平成30年度 行政書士試験 問19 行政事件訴訟法・差止訴訟
次の文章は、行政事件訴訟法の定める差止訴訟に関する最高裁判所判決の一節である。空欄[ A ]~[ D ]に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。 A:「重大な損害」または「回復の困難な損害」/B:「民事訴訟」または「取消訴訟」/C:「仮処分」または「執行停止」/D:「一時的にせよ」または「反復継続的に」
肢ごとの解説
- 1誤り
A『重大な損害』は正しいが、B『民事訴訟』・C『仮処分』・D『一時的にせよ』は判旨と整合しません。差止訴訟の意義は取消訴訟・執行停止との比較で論じられます。
- 2誤り
A・Cの一部に正答要素があるものの、B『民事訴訟』、D『一時的にせよ』が誤りです。最判平成24年2月9日(東京都教職員国旗国歌訴訟)は『取消訴訟』『反復継続的に』等の語句を用います。
- 3正しい
最判平成24年2月9日は、差止訴訟の補充性・重大な損害要件について『重大な損害』『取消訴訟』『執行停止』『反復継続的に』命じられる職務命令違反による処分の不利益を考慮するという文脈で論じており、本組合せが判旨と整合します。
- 4誤り
A『回復の困難な損害』は2004年改正前の旧基準であり、改正後は『重大な損害』が条文文言です。
- 5誤り
A『回復の困難な損害』が条文文言と一致せず誤りです。
解説
本問は差止訴訟(行政事件訴訟法37条の4)に関する最判平成24年2月9日の判旨を問います。同判決は、教員に対する国旗国歌起立斉唱職務命令違反を理由とする懲戒処分について、職務命令が反復継続的に発令されることにより不利益処分が累積する性質を有し、事後の取消訴訟・執行停止では救済として十分でないとして、差止訴訟の『重大な損害』要件を肯定しました。よってA=重大な損害、B=取消訴訟、C=執行停止、D=反復継続的にとなり、肢3が正解です。
ここがポイント
差止訴訟の要件=重大な損害(補充性は2004年改正で緩和)。取消訴訟・執行停止での救済が困難な場合に活用される、という構造を理解。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成30年度(2018年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。