平成30年度 行政書士行政法難易度 やや難

平成30年度 行政書士試験 問21 土地収用・損失補償

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成30年度 行政書士試験 試験問題」問21(原文のまま・無改変)

道路用地の収用に係る損失補償に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解5選択肢 5 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    土地収用法68条は、土地を収用することによって生じる損失の補償は起業者がしなければならないと定めています。収用委員会が所属する都道府県が補償する旨の規定はなく、本肢は誤りです。

  • 2誤り

    都市計画決定による建築制限を受けている土地でも、補償額は近傍類地の取引価格等を考慮した相当な価格に物価変動率を乗じて算定し(土地収用法71条)、当該都市計画制限による減価は補償額に反映されないと解されています。同様の制限を受ける類地価格を基準にすると規定する本肢は誤りです。

  • 3誤り

    土地収用法88条が定める「その他通常受ける損失」には、建物移転に伴う営業上の休業損失等の通損補償が含まれます。営業上の損失は補償の対象にならないとする本肢は誤りです。

  • 4誤り

    土地収用法75条は、収用対象外の残地の盛土・切土等の費用に加え、必要となる通路・溝・垣・柵等の工作物の新築・改築・増築・修繕や盛土・切土に要する費用も補償の対象とすると定めています。工作物の新築費用を除外する本肢は誤りです。

  • 5正しい

    土地収用法133条2項・3項は、収用裁決のうち損失補償に関する訴えは、起業者と土地所有者等を当事者とする訴訟(形式的当事者訴訟)として提起すべきと定めています。本肢は正しいです。

解説

土地収用法の補償ルールの基本を横断的に問う問題です。正解の肢5は、補償額に対する不服は処分そのものを争う取消訴訟ではなく、起業者と被収用者を当事者とする形式的当事者訴訟で争う旨を定めた133条3項の知識を問うものです。誤りの肢のうち、補償の義務者は起業者である点(68条)、残地補償には工作物新築費用も含まれる点(75条)、通常受ける損失には営業損失も含まれる点(88条)は基本条文として押さえておきましょう。都市計画制限と補償額の関係は判例・実務上やや細かいですが、制限による減価を控除しないのが原則です。

ここがポイント

収用裁決の損失補償部分に対する不服は、起業者・被収用者を当事者とする形式的当事者訴訟で争う(土地収用法133条3項)。補償の義務者は起業者(68条)、残地補償には工作物新築費用も含む(75条)。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成30年度(2018年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。