秘書検定の勉強時間を調べると、3級は「30時間」、2級は「20〜70時間」といった数字がよく見つかります。ところが準1級は60時間から200時間まで、1級は150時間以上から300時間以上までと幅が広く、級ごとに事情が違います。しかも、その数字を何人にどう調べて出したのかを示したページは、確認した範囲では見当たりませんでした。

この記事では、各サイトが書いている条件ごとに目安を並べ直し、試験を実施する公益財団法人実務技能検定協会の公式統計(級別の受験者数と合格率)と、志願者の職業構成を重ねて、自分に必要な時間を見積もれるようにします。本会場の試験は年3回(準1級・1級は年2回)、2級・3級はCBTなら随時受けられるので、試験日からの逆算は「1日何時間なら何週間か」の形で表にしました。

この記事の要点

  • 学習サイトの目安は、3級が20〜60時間(30時間前後を示すサイトが目立つ)、2級が独学で20〜70時間とするサイトが多く、アルクは独学で30〜120時間。準1級が筆記で60〜200時間で、面接対策を別枠で2週間〜1か月、または20〜40時間とするサイトがある。1級は150時間以上から300時間以上とするサイトが多い
  • 協会の受験案内とよくあるご質問には、学習時間の記載が見当たらない。合格者に人数つきで勉強時間を聞いた公開調査も、確認できた範囲では見つからなかった
  • 合格基準は全級共通で、理論と実技の得点がそれぞれ60%以上。得意な領域で苦手な領域を補う戦い方はできない
  • 本会場試験の合計合格率は、3級73.7%・2級60.2%(第137〜139回の3回合計)、準1級41.8%・1級32.4%(準1級・1級が実施された第137・139回の2回合計)(当サイト算出。準1級・1級の合格者が筆記合格か最終合格かは、協会の表に注記がない)。2級でも約4割が不合格になっている
  • 志願者の学生の割合は、3級が77.7%、2級が65.4%、準1級が46.1%(2023年度とされる早稲田教育出版の掲載値から当サイト算出)。級が上がるほど、会社員・秘書・公務員の合計の比率が高まる
  • 毎日1時間(週7時間)なら、30時間は5週間、70時間は10週間、150時間は22週間(当サイト試算)
  • 秘書検定は、持っていないと就けない仕事や、置くことを義務づける法律が、確認できた範囲では見当たらない検定。賃金構造基本統計調査(令和7年)の職種「秘書」から算出した年収は約553万円(当サイト算出)。秘書検定の合格者だけの統計ではなく、検定を取れば年収が上がる根拠にはならない

結論:条件をそろえると、目安の読み方が見えてくる

先に、各サイトが書いている条件ごとに目安を並べます。数字と条件は各ページの記載どおりで、複数のサイトが同じ数字を出している場合は同じ行にまとめました。

3級

想定する受験者・条件目安示しているページ
学習方法を限定しない約30時間シカクト(社会人経験の有無で差が出るとする)、学研スキルアップ研究所(平均して30時間程度)、グッドスクール(2級と3級を同じ約30時間とし、オンスク.JPを根拠に挙げる)
学習方法を限定しない(幅で示す)20〜60時間スクールセレクト(20〜40時間)、資格建築家(20〜40時間、2〜4週間)、アルク(約30〜60時間)
独学約30〜50時間グッドスクール(独学の解説ページ)
独学1日1時間で20日程度(20時間に相当、当サイト算出)資格Times(「勉強時間は?」のページ)

2級

想定する受験者・条件目安示しているページ
独学20〜70時間ユーキャン、シカクト、学研スキルアップ研究所(同ページで平均約30時間とも書く)、StepUp Base、グッドスクール(難易度解説ページ。ユーキャンの値と明記)
独学で、社会人経験があり、ビジネスマナーに慣れている人20〜30時間StepUp Base
独学で、学生やビジネスマナーをゼロから学ぶ人40〜70時間StepUp Base
独学30〜50時間、約50時間資格Times(独学の解説ページ。30〜50時間)、グッドスクール(独学の解説ページ。約50時間)
独学約60時間資格Times(「勉強時間は?」のページ。1日1時間で1〜2か月とする)
独学(3級・2級をあわせた目安)30〜120時間アルク(よくある質問。公式テキストと過去問題集を使う場合)
学習方法を限定しない30〜120時間スクールセレクト(30〜50時間)、資格建築家(40〜60時間)、アルク(難易度解説の表で60〜120時間)

