平成29年度 行政書士試験 問49 日本の農業政策
最近の日本の農業政策に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。 ア.外国人の農業現場での就労は技能実習生に限って認められていたが、農業の担い手確保に向けて、専門技術を持つ外国人の就農が全国的に認められることとなった。 イ.耕作する自然人以外の主体が農地を所有・借用することは認められていなかったが、法人が農業を行う場合には、農地の借用のみはできることとなった。 ウ.農業協同組合の組織の見直しが進められており、全国の農業協同組合を取りまとめる全国農業協同組合中央会は廃止され、農業協同組合は株式会社化されることとなった。 エ.国の独立行政法人や都道府県が有する種苗の生産に関する知見については、農業の競争力強化に向けて積極的に民間事業者に提供していくこととなった。 オ.農地に関する業務を担う農業委員会は市区町村に設置されているが、農業委員の選挙制は廃止され、市区町村長の任命制に改められた。
肢ごとの解説
- 1誤り
アは妥当でなく、誤りの組合せです。本問出題時点で外国人の専門技術者就農が「全国的に」認められた事実はなく、国家戦略特区での限定的な受け入れにとどまっていました。
- 2誤り
アが妥当でないため誤りです。なお農地法上、法人(農地所有適格法人)は要件を満たせば農地の所有も認められており、「借用のみ」とするイも不正確です。
- 3誤り
イ・ウともに不正確です。法人は一定要件下で農地所有もでき、農協改革で全中は一般社団法人へ移行したものの農協自体が一律に株式会社化されたわけではありません。
- 4誤り
エは妥当ですが、ウが不正確(農協の一律株式会社化はされていない)であるため、組合せとして誤りです。
- 5正しい
エ・オはいずれも妥当です。種苗の生産知見の民間提供(農業競争力強化支援法等)と、農業委員の選挙制廃止・市区町村長による任命制への移行(改正農業委員会法)はいずれも実施されており、正しい組合せです。
解説
近年の農業改革に関する知識を問う問題で、妥当なのはエとオであり、その組合せの肢5が正解です。エは、国や都道府県等が持つ種苗生産の知見を民間事業者へ提供して競争力を高める方針(農業競争力強化支援法)に沿った正しい記述です。オは、改正農業委員会法により農業委員の公選制(選挙制)が廃止され、市区町村長が議会の同意を得て任命する方式に改められた点を正確に述べています。一方アは外国人就農が全国的に認められた事実がなく、イは法人が農地を所有できる仕組みがある点で不正確、ウは全国農業協同組合中央会(全中)が一般社団法人化されたものの農協が一律に株式会社化されたわけではない点で誤りです。
ここがポイント
農業委員は選挙制廃止→市区町村長の任命制(改正農業委員会法)。種苗生産の知見は民間提供。全中は一般社団法人化されたが農協の一律株式会社化はされていない。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成29年度(2017年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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