平成29年度 行政書士試験 問8 行政行為の取消しと撤回
砂利採取法26条1号から4号までによる「認可の取消し」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
行政法学上の「取消し」とは、行政行為に当初から瑕疵があった場合に遡及的に効力を失わせるものをいいます。本号の取消しは、認可後の事情(後発的事由)に基づき将来効を失わせる「撤回」を含むため、すべてを「取消し」と整理する本肢は正しくありません。
- 2誤り
後発的事由に基づく不利益処分は「撤回」に当たり、これを「取消し」と整理する点で誤りです。条文の各号がいずれの性質を持つかの整理が正しくありません。
- 3正しい
行政法学上、原始的瑕疵に基づくものが「取消し」、後発的事由に基づき将来に向かって効力を失わせるものが「撤回」です。砂利採取法26条のうち2号・3号は認可後の事業者の義務違反等の後発的事由を理由とするものであり、いずれも行政法学上の撤回に当たります。本肢が正しい記述です。
- 4誤り
撤回に当たる号の組合せが条文の整理と一致しません。後発的事由に基づくか否かの区別を正しく反映しておらず、誤りです。
- 5誤り
撤回に当たる号の組合せが条文の整理と一致しないため、誤りです。
解説
正解は肢3です。行政法学上、行政行為の「取消し」とは成立当初からの瑕疵(原始的瑕疵)を理由に遡及的に効力を失わせるもの、「撤回」とは適法に成立した行政行為を後発的な事由により将来に向かって失効させるものをいいます。砂利採取法26条各号のうち、許可後の事業者側の義務違反など後発的事由を理由とする号が「撤回」に当たります。本問では2号・3号がいずれも撤回に当たるとする肢3が正解です。法令上は「取消し」と表記されていても、行政法学上は撤回であることがある点に注意が必要です。
ここがポイント
取消し=原始的瑕疵に基づく遡及的失効。撤回=後発的事由に基づく将来効の失効。法令上『取消し』と書かれていても学問上は撤回のことがある。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成29年度(2017年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。