平成29年度 行政書士行政法難易度 標準

平成29年度 行政書士試験 問17 行政事件訴訟法(申請拒否処分の取消訴訟)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成29年度 行政書士試験 試験問題」問17(原文のまま・無改変)

許認可の申請拒否処分の取消訴訟に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

正解1選択肢 1 が正しい

肢ごとの解説

  • 1正しい

    申請型義務付け訴訟(行政事件訴訟法3条6項2号)を提起するには、併合して申請拒否処分の取消訴訟等を提起しなければなりません(37条の3第3項)が、申請拒否処分の取消訴訟自体は単独で提起することもできます。本肢が妥当です。

  • 2誤り

    申請拒否処分の効力を停止しても、それだけでは申請された許認可の効果が仮に発生するわけではありません。許認可の効果を仮に得るには仮の義務付け(37条の5)の申立てによるべきであり、執行停止では目的を達せられないため、本肢は妥当でありません。

  • 3誤り

    申請拒否処分も取消訴訟の対象たる処分であり、取消訴訟の出訴期間(行政事件訴訟法14条。処分を知った日から6か月等)の制限を受けます。「出訴期間の制限はない」とする本肢は誤りです。

  • 4誤り

    係属中に拒否処分が職権で取り消され許認可がなされた場合、取消訴訟は訴えの利益を失いますが、その帰結は請求棄却ではなく訴え却下です。「棄却される」とする本肢は誤りです。

  • 5誤り

    取消判決の拘束力(行政事件訴訟法33条)により処分庁は判決の趣旨に従って再処分しますが、判決理由で示された違法事由と異なる理由であれば再度拒否処分をすることも許されます。「理由のいかんにかかわらず再度の拒否処分は許されない」とする本肢は誤りです。

解説

正解は肢1です。申請型義務付け訴訟は申請拒否処分の取消訴訟等と併合提起しなければなりませんが(行政事件訴訟法37条の3第3項)、申請拒否処分の取消訴訟自体は単独で提起することもできます。肢2は申請許認可の効果を仮に得るには仮の義務付けによるべき点、肢3は申請拒否処分にも出訴期間の制限がある点(14条)、肢4は訴えの利益を失えば棄却ではなく却下となる点、肢5は判決の拘束力(33条)の下でも別の理由による再拒否処分が可能な点で、いずれも妥当でありません。

ここがポイント

申請拒否処分の取消訴訟は単独提起可。申請型義務付け訴訟は取消訴訟等と併合必須(37条の3第3項)。仮の救済は仮の義務付け(執行停止では不十分)。拘束力下でも別理由なら再拒否可。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成29年度(2017年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。