平成30年度 行政書士民法難易度 やや難

平成30年度 行政書士試験 問27 公序良俗・強行規定

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成30年度 行政書士試験 試験問題」問27(原文のまま・無改変)

公序良俗および強行規定等の違反に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1正しい

    判例(最判昭和39年1月23日)は、食品衛生法に違反することを知りながら有害物質を含む食品を製造販売する取引は、社会通念に照らして公序良俗に反し無効としており、本肢は妥当です。

  • 2正しい

    判例(最判昭和38年6月13日)は、弁護士法28条違反の債権譲受であっても、司法制度を利用して不当な利益を追求する目的等の特段の事情がない限り、私法上の効力は否定されないとしており、本肢は妥当です。

  • 3誤り

    判例(最判平成11年2月23日)は、組合員はやむを得ない事由があれば任意に脱退できるとする民法678条は強行規定であり、これを排除する約定は公序良俗に反し無効としています。「強行規定ではない」とする本肢は妥当でなく、これが正解です。

  • 4正しい

    判例(最判平成15年4月18日)は、契約締結時点における公序を基準として公序良俗違反を判断すべきであり、事後の公序の変化は考慮されないとしています。本肢は妥当です。

  • 5正しい

    判例(日産自動車事件・最判昭和56年3月24日)は、合理的理由なく男女で定年に差を設けることは性別による不合理な差別として公序良俗に反し無効としています。本肢は妥当です。

解説

公序良俗・強行規定に関する重要判例の知識を問う問題です。妥当でないものを選ぶ問題で、正解は肢3。組合員のやむを得ない事由による任意脱退権(民法678条)は強行規定であり、これを完全に排除する約定は公序良俗違反となります(最判平11・2・23)。他の肢はいずれも有名な公序良俗判例で、有害食品取引(昭39)、弁護士法28条違反(昭38)、公序良俗違反の判断基準時(平15)、男女別定年制(日産自動車事件・昭56)はそれぞれ押さえておきましょう。

ここがポイント

組合員のやむを得ない事由による任意脱退権(民法678条)は強行規定(最判平11・2・23)。公序良俗違反の判断基準時は契約成立時(最判平15)。男女別定年制は公序良俗違反(日産自動車事件・昭56)。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成30年度(2018年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。