平成30年度 行政書士憲法難易度 標準多肢選択式

平成30年度 行政書士試験 問41 公務員の政治的行為(堀越事件)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成30年度 行政書士試験 試験問題」問41(原文のまま・無改変)

次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]に入る語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

〔国家公務員法〕102条1項は、公務員の職務の遂行の政治的[ ア ]性を保持することによって行政の[ ア ]的運営を確保し、これに対する国民の信頼を維持することを目的とするものと解される。 同項にいう『政治的行為』とは、公務員の職務の遂行の政治的[ ア ]性を損なうおそれが、観念的なものにとどまらず、現実的に起こり得るものとして[ イ ]的に認められるものを指す。 本件配布行為は、[ ウ ]的地位になく、その職務の内容や権限に[ エ ]の余地のない公務員によって、職務と全く無関係に行われたものであり、公務員の職務の遂行の政治的[ ア ]性を損なうおそれが[ イ ]的に認められるものとはいえない。

語群

  1. 1. 従属
  2. 2. 平等
  3. 3. 合法
  4. 4. 穏健
  5. 5. 裁量
  6. 6. 実質
  7. 7. 潜在
  8. 8. 顕在
  9. 9. 抽象
  10. 10. 一般
  11. 11. 権力
  12. 12. 現業
  13. 13. 経営者
  14. 14. 指導者
  15. 15. 管理職
  16. 16. 違法
  17. 17. 濫用
  18. 18. 逸脱
  19. 19. 中立
  20. 20. 強制

空欄の正解

  • 19. 中立

    国家公務員法102条1項が保持しようとするのは、公務員の職務遂行の政治的「中立」性であり、行政の中立的運営の確保が目的とされます。

  • 6. 実質

    判旨は、抽象的・観念的なおそれでは足りず、現実に起こり得るものとして「実質」的に認められる行為だけを禁止対象とする限定解釈を採用しました。

  • 15. 管理職

    被告人は局の総務課に勤務する一般職員で「管理職」的地位にはなく、裁量権限を伴わない立場であった点が無罪の理由として強調されました。

  • 5. 裁量

    職務の内容や権限に「裁量」の余地のない一般職員であれば、政党ビラの配布が職務の中立性を損なう実質的なおそれを生じさせないとされました。

解説

正解はア=19(中立)、イ=6(実質)、ウ=15(管理職)、エ=5(裁量)です。本問は、社会保険庁職員が休日に私服で政党機関紙を配布した行為が国家公務員法102条1項・人事院規則14-7の罰則対象になるかが争われた堀越事件(最判平成24年12月7日)の判旨からの抜粋です。最高裁は、同条項の目的は公務員の職務遂行の政治的中立性とそれに対する国民の信頼の維持にあり、禁止される「政治的行為」は中立性を損なうおそれが観念的にとどまらず実質的に認められる行為に限られると限定解釈しました。そのうえで、管理職的地位になく職務に裁量の余地のない一般職員が職務と無関係に行った行為については、実質的おそれは認められず構成要件に該当しないとしたものです。罰則の合憲限定解釈により、公務員の政治活動の自由と職務の中立性との調和を図った重要判例の論理構造を読み取る問題です。

ここがポイント

堀越事件(最判平24・12・7)。国公法102条1項の「政治的行為」は職務の政治的中立性を実質的に損なうおそれのある行為に限定解釈され、管理職的地位になく裁量権限を持たない一般職員の職務と無関係な行為は処罰対象とならない。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成30年度(2018年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。