県・関西広域連合・愛知県・福岡県)では、締め切りは試験のおよそ2〜4か月前でした。

試験日が地域で4か月近く違うので、「何月に始めるか」ではなく、「試験日の何か月前に始めるか」で必要な時間を計算しました。1か月は365.25÷12日として、正確な週数から計算しています。週の時間は小数第1位、平日1日の時間は10分単位で四捨五入して表示しました。「平日1日」の列は、休日に4時間ずつ(週8時間)勉強した場合に、平日に1日あたり必要な時間です。

試験までの期間週数300時間:週300時間:平日1日400時間:週400時間:平日1日
12か月約52.2週5.7時間休日だけで足りる7.7時間休日だけで足りる
10か月約43.5週6.9時間休日だけで足りる9.2時間10分
8か月約34.8週8.6時間10分11.5時間40分
6か月約26.1週11.5時間40分15.3時間1時間30分
5か月約21.7週13.8時間1時間10分18.4時間2時間
4か月約17.4週17.2時間1時間50分23.0時間3時間
3か月約13.0週23.0時間3時間30.7時間4時間30分
2か月約8.7週34.5時間5時間20分46.0時間7時間40分

先ほどのアンケートから試算した「週およそ12.6時間」を物差しにすると、300時間を目指すなら試験の6か月前、400時間を目指すなら8か月前に始めれば、働きながら勉強した人たちの平均的なペースで間に合います。キャリカレは平日2時間・休日4時間で4か月、アルクは初学者の独学で6か月のプランを示していて、この計算とおおむね重なります。

3か月以内で300時間を積むには、休日に4時間ずつ勉強しても平日に毎日3時間以上が必要です。仕事や家事と両立するのは相当に厳しい計画で、この期間で受けるなら、目標を300時間より下げられる経験や前提知識があるかを先に考えてください。

試験日から復習の間隔を逆算したいときは、試験日を入れるだけで復習日を提案する復習スケジューラが使えます。登録販売者を含む各資格の試験日程は資格試験スケジュールにまとめています。

章別の時間配分:出題数ではなく、手引きの分量で考える

章ごとの時間配分について、学習サイトの答えは割れています。キャリカレは1か月目に第1章と第2章、2か月目に第3章、3か月目に第4章と進める順番を示しています。チアジョブ登販は、覚える項目が多い章から先に、第3章→第2章→第4章の順で進めることを勧めています。どちらが合格に有利かを比べたデータはありません。

そこで、自分で配分を決めるための材料として、出題範囲である手引き(令和8年4月版)の本文のページ数を数えました。

手引き(令和8年4月)の章別ページ数と出題数

第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識20ページ

20問・1問あたり1.0ページ

第2章 人体の働きと医薬品36ページ

20問・1問あたり1.8ページ

第3章 主な医薬品とその作用148ページ

40問・1問あたり3.7ページ

第4章 薬事に関する法規と制度67ページ

20問・1問あたり3.4ページ

第5章 医薬品の適正使用と安全対策22ページ

20問・1問あたり1.1ページ

ページ数は手引きの目次のページ番号から当サイトが数えた本文の分量。第4章は章末の参考条文と主な関係通知(272〜378ページ)、第5章は別表を含まない。1問あたりのページ数は当サイト算出(小数第2位を四捨五入)。出題数は厚生労働省「登録販売者試験実施要領」による。出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」「登録販売者試験実施要領」
章出題数手引き本文のページ数1問あたり
第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識20問20ページ1.0ページ
第2章 人体の働きと医薬品20問36ページ1.8ページ
第3章 主な医薬品とその作用40問148ページ3.7ページ
第4章 薬事に関する法規と制度20問67ページ3.4ページ
第5章 医薬品の適正使用と安全対策20問22ページ1.1ページ

ページ数は目次のページ番号から当サイトが数えたもので、第4章は章末の参考条文と主な関係通知(272〜378ページ)を、第5章は別表を含めていません。第3章は出題数こそ全体の3分の1ですが、本文の分量は全体の5割を超え、かぜ薬や解熱鎮痛薬から漢方処方製剤まで、成分と副作用を覚える量が最も多い章です。第4章も、1問あたりの分量は第3章に近くなっています。

