平成30年度 行政書士試験 問24 地方自治法・都道府県の事務
地方自治法の定める都道府県の事務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
地方自治法14条1項は「法令に違反しない限りにおいて2条2項の事務に関し条例を制定することができる」とし、2条2項の事務には自治事務と法定受託事務の両方が含まれます。法定受託事務にも条例制定が可能で、本肢は誤りです。
- 2誤り
平成12年の地方分権一括法施行により機関委任事務は廃止され、都道府県の事務は自治事務と法定受託事務の2種類に整理されました。3分類とする本肢は誤りです。
- 3誤り
自治事務は「地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のもの」と消極的に定義されており(2条8項)、例示列挙はされていません。逆に法定受託事務は別表で具体的に列挙されています。
- 4誤り
国家賠償法3条1項により、公務員の選任監督者と費用負担者の双方が賠償責任を負います。法定受託事務であっても都道府県が事務処理主体である以上、賠償責任を負う場面はあり、本肢は誤りです。
- 5正しい
自治事務・法定受託事務のいずれも、監査委員による事務監査請求(地方自治法75条)・住民監査請求(242条)の対象となります(242条1項参照)。本肢は正しいです。
解説
地方分権一括法以降の事務区分の基本を問う問題です。機関委任事務が廃止され、自治事務と法定受託事務の2分類になったこと、法定受託事務であっても条例制定・監査請求等の対象になることは頻出論点です。法定受託事務に対する国の関与は強くなる(同意・許可・指示等が認められやすい)ものの、自治体の事務である以上、住民監査請求・住民訴訟の対象から外れるわけではない点に注意しましょう。
ここがポイント
事務区分は自治事務と法定受託事務の2種類(機関委任事務は廃止)。法定受託事務も条例制定権・監査請求・住民監査請求の対象となる。自治事務は消極定義、法定受託事務は別表で列挙。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成30年度(2018年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。