準1級(筆記試験と面接試験)

想定する受験者・条件目安示しているページ
筆記試験のみ(面接対策は別枠)60〜180時間シカクト、学研スキルアップ研究所(面接対策は別に2週間〜1か月)
筆記試験のみ(面接対策は別枠)150〜200時間アルク(面接対策は別に20〜40時間)
筆記試験のみ1日1時間で約3か月資格Times(元の知識が多い人は約2か月で合格できる場合もあるとする)
面接対策を含む80〜120時間資格建築家
独学約100時間グッドスクール(独学の解説ページ)
通信講座を使う場合合計100時間程度シカクト、学研スキルアップ研究所
条件を書いていない45〜120時間スクールセレクト

1級を載せているサイトの目安は、シカクトと学研スキルアップ研究所が150時間以上、資格建築家が面接対策込みで150〜200時間以上、アルクが300時間以上、グッドスクール(独学の解説ページ)が約150時間です。スクールセレクトだけは1級を準1級と同じ45〜120時間としています。グッドスクールは、大手の通信講座などが出している1級の目安は確認できなかったとして、個人の合格体験記から約225〜262時間と試算した例を紹介しています。

この表から言えるのは次のことです。

  • 3級は、20〜60時間の帯の中で30時間前後を示すサイトが目立ちます。社会人としてビジネスマナーに触れてきた人は、短くなる可能性があるとシカクトも書いています。
  • 2級は、独学で20〜70時間とするサイトが最も多く、条件を書いたStepUp Baseでは、社会人経験がある人が20〜30時間、学生やマナーをゼロから学ぶ人が40〜70時間です。一方、独学を想定する目安にも、資格Timesの約60時間、アルクの3級・2級あわせて30〜120時間があり、学習方法を限定しない目安ではアルクが2級を60〜120時間としています。社会人経験のない人は、20〜70時間の上限である70時間か、それ以上を見込んでおくと余裕が持てます。
  • 準1級は、筆記だけで60〜200時間と幅が最も広く、そこに面接対策が加わります。面接対策の時間は2週間〜1か月か20〜40時間とされ、どちらも筆記の勉強とは別の準備です。
  • 学習時間の根拠になる調査の人数や方法を示したページは、確認した範囲では見当たりません。協会の受験案内とよくあるご質問にも、学習時間の記載は見当たりません。表の数字は「相場観」として受け止めてください。

勉強時間の目安そのものがどこまで当てになるのかは、学習科学の研究をもとに勉強時間の目安は本当かで検証しています。

それでも数字がずれる理由

条件をそろえても残るずれには、次の理由があります。

1つめは、面接対策を含むかどうかです。準1級以上は筆記試験の合格者だけが面接試験に進みます。シカクトと学研スキルアップ研究所は筆記のみで60〜180時間とし、面接対策を別に2週間〜1か月と書いています。アルクは筆記を150〜200時間、面接対策を別に20〜40時間とし、資格建築家は面接対策を含めて80〜120時間と書いています。同じ「準1級の勉強時間」でも、含んでいるものが違います。

2つめは、同じ数字が複数のページに並んでいることです。2級の「独学で20〜70時間」は、ユーキャン、シカクト、学研スキルアップ研究所のページに同じ範囲で出てきます。グッドスクールは、この数字をユーキャンによるものと明記しています。それぞれのページが独立に調べた結果なのかどうかは、確認したページには書かれていません。

3つめは、同じサイトの中でも食い違いがあることです。資格Timesは、2級の独学を「60時間」とするページと、「独学で30〜50時間」とするページがあります。どちらも更新日は2023年8月27日です。グッドスクールの難易度解説ページは、2級と3級を出題領域と問題数が同じとして、どちらも平均約30時間としていますが、アルクは3級を約30〜60時間、2級を約60〜120時間と分けています。

4つめは、講座の数字が「期間」で示されていることです。ユーキャン(3級・2級・準1級を同時に学ぶ講座)は標準学習期間を4か月、ヒューマンアカデミー(秘書検定とビジネスマナーの講座で、2級・3級)は3か月とし、資格の大原(2級・準1級のコース)は4か月で準1級まで学べるとしています。確認したページには、必要な学習時間の内訳までは書かれていませんでした。講義の時間だけで足りるわけでもなく、早稲田ワーキングスクールの準1級筆記の対面講座は、土曜10時〜13時の全7回(当サイト算出で講義21時間)です。講義のほかに、問題を解く時間が必要になります。

