平成30年度 行政書士行政法難易度 難

平成30年度 行政書士試験 問9 行政上の法律関係(公法・私法)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成30年度 行政書士試験 試験問題」問9(原文のまま・無改変)

行政上の法律関係に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    判例(最判昭和59年12月13日)は、公営住宅の使用関係は特別法たる公営住宅法・条例が優先適用され、これに規定がない事項についてのみ一般法たる民法・借家法が補充的に適用されるとしており、本肢は優先関係を逆に述べており誤りです。

  • 2誤り

    判例は、食品衛生法上の食肉販売の営業許可を受けない者が行った食肉の売買契約も、その私法上の効力は当然には否定されないとしており、本肢は誤りです。

  • 3誤り

    判例(最判昭和35年3月31日)は、租税滞納処分による不動産差押えに即時取得の規定(民法192条等)の適用を認めるなど、性質に応じた私法規定の適用を肯定しており、本肢の単純な類推は妥当ではありません。

  • 4正しい

    最判平成元年9月19日は、建築基準法65条(現63条)の規定が適用される場合、隣地境界線に接して外壁を設けることができることから、民法234条1項(境界線から50cm以上の距離を保つ義務)の適用は排除されると判示しました。本肢はこの判例と整合します。

  • 5誤り

    判例(最判平成2年10月18日)は、公営住宅の入居者死亡後、同居の相続人が公営住宅の使用権を当然に承継するわけではないと判示しており、ただし一身専属とまで言い切る点や公営住宅法の趣旨を一律に強調する点で本肢は判例と異なります。

解説

本問は行政上の法律関係において公法と私法の関係をめぐる判例の立場を問うものです。肢4は建築基準法65条(現63条)と民法234条1項の関係に関する最判平成元年9月19日の判旨と一致します。同判決は、防火地域等で耐火構造の建築物の外壁を境界線に接して設けることができるとする建築基準法の規定は、これを許容する範囲で民法234条1項の特則として優先適用されると判示しました。他の肢は判例と相違します。よって正解は肢4です。

ここがポイント

公法・私法の関係は『特別法優先』を基本に、判例の個別判断(公営住宅、租税滞納処分、建築基準法と民法234条等)を押さえます。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成30年度(2018年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。