ここから、次のような手順で配分を決める方法が考えられます。

  1. 最初に全章を一通り学び、どの章も足切り(35〜40%)を確実に超える状態をつくる。1つの章でも基準を割ると、合計点が7割を超えていても不合格です。
  2. そのうえで、分量の多い第3章と第4章に時間を寄せる。第1章と第5章は分量が少なく、短い時間で得点を固めやすい章です。
  3. 受験地の過去問を章別に解いて正答率を測り、目標との差が最も大きい章に時間を回す。1〜2週間ごとに測り直して配分を変えます。

過去問を何周すればいいか、解き直しの間隔をどう取るかは、過去問は何回解けばいいかと試験に強くなる勉強法の科学で研究をもとに整理しています。

勉強時間を確保する場所:自習室代はいくらかかるか

300〜400時間を積むうえで最も大きな壁は、毎日の時間を確保し続けることです。登販ナビのアンケートでも、仕事と両立するコツとして「カフェや図書館など集中できる場所で勉強する」を挙げた人が38.7%と、最も多い回答の1つでした。

当サイトに掲載している有料自習室のうち、月額プランがある324施設で、各施設の最も安い月額プランの料金を集計しました(2026年9月30日時点)。

集計の範囲金額
第1四分位(安い方から4分の1の位置)月5,800円
中央値月7,800円
第3四分位(高い方から4分の1の位置)月11,000円

324施設のうち320施設は、当サイトが公式サイトと料金を突き合わせて確認した掲載です。「最も安い月額プラン」には、夜間のみや平日のみといった利用時間に制限のあるプランも含まれます。

300時間を6か月で積む計画なら、月単位で契約すると6か月分で、中央値の月7,800円なら自習室代の合計は4万6,800円です(第1四分位なら3万4,800円)。400時間を8か月で積むなら、中央値で6万2,400円になります。これに受験手数料が加わります。手数料は都道府県が条例で決めていて、令和8年度は関西広域連合が12,800円、群馬県・愛知県・広島県が15,000円、北海道が18,200円でした。

公立図書館は無料で使えますが、館によっては持ち込みの勉強を制限していたり、席の数が少なかったりします。平日の夜や休日に確実に座れるかどうかは、事前に確かめておくと安心です。

受かった後の数字:登録販売者はどれだけいて、どう働くか

最後に、300〜400時間をかけて取る資格の「その先」を、公的な資料で見ておきます。

登録している人は30万人、4年で約6万5,000人増えた

試験に合格しただけでは、登録販売者として医薬品を売ることはできません。医薬品の販売に従事しようとする人は、都道府県知事の登録(販売従事登録)を受ける必要があります(医薬品医療機器等法36条の8第2項)。

厚生労働省の衛生行政報告例によると、2025年3月末時点で登録されている登録販売者は30万1,401人です。2021年3月末の23万6,480人から、4年で6万4,921人(27.5%、当サイト算出)増えました。

登録販売者数の推移(各年度末現在、全国)

2021年3月末236,480人

令和2年度末

2022年3月末255,437人

令和3年度末

2023年3月末270,125人

令和4年度末

2024年3月末284,766人

令和5年度末

2025年3月末301,401人

令和6年度末

都道府県知事の販売従事登録を受けている人の数で、実際に働いている人の数ではない。2008〜2025年度の試験合格者数の合計(延べ)は約43万1,000人(当サイト算出)。出典: 厚生労働省「衛生行政報告例」薬事 第1表(各年度末現在)

一方、厚生労働省が公表している合格者数を2008〜2025年度の18年分足し合わせると、約43万1,000人になります(延べ人数、当サイト算出)。登録している人の数は、合格者の累計を大きく下回ります。合格しても販売の仕事に就かず登録しない人がいること、同じ人が複数の地域で合格して重複して数えられていることなどが考えられますが、内訳は公表されていません。なお、登録している人の数は実際に働いている人の数ではなく、登録販売者として就業している人の数を示す公的な統計は確認できませんでした。

需要の根拠は法律にある

登録販売者の需要を支えているのは法律です。医薬品医療機器等法36条の9は、薬局開設者、ドラッグストアなどの店舗販売業者、配置販売業者に対し、一般用医薬品(市販薬)を、第一類医薬品は薬剤師に、第二類医薬品と第三類医薬品は薬剤師か登録販売者に販売させるよう定めています。薬剤師がいなくても、登録販売者がいれば第二類・第三類医薬品を売ることができるということです。