合格者は実際に何時間勉強していたか

総勉強時間を、人数つきで調べた公開データは、確認できた範囲では見つかりませんでした。代わりに、個人の体験談は公開されています。資格ろぐの筆者は、働きながら2級を1か月で取得し、1日1時間から1時間30分、計45時間ほどだったと書いています。ただし1人の経験で、人数を集めた調査ではありません。

合格者・受験者の実像

級別の受験者数と合格率

協会は受験者状況を公表しています。協会サイトに掲載されているのは、第137回(2025年11月16日)、第138回(2026年2月8日)、第139回(2026年6月21日)と、2025年度(2025年4月1日〜2026年3月31日)のCBTです(2026年10月1日確認)。本会場の合格率は次のとおりです。

級第137回第138回第139回3回の合計(当サイト算出)
3級70.4%75.4%74.8%73.7%(15,509人中11,429人)
2級56.0%73.0%56.3%60.2%(16,195人中9,745人)
準1級41.3%実施なし42.3%41.8%(3,371人中1,409人、第137・139回)
1級33.3%実施なし31.4%32.4%(1,014人中329人、第137・139回)

秘書検定の級別合格率(本会場の第137〜139回の合計と、2025年度のCBT)

3級(本会場)73.7%

受験者15,509人・合格者11,429人

3級(CBT)67.1%

受験者5,631人・合格者3,780人

2級(本会場)60.2%

受験者16,195人・合格者9,745人

2級(CBT)62.4%

受験者17,300人・合格者10,792人

準1級(本会場)41.8%

受験者3,371人・合格者1,409人(第137・139回)

1級(本会場)32.4%

受験者1,014人・合格者329人(第137・139回)

本会場は第137回(2025年11月16日)・第138回(2026年2月8日、2級・3級のみ)・第139回(2026年6月21日)の合計で、準1級・1級は実施のあった第137・139回の合計。CBTは2025年度(2025年4月1日〜2026年3月31日)の2級・3級。合計の合格率は各回の人数を足して当サイトが算出した。準1級・1級の合格者が筆記合格者か最終合格者かは、協会の統計表に注記がない。出典: 実務技能検定協会「秘書検定 受験者状況」第137回・第138回・第139回・2025年度CBT

2月の第138回は2級・3級のみで、2級の合格率が他の2回より高く出ています。理由は協会の資料からは分かりません。本会場の3回を合計した延べ受験者は36,089人、合格者は22,912人です(当サイト算出。1人が2つの級を受けた場合の数え方は、協会の資料に書かれていません)。

CBTの2025年度は、2級の受験者17,300人・合格者10,792人で合格率62.4%、3級は受験者5,631人・合格者3,780人で67.1%でした。本会場の合計との差には、受験者の層の違いや時期の違いが混ざるため、CBTのほうが受かりやすいかどうかは、この数字からは言えません。

準1級・1級の統計表には、合格者数が筆記試験の合格者なのか、面接試験まで終えた最終合格者なのかの注記が見当たりませんでした。

誰が受けているか

協会は、各級の受験者の傾向を、3級は高校生も多い、2級は就職を意識した大学生が多く社会人の受験も目立つ、準1級は大学生と社会人がほぼ同数、1級は現役秘書や社会人が受けている、と説明しています。

人数の割合については、公式テキストを出版している早稲田教育出版のページに、志願者の構成が載っています(受験者ではなく志願者の割合です)。級別割合のグラフには「2023年度」とありますが、職業別のグラフには年度の表記がなく、画像ファイル名に2023とあるだけなので、2023年度の値と見られるものとして扱います。

級志願者に占める級の割合学生(高校・専門・短大・大学)会社員・秘書・公務員その他
3級34.9%77.7%9.6%12.7%
2級53.7%65.4%20.1%14.5%
準1級8.9%46.1%36.8%17.1%

1級は2.5%で、職業別の割合は掲載されていません。職業ごとの内訳は、早稲田教育出版の円グラフの値から、学生は高校生・専門学生・短大生・大学生の合計、会社員・秘書・公務員の合計を当サイトが算出しました(「その他」に社会人が含まれる可能性があるため、社会人の割合そのものではありません)。

秘書検定の志願者に占める学生の割合(2023年度とされる値)

