平成30年度 行政書士試験 問40 剰余金の配当
剰余金の配当に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
会社法105条2項は、剰余金配当請求権と残余財産分配請求権の「双方」を全部与えないとする定款の定めは効力を有しないと規定しています。両方とも与えない定款を設けることはできず、本肢は誤りです。
- 2誤り
会社法には分配可能額の全額を配当する義務を定めた規定はなく、配当の額は株主総会等が決定します(454条)。本肢は誤りです。
- 3誤り
会社法462条1項は、分配可能額を超える違法配当を受けた株主は、善意悪意を問わず会社に対し交付額の返還義務を負うと規定しています(株主の悪意の場合は連帯責任、善意の場合でも返還義務はあり、ただし会社債権者からの直接請求の場面で差異あり)。本肢は誤りです。
- 4誤り
会社法453条は、株式会社が「その株主」に対して剰余金の配当をすることができると規定し、自己(株式会社自身)への配当は許されません。本肢は誤りです。
- 5正しい
会社法454条1項1号・4項柱書は、配当財産として金銭以外の財産を交付できる旨を定めていますが、当該株式会社の株式・社債・新株予約権は配当財産とすることができない旨を454条1項柱書の括弧書きで明記しています。本肢は正しいです。
解説
剰余金配当に関する条文知識を問う問題です。正解の肢5は、会社法454条1項柱書で、配当財産から当該株式会社の株式・社債・新株予約権を除く旨が定められていることを問うものです(株式会社自身が発行する有価証券を配当財産とすることはできない)。誤り肢のうち、配当請求権と残余財産分配権の双方を奪う定款は無効(105条2項)、自己の株式会社への配当は不可(453条)、違法配当に対する株主の返還義務は善意悪意問わず発生(462条)はいずれも頻出論点です。
ここがポイント
配当財産として当該株式会社の株式・社債・新株予約権は交付不可(会社法454条1項括弧書)。剰余金配当請求権と残余財産分配請求権の双方を奪う定款は無効(105条2項)。違法配当の株主返還義務は善意でも発生(462条1項)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成30年度(2018年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。