平成29年度 行政書士試験 問9 無効の行政行為
無効の行政行為に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
無効の行政行為の無効は、無効確認訴訟だけでなく、実質的当事者訴訟や民事訴訟(争点訴訟)の前提問題としても主張できます(行政事件訴訟法45条等)。これを許されないとする本肢は誤りです。
- 2誤り
無効の行政行為であっても、出訴期間内であれば取消訴訟を提起することは可能です(重大明白な瑕疵がある処分でも取消訴訟で争える)。取消訴訟が不適法とされるわけではなく、誤りです。
- 3正しい
無効確認訴訟には審査請求前置の規定(行政事件訴訟法8条)は準用されません(同法38条参照)。したがって、個別法に審査請求前置が規定されていても、無効の行政行為については直ちに無効確認訴訟を提起できます。本肢が妥当です。
- 4誤り
無効等確認訴訟の原告適格は、処分の効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができない者で、当該処分の無効確認を求めるにつき法律上の利益を有する者に限られます(行政事件訴訟法36条)。「何人でも」提起できるわけではなく、誤りです。
- 5誤り
無効等確認訴訟には、取消訴訟に関する執行停止の規定が準用されます(行政事件訴訟法38条3項)。「準用はなされていない」とする本肢は誤りです。
解説
正解は肢3です。無効等確認訴訟には、取消訴訟の審査請求前置に関する規定(行政事件訴訟法8条)は準用されないため(38条)、個別法に審査請求前置が定められていても、無効の行政行為については審査請求を経ずに直ちに無効確認訴訟を提起できます。肢1は無効を当事者訴訟や争点訴訟でも主張できること、肢2は出訴期間内なら取消訴訟も可能であること、肢4は原告適格が限定されること(36条)、肢5は執行停止が準用されること(38条3項)から、それぞれ妥当でありません。
ここがポイント
無効等確認訴訟には審査請求前置(8条)は準用されず直ちに提起可。執行停止(25条以下)は準用される(38条3項)。原告適格は36条で限定。無効は当事者訴訟・争点訴訟でも主張可。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成29年度(2017年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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