3級77.7%

高校生44.7%・専門学生19.0%・大学生11.0%・短大生3.0%

2級65.4%

大学生39.5%・高校生10.8%・専門学生9.4%・短大生5.7%

準1級46.1%

大学生25.0%・専門学生13.4%・短大生4.8%・高校生2.9%

受験者ではなく志願者の割合。学生は高校生・専門学生・短大生・大学生の合計で、当サイトが算出した。会社員・秘書・公務員の合計は、3級9.6%、2級20.1%、準1級36.8%。1級は職業別の割合が掲載されていない。 年度は、級別割合のグラフに「2023年度」とあり、職業別のグラフは画像ファイル名が2023であることによる。出典: 早稲田教育出版「秘書検定について:何級を受験する?」(2023年度とされる志願者実績グラフ)

3級は高校生が44.7%で、最も多い層です。2級は大学生が39.5%、準1級は会社員が26.7%と大学生が25.0%です。職業別・年齢別の合格率は、協会の公表資料では確認できませんでした。

面接で不合格でも、次回と次々回は筆記が免除される

準1級・1級で、初回の面接試験に不合格だった人または欠席した人は、1年間(次回と次々回)は筆記試験が免除されます。第140回の筆記免除受験の申込期間は、2026年8月24日から9月11日でした。

合格ラインの仕組み:理論と実技がそれぞれ60%以上

協会は、全級とも筆記試験を「理論」と「実技」に分けて、それぞれの得点が60%以上のときに合格としています。理論は「必要とされる資質」「職務知識」「一般知識」の3領域、実技は「マナー・接遇」「技能」の2領域です。理論か実技のどちらか一方が60%に届かなければ、他方が満点でも合格になりません。

試験形式は、準1級・2級・3級が選択問題(マークシート方式)と記述問題、1級はすべて記述問題です。1級・準1級は、筆記試験と面接試験の両方に合格して合格になります。CBT(2級・3級)は、多肢選択式31問と記述式2問の計33問で、2級が100分、3級が90分です。合格基準は本会場と同じで、結果はその場で判定されます。

第140回(2026年11月15日)の受験要項は次のとおりです。試験時間は、受験上の注意の説明10分間を含みます。

級試験時間受験料形式
3級11:50〜13:503,800円選択(マークシート)と記述
2級14:50〜17:005,200円選択(マークシート)と記述
準1級11:50〜14:106,500円選択と記述、筆記合格後に面接
1級14:50〜17:207,800円すべて記述、筆記合格後に面接

2級・3級を併願する場合の受験料は9,000円で、単独の受験料の合計と同額です。通常受験の申込期間は2026年9月3日から10月13日です。

面接試験は、準1級が3人1組で、「あいさつ」「報告」「状況対応」のロールプレイングを行います。1級は2人1組で、「報告」と「応対」です。協会は、準1級の審査のポイントとして体勢・動作・明るさ・話し方・言葉遣い・身なりを挙げています。合格の基準は、そうした点が秘書技能の基本として理解されていると判断できるかどうかで、点数では示されていません。

いつから始める? 目標時間と週あたりの勉強時間から逆算する

秘書検定は、本会場が年3回、2級・3級はCBTで随時受けられるので、「何月から」ではなく「何週間かかるか」で考えるのが実用的です。次の表は、目標時間を週あたりの勉強時間で割った週数です(当サイト算出)。週あたりの時間は、毎日同じ時間を7日続けた場合で、週数は小数点以下を切り上げた整数で示しています(例:30時間を週7時間なら約4.3週で5週間)。

目標時間週3.5時間(毎日30分)週7時間(毎日1時間)週10.5時間(毎日1.5時間)週14時間(毎日2時間)
20時間6週間3週間2週間2週間
30時間9週間5週間3週間3週間
50時間15週間8週間5週間4週間
70時間20週間10週間7週間5週間
100時間29週間15週間10週間8週間
150時間43週間22週間15週間11週間
200時間58週間29週間20週間15週間

試験日から逆算する例です。2027年2月7日(日)の第141回は、2級・3級のみの実施です。通常受験の申込期間は2026年12月7日から2027年1月12日です。

  • 3級を30時間、毎日1時間で積むなら5週間なので、2027年1月3日(日)に始めれば、2月6日までに35時間になります
  • 2級を70時間、毎日1時間で積むなら10週間なので、2026年11月29日(日)に始めれば、2月6日までに70時間になります
  • 2級を、独学で20〜70時間とする目安の下限20時間で済ませるなら、毎日1時間で3週間です

