平成30年度 行政書士試験 問35 後見
後見に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
民法838条1号は、未成年者に対して親権を行う者がないとき「または親権を行う者が管理権を有しないとき」に未成年後見が開始すると規定しており、「親権者がないときに限り」とする本肢は範囲が狭く誤りです。
- 2誤り
平成23年改正後の民法840条3項は、家庭裁判所が法人を未成年後見人に選任できる旨を明記しています。本肢は誤りです。
- 3誤り
民法7条は、精神上の障害により事理を弁識する能力を「欠く常況にある者」について後見開始の審判をすると規定。「著しく不十分」は保佐の対象(11条)であり、本肢は誤りです。
- 4誤り
判例(JR東海事件・最判平成28年3月1日)は、成年後見人が当然に民法714条の法定監督義務者になるわけではなく、生活状況・関与の度合い等から個別に判断するとしています。本肢は誤りです。
- 5正しい
民法850条は、後見人の配偶者・直系血族・兄弟姉妹は後見監督人となることができないと明記しています。本肢は妥当で、これが正解です。
解説
後見制度の基本論点を問う問題です。正解の肢5は民法850条の明文ルール。誤り肢のうち、後見開始の要件(7条は「能力を欠く常況」、保佐は「著しく不十分」、補助は「不十分」)、未成年後見人の法人選任(840条3項)、JR東海事件(最判平28・3・1)の成年後見人と法定監督者責任の関係はいずれも頻出論点として整理しておきましょう。
ここがポイント
後見人の配偶者・直系血族・兄弟姉妹は後見監督人になれない(民法850条)。後見開始は「能力を欠く常況」(7条)、保佐は「著しく不十分」(11条)。未成年後見人に法人も選任可能(840条3項)。成年後見人は当然には法定監督義務者ではない(JR東海事件・最判平28)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成30年度(2018年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。