平成29年度 行政書士試験 問3 人権の享有主体性
人権の享有主体性をめぐる最高裁判所の判例に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
マクリーン事件判決(最大判昭和53年10月4日)は、政治活動の自由のうちわが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす活動等を除き、外国人にもその保障が及ぶとしました。判例に沿っており妥当です。
- 2正しい
八幡製鉄政治献金事件(最大判昭和45年6月24日)は、会社も自然人と同様、国や政党の特定の政策を支持・推進・反対する政治的行為をなす自由を有するとしました。判例に沿っており妥当です。
- 3正しい
堀越事件(最判平成24年12月7日)は、国家公務員法上処罰の対象となる政治的行為を、公務員の職務遂行の政治的中立性を害するおそれが実質的に認められるものに限定して解釈しました。判例に沿っており妥当です。
- 4誤り
最判平成元年11月20日は、天皇には象徴であることに基づき民事裁判権が及ばないとしました。私人としての行為についても民事裁判権は及ばないとされており、「私人としての天皇には当然に民事裁判権が及ぶ」とする本肢は判例に反し、妥当でありません。
- 5正しい
旭川学力テスト事件(最大判昭和51年5月21日)は、教育を受ける権利の背後には、子どもが学習要求を充足するための教育を大人一般に要求する学習権の観念があるとしました。判例に沿っており妥当です。
解説
正解は肢4です。最判平成元年11月20日は、天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であることに鑑み、天皇には民事裁判権が及ばないとしました。これは公的行為に限らず、私人としての行為についても民事裁判権が及ばない趣旨と解されており、「私人としての天皇には当然に民事裁判権が及ぶ」とする本肢は判例に反します。他の肢はマクリーン事件・八幡製鉄事件・堀越事件・旭川学テ事件という有名判例の趣旨どおりで妥当です。
ここがポイント
天皇には民事裁判権が及ばない(最判平成元年)。外国人の政治活動の自由=マクリーン事件、会社の政治献金=八幡製鉄事件、子どもの学習権=旭川学テ事件。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成29年度(2017年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。