準1級・1級は例年6月と11月の年2回で、2026年10月1日に確認した協会の試験日程に載っているのは第141回までです。2027年6月の試験日は未公表です。準1級の筆記に150時間を見込む場合、毎日1.5時間なら15週間、毎日1時間なら22週間です。面接の対策は、第140回の場合、筆記の2026年11月15日から面接の2026年12月12日〜2027年1月16日(会場により異なる)までの間に準備します。筆記の合否通知は、インターネット申込の場合は2026年12月2日10時ごろの予定です。

CBTは、協会の案内で最短で申込日から3日後に受験できるとされています。試験日が固定されていないので、計画を自分で決められます。復習の間隔を決めたいときは、試験日を入れると復習日を提案する復習スケジューラが使えます。各資格の試験日程は資格試験スケジュールにまとめています。

4週間・8週間で積むには

目標時間を日数で割ると、必要なペースが分かります(当サイト試算)。

  • 3級の30時間を4週間で積むなら、週7.5時間(毎日1時間強)
  • 2級の70時間を4週間で積むなら、週17.5時間(毎日2.5時間)。20時間なら週5時間(毎日45分ほど)
  • 準1級の筆記に150時間を8週間で積むなら、週18.75時間(毎日2.7時間ほど)

2級の独学の目安は、20〜70時間とするサイトが多く、幅があるため、1か月で足りるかどうかは、社会人経験や、すでにどれだけビジネスマナーを知っているかで変わります。過去問を1回分解いて、理論と実技の得点率を測れば、自分の位置が分かります。

領域別の配分:理論と実技の両方で60%を超える

協会のページには、領域ごとの出題数や配点は載っていません。そのため、各社の領域別の勉強時間の配分は、公式の配点に基づくものではありません。

出題領域は5つで、3級から1級まで同じ領域です。級が上がるほど、応用力が必要になります。早稲田教育出版のページでは、早稲田ワーキングスクールの現役講師が、対策の方法として次のように説明しています。

  • 「一般知識」は暗記の領域なので、スキマ時間を使う
  • 「マナー・接遇」と「技能」は、覚えることが多い領域で、暗記系と理解系に分けて取り組む
  • 「必要とされる資質」と「職務知識」は、自分の経験ではなく、秘書検定の基準で何が問われているかを理解する
  • 1週間で1領域を目安に、全領域の問題に取り組む

ここに合格基準を重ねると、自分で配分を決める方法が見えてきます。

  1. 過去問1回分を解いて、領域ごとの正解数を出す
  2. 理論(3領域)と実技(2領域)に分けて、それぞれの得点率を計算する
  3. 60%に届いていない側の領域に時間を寄せる。60%ぎりぎりでは本番で下回る可能性があるため、余裕を持たせる
  4. 1〜2週間ごとに測り直して、配分を変える

グッドスクールが紹介している学生の体験談では、最初の過去問が理論で約4割、実技で約5割5分で、理論と実技を7対3の割合で勉強したとあります。個人のブログに書かれた例で、あなたの配分にそのまま当てはまるものではありませんが、点数が低い側に時間を寄せるという考え方の例になります。

協会はよくあるご質問で、実務技能検定協会編の公式参考書類の活用を勧めています。グッドスクールによると、2026年度版の公式実問題集は2級・3級が第132〜137回の分を収めています。何回分解くかは、過去問は何年分解けばいいのかで整理しています。勉強法の全体は試験に強い勉強法も参考になります。

勉強時間を確保する場所:自習室代はいくらかかるか

3級・2級は目安の時間が短いので、自習室が必要かどうかは、家や図書館で集中できるかどうかで決まります。家では集中できない、図書館の席が取れないという人には、自習室を使う選択肢があります。

当サイトに掲載している有料自習室のうち、月額プランがある324施設で、各施設の最も安い月額プランの料金を集計しました(2026年9月30日時点)。

集計の範囲金額
第1四分位(安い方から4分の1の位置)月5,800円
中央値月7,800円
第3四分位(高い方から4分の1の位置)月11,000円

324施設のうち320施設は、当サイトが公式サイトと料金を突き合わせて確認した掲載です。「最も安い月額プラン」には、夜間のみや平日のみといった利用時間に制限のあるプランも含まれます。

