平成29年度 行政書士民法難易度 標準記述式

平成29年度 行政書士試験 問45 記述式(債権譲渡禁止特約)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成29年度 行政書士試験 試験問題」問45(原文のまま・無改変)

AはBに対して100万円の売買代金債権を有していたが、同債権については、A・B間で譲渡禁止特約が付されていた。しかし、Aは、特約に違反して、上記100万円の売買代金債権をその弁済期経過後にCに対して譲渡し、その後、Aが、Bに対し、Cに譲渡した旨の通知をした。Bは、その通知があった後直ちに、Aに対し、上記特約違反について抗議しようとしていたところ、Cが上記100万円の売買代金の支払を請求してきた。この場合に、Bは、Cの請求に応じなければならないかについて、民法の規定および判例に照らし、40字程度で記述しなさい。

模範解答

Cが特約につき善意無重過失であれば応じなければならないが、悪意・重過失なら応じなくてよい。

採点のポイント

  • 譲渡禁止特約付き債権の譲渡は当事者間では原則無効だが、善意(無重過失)の第三者には対抗できないこと(旧民法466条2項)。
  • Cが特約について善意かつ無重過失であれば譲渡は有効となり、BはCの請求に応じなければならないこと。
  • Cが特約につき悪意または重過失であれば譲渡は無効で、BはCの請求に応じる必要がないこと。

解説

本問は平成29年度の出題であり、平成29年改正前の民法466条2項が適用されます。同項は、当事者が反対の意思表示(譲渡禁止特約)をした債権は譲渡できないと定めつつ、この特約は善意の第三者に対抗できないとしていました。判例(最判昭和48年7月19日)は、ここでの善意には無重過失も要求され、譲受人が特約の存在を知らず、かつ知らないことに重大な過失がなければ、譲渡は有効となるとしています。したがって、譲受人Cが譲渡禁止特約について善意かつ無重過失であれば、BはCの請求に応じなければなりません。逆に、Cが特約の存在を知っていた(悪意)か、知らなかったことに重過失がある場合には、債務者Bは特約による譲渡の無効を主張でき、Cの請求に応じる必要はありません。なお、弁済期経過後の譲渡である点や通知の存在は結論を左右しません。

ここがポイント

改正前民法466条2項。譲渡禁止特約付き債権の譲渡は、善意かつ無重過失の譲受人には対抗できない(最判昭48・7・19)。Cの善意無重過失の有無で結論が分かれる。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成29年度(2017年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。