医薬品を売る店舗の数も、公的統計で分かります。2025年3月末時点の許可等の施設数は、ドラッグストアなどの店舗販売業が2万9,535、薬局が6万3,203、置き薬の配置販売業が4,362でした(衛生行政報告例)。

従事期間が足りないうちは「研修中」、毎年12時間の研修もある

合格して登録しても、従事期間が足りないうちは、一人で販売や店舗の管理を任されるわけではありません。厚生労働省の通知によると、第二類・第三類医薬品を売る店舗の店舗管理者になれるのは、薬剤師か、次のいずれかに当たる登録販売者です。従事期間には、合格前に一般従事者として薬剤師や登録販売者の管理・指導の下で働いた期間も数えられます。

  • 過去5年のうち従事期間が通算2年以上ある人(1か月に80時間以上働いた月で数えます)
  • 過去5年のうち従事期間が通算1年以上あり、法令に定める研修と、店舗の管理や法令遵守について厚生労働大臣が必要と認める研修を修了した人(この場合は1か月に160時間以上働いた月で数えます)
  • 従事期間が通算1年以上あり、過去に店舗管理者または区域管理者として働いた経験がある人

通知は、時間数の条件を満たさない月があっても、月単位の従事期間が通算1年以上または2年以上あり、過去5年の合計が1,920時間以上であれば、それぞれ1年以上または2年以上とみなして差し支えないとしています。

この3つのどれにも当てはまらない登録販売者は「研修中の登録販売者」として、名札にその旨を表示し、薬剤師や研修中でない登録販売者の管理・指導の下で働きます。合格前の実務期間が長い人は、登録してすぐに要件を満たす場合もあります。

さらに、登録販売者を働かせる薬局や店舗販売業者などは、厚生労働大臣に届け出た研修実施機関の研修を、毎年度12時間以上受けさせることになっています。試験勉強で終わりではなく、手引きの改訂や新しい成分の情報を毎年学び続ける資格だと言えます。

年収は「職種の値」で見るしかない

登録販売者だけを対象にした公的な賃金統計はありません。賃金構造基本統計調査の職種の中で最も近いのは「販売店員」です。日本標準職業分類(平成21年設定)は、販売店員の例として「医薬品販売員」を挙げています。

参考として、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)で、職種が販売店員の一般労働者(短時間労働者を除く)の年収を「所定内給与×12か月+年間賞与」で算出すると、約365万円(平均年齢43.6歳)になります(当サイト算出)。男性は約431万円、女性は約305万円で、販売店員の53%は女性でした。参考までに、産業計(民営事業所)の一般労働者は約510万円(平均44.4歳)です。

ただし、販売店員にはスーパーや衣料品店などあらゆる小売店の店員が含まれ、登録販売者の資格を持つ人だけの値ではありません。パートなどの短時間労働者も含んでいません。また、資格を取れば年収がこの水準になること、あるいは上がることを示すものでもありません。資格手当について、公的な統計は見当たりませんでした。

よくある質問

登録販売者の勉強時間は何時間必要ですか?

想定する受験者によって変わります。学習サイトの目安を条件ごとにそろえると、医薬品を初めて学ぶ人の独学で約400時間、学習方法を限定しない一般論で200〜400時間、得意分野や資格の学習経験がある人では200時間以下も珍しくないとされています。厚生労働省や試験を行う都道府県は、合格に必要な学習時間を公表していません。また、目安の根拠となる調査の人数や方法を示した学習サイトは見当たりませんでした。

登録販売者に合格するには1日何時間勉強すればいいですか?

試験までの期間によって変わります。300時間を積む場合、休日に4時間ずつ勉強するとして、試験の6か月前に始めれば平日は1日40分ほど、4か月前なら1日1時間50分ほど、3か月前なら1日3時間ほどが必要です(当サイト試算)。登録販売者として働く人へのアンケート(登販ナビ、2024年)では、仕事がある日は1時間未満、仕事がない日は1〜2時間という回答が最も多く、当サイトが分布から試算すると平均は週12〜13時間ほどでした。

登録販売者は2ヶ月や3ヶ月で合格できますか?