月単位で契約すると仮定して、費用を試算します(当サイト試算。必要な日数を1か月30.4日で割って切り上げた月数で計算し、受験料は第140回の本会場の額)。月数は、上の週数表のように切り上げた週数からではなく、目標時間を1日の時間で割った日数から直接求めています。

想定日数と月数自習室代(中央値)受験料合計
3級の30時間を、毎日1時間で30日(1か月分)7,800円3,800円11,600円
2級の70時間を、毎日1時間で70日(3か月分)23,400円5,200円28,600円
準1級の筆記180時間を、毎日1.5時間で120日(4か月分)31,200円6,500円37,700円

準1級の180時間は、シカクトと学研スキルアップ研究所が筆記について示す上限です。面接のロールプレイの練習は、自習室ではなく別の場所が必要です。2級の3か月分は、第1四分位の月5,800円なら17,400円、第3四分位の月11,000円なら33,000円です。

公立図書館は無料で使えますが、館によっては持ち込みの勉強を制限していたり、席の数が少なかったりします。平日の夜や休日に確実に座れるかどうかは、事前に確かめておくと安心です。

受かった後の数字:確認できたこと、できなかったこと

最後に、秘書検定の合格が何につながるのかを、公式の情報で確認できる範囲で整理します。

有資格者の人数は公表が見当たらない

協会は、級別の受験者数と合格者数を回ごとに公表しています。一方、現在の有資格者の人数は、協会の受験者状況と「秘書検定とは」のページには見当たりませんでした。合格者の延べ人数を積み上げた値があったとしても、同じ人が複数の級に合格するため、有資格者の人数とは別の数字です。公式テキストを出版する早稲田教育出版のページには、累計800万人以上が受験したとありますが、これは出版社の記載で、合格者や有資格者の数ではありません。協会の受験者状況のページで確認できたのは、回ごとの延べ受験者数と合格者数です。2025年度のCBTは延べ22,931人(2級17,300人、3級5,631人)、本会場の第137〜139回の3回は延べ36,089人でした。

独占業務や必置義務は確認できなかった

協会は公益財団法人で、文部科学省の後援を受けて実施しています。受験資格に制限はなく、何級からでも受験できます。この資格を持っていないと就けない職業や、事業所に置くことを義務づける法律の条文は、確認できた範囲では見当たりませんでした。

協会は、秘書検定を、社会に出て働く人が備えるべき基本的な常識を問うものと説明し、特に就職を控えた学生に受験を勧めています。合格証に有効期限はなく、名字が変わっても使えると、協会はよくあるご質問で案内しています。

職種「秘書」の年収は約553万円(当サイト算出)

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)には、職種「秘書」の区分があります。一般労働者(企業規模10人以上、男女計)の所定内給与額は月375.8千円、年間賞与その他特別給与額は1,018.9千円なので、「所定内給与額×12か月+年間賞与」で算出すると約552.9万円です(当サイト算出)。平均年齢は45.7歳、平均勤続年数は12.5年です。

この数字は職種「秘書」に就いている人の統計で、秘書検定の合格者や資格保有者に限った平均ではありません。年齢、勤続年数、勤務先の規模なども混ざっています。秘書検定を取れば年収が上がることを示す数字ではありません。

よくある質問

秘書検定の勉強時間は何時間必要ですか?

級と条件によって変わります。確認できた学習サイトの目安は、3級が20〜60時間(30時間前後を示すサイトが目立ちます)、2級が独学で20〜70時間とするサイトが多く、アルクは3級・2級を独学で30〜120時間としています。準1級が筆記で60〜200時間で、面接対策を別に2週間〜1か月、または20〜40時間とするサイトがあります。1級は150時間以上から300時間以上とするサイトがあります。試験を実施する実務技能検定協会は、学習時間を公表していません。

秘書検定2級は、1日何時間勉強すれば何週間で受かりますか?

目標時間を週あたりの勉強時間で割って決まります(当サイト試算)。独学で20〜70時間とする目安の上限70時間を見込む場合、毎日1時間(週7時間)なら10週間、毎日30分(週3.5時間)なら20週間、毎日2時間(週14時間)なら5週間です。同じ目安の下限20時間なら、毎日1時間で3週間です。2級の合格率は直近3回の本会場試験の合計で60.2%(当サイト算出)と、約4割が不合格になっています。時間を満たすだけでなく、過去問で理論と実技のそれぞれが60%以上取れているかを確かめてください。

秘書検定はいきなり2級から受けても大丈夫ですか?

