平成30年度 行政書士行政法難易度 標準

平成30年度 行政書士試験 問10 行政処分の無効と取消し

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成30年度 行政書士試験 試験問題」問10(原文のまま・無改変)

行政処分の無効と取消しに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解5選択肢 5 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    判例・通説は、無効な処分であっても取消訴訟の対象とすることを認めています(出訴期間内であれば取消訴訟も提起できる)。本肢は誤りです。

  • 2誤り

    行政不服審査法18条は処分があったことを知った日の翌日から3月、処分から1年の審査請求期間を定めますが、無効な処分の場合は『正当な理由』等を経由せずとも無効確認の訴え等で争え、審査請求制度自体は期間制限を直接除外する明文はありません。本肢の言い方は正確でなく誤りです。

  • 3誤り

    職権取消しは取消訴訟の出訴期間に拘束されません。行政庁は瑕疵ある処分を信義則等の制約の下で職権取消しできるのが原則で、本肢は誤りです。

  • 4誤り

    職権取消しによって処分の効力は消滅しますが、これを争う相手方は職権取消し処分自体の取消訴訟等を提起するのであって、『有効確認の訴え』ではありません。本肢は誤りです。

  • 5正しい

    判例(最判昭和36年4月21日)は、違法な行政処分による損害賠償請求について、当該処分の取消しまたは無効確認の判決を経ることを必要としないと判示しました。国家賠償請求と取消訴訟は要件・効果を異にするためです。本肢は正しい記述です。

解説

本問は行政処分の効力に関する基礎知識を問います。肢5の『取消訴訟前置を要しない』点は最判昭和36年4月21日以来確立した判例であり、国家賠償請求では当該処分の公定力を経由する必要はないとされます。他の肢は無効と取消の関係、職権取消しの法理に関する誤りを含みます。よって正しいのは肢5のみで、これが正解です。

ここがポイント

国家賠償請求では取消訴訟の取消判決等は不要(最判昭和36.4.21)。職権取消しに出訴期間の制約はない、という基本を押さえます。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成30年度(2018年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。