不可能ではありませんが、時間の負担は大きくなります。300時間を積むには、3か月(約13週)で週23時間、2か月(約8.7週)で週34.5時間が必要です(当サイト試算)。合格者に勉強期間を聞いた求人サイトの調査(チアジョブ登販、85票)では、2か月以内という回答は7票(8.2%、当サイト算出)で、最も多かったのは半年(42%)でした。

登録販売者は独学でも合格できますか?

受験資格は無く、学歴や実務経験がなくても受けられます。独学の目安を約400時間とする学習サイトが複数あり、医薬品を初めて学ぶ人はこの水準を見込むと安全です。試験問題は厚生労働省の「試験問題の作成に関する手引き」から出題され、各都道府県は過去の試験問題と正答を公表しているので、教材は独学でもそろえられます。令和7年度の全国の合格率は40.7%でした。

登録販売者試験の章ごとの勉強時間配分はどう決めればいいですか?

出題数は第3章が40問、ほかの4章が20問ずつです。一方、出題範囲を定める手引きの本文は、第3章が148ページ、第4章が67ページ、第1章が20ページと分量が大きく違い、1問あたりのページ数は第3章が3.7ページ、第1章が1.0ページです(当サイト算出)。各章に足切りがあるので、まず全章で基準を超え、そのうえで分量の多い第3章と第4章に時間を寄せる配分が考えられます。

登録販売者に合格すると年収は上がりますか?

登録販売者だけを対象にした公的な賃金統計はありません。参考値として、賃金構造基本統計調査(令和7年)で職種が販売店員の人の年収を所定内給与と賞与から算出すると、約365万円(平均43.6歳)でした。短時間労働者を除く一般労働者の値です。販売店員の区分には医薬品販売員が含まれますが、資格を持つ人だけの値ではなく、資格を取れば年収が上がることを示すものでもありません。

調査方法・出典について

  • 受験者数・合格者数・合格率は、厚生労働省「登録販売者試験実施状況」の各年度版によります。令和7年度は令和8年3月31日現在の数値です。都道府県の合算値(九州・沖縄8県の27.2%)と、2008〜2025年度の合格者数の合計(延べ)は、この資料から当サイトが算出しました。
  • 試験項目・出題数・配分時間・合格基準の考え方は厚生労働省「登録販売者試験実施要領」、出題範囲と章のページ数は「試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」によります。ページ数は手引きの目次のページ番号から当サイトが数えました。
  • 各地の合格基準は、東京都・関西広域連合・北海道・香川県が公表した令和7年度の試験結果によります。令和8年度の試験日・受験手数料・出題範囲は、北海道・群馬県・関西広域連合・愛知県・東京都・広島県・福岡県の公式ページと受験案内によります。
  • 受験資格の廃止は厚生労働省「登録販売者試験の実務経験等の省令改正の概要」、店舗管理者の要件と研修中の登録販売者の扱いは「登録販売者制度の取扱い等について」、毎年度の研修は「登録販売者に対する研修の実施要領について」によります。医薬品医療機器等法36条の8・36条の9の条文は、手引き第4章に収録された条文で確認しました。
  • 登録販売者数と薬局・店舗販売業・配置販売業の数は、厚生労働省「衛生行政報告例」(令和2〜6年度末現在)によります。
  • 年収は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の一般労働者・職種第1表(企業規模10人以上)の販売店員の値から、所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額で当サイトが算出しました。産業計の値は産業大分類第1表(民営事業所)によります。
  • 学習サイトの勉強時間の目安と章の進め方は、2026年10月1日に各社の解説ページで確認しました。
  • 1日の勉強時間は登販ナビ(APOPLUS)が2024年8月22日に公表したアンケート、勉強期間はチアジョブ登販が公表したアンケートによります。平均の時間、週あたりの時間、期間ごとの割合は、公表された分布から当サイトが試算しました。
  • 自習室の料金は、当サイトに掲載している有料自習室のうち月額プランがある324施設について、各施設の最も安い月額プランを2026年9月30日時点で集計しました。
  • 公表値は今後の発表で更新される場合があります。受験の際は、必ず受験する都道府県の公式情報をご確認ください。