協会のよくあるご質問には、何級からでも受験できると書かれています。3級から2級まで出題領域は同じ5領域で、級が上がるほど場面設定が複雑になります。第140回の受験要項には2級・3級を併願する場合の受験料(9,000円)も載っていて、3級は11時50分開始、2級は14時50分開始で、時間は重なりません。学習サイトの目安では、3級(20〜60時間)と2級(独学で20〜70時間)の差は大きくありません。準1級からは面接試験があるため、筆記とは別の準備が必要です。

秘書検定準1級の面接対策には、どれくらいの期間や時間が必要ですか?

協会は面接対策に必要な時間を公表していません。学習サイトの目安は、筆記とは別に2週間〜1か月(シカクト、学研スキルアップ研究所)、20〜40時間(アルク)と割れています。資格Timesは、筆記を受け終えたらすぐに面接対策を始めるのがよいとしています。第140回の準1級は、筆記が2026年11月15日、面接は会場により2026年12月12日〜2027年1月16日で、3人1組で「あいさつ」「報告」「状況対応」を行います。初回の面接に不合格または欠席だった場合は、次回と次々回の筆記試験が免除されます。

秘書検定はいつ受けられますか? CBTとの違いは何ですか?

本会場の筆記試験は年3回で、2026年度は第139回が2026年6月21日、第140回が11月15日、第141回が2027年2月7日です。第141回は2級・3級のみの実施で、準1級・1級は年2回です。2級・3級はCBT(テストセンターのパソコンで受ける方式)なら、年末年始を除いて随時受験でき、合否はその場で分かります。CBTの受験料は2級4,900円、3級3,600円で、本会場(2級5,200円、3級3,800円)より200〜300円安くなっています。

調査方法・出典について

  • 受験者数・合格者数・合格率は、実務技能検定協会「受験者状況」の第137回、第138回、第139回と、2025年度のCBTの各ページによります(2026年10月1日確認)。3回の合計と合格率の合計は、各回の受験者数と合格者数を足して当サイトが算出しました。
  • 試験日程、受験料、試験時間、合格基準、出題形式、面接試験の内容、筆記試験免除の規定、よくあるご質問、協会の概要は、協会の受験要項、試験日程、申込受付、面接試験、CBT、よくあるご質問、「秘書検定とは」、「実務技能検定協会について」の各ページによります(2026年10月1日確認)。CBTの受験料、出題形式、試験時間は、CBT-Solutionsの案内ページによります。
  • 志願者の級別割合と職業別割合は、早稲田教育出版「何級を受験する?」のグラフの値によります。年度は、級別割合のグラフに「2023年度」とあり、職業別のグラフは画像ファイル名が2023であることから、2023年度とされる値として扱いました。同社の別のページ(受験者データ)には2021年度の受験者の実績も載っています。学生・社会人の合計は、グラフの値から当サイトが算出しました。
  • 学習サイトの勉強時間の目安は、2026年9月29日〜10月1日に各社の解説ページで確認しました。調査した範囲は、シカクト、ユーキャン、学研スキルアップ研究所、アルク、グッドスクール、資格Times、スクールセレクト、資格建築家、StepUp Base、資格ろぐです。資格Timesの3ページは更新日が2021〜2023年のため、現在の見解とは異なる可能性があります。
  • 講座の標準学習期間は、ユーキャン、資格の大原、ヒューマンアカデミー、早稲田ワーキングスクールの各講座ページで確認しました。早稲田ワーキングスクールの講義時間(21時間)は、公表されている時間割(全7回、各回10時〜13時)から当サイトが算出しました。
  • 「週あたりの時間から逆算した週数」「4週間・8週間で積むペース」「自習室代と受験料の合計」はすべて当サイトの試算です。週数は切り上げ、自習室代は必要な日数(目標時間÷1日の時間)を1か月30.4日で割って切り上げた月数で計算しました。
  • 自習室の料金は、当サイトに掲載している有料自習室のうち月額プランがある324施設について、各施設の最も安い月額プランを2026年9月30日時点で集計しました。
  • 職種「秘書」の年収は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第1表(e-Stat、2026年10月2日確認)の、企業規模10人以上・男女計の値から、所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額で当サイトが算出しました(375.8千円×12+1,018.9千円)。
  • 協会の統計と各社の目安は今後の発表で更新される場合があります。受験の際は、必ず実務技能検定協会の公式情報をご確認ください。