平成30年度 行政書士試験 問42 行政事件訴訟法10条・取消理由の制限
次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]に入る語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。
行政事件訴訟法10条は、二つの『取消しの理由の制限』を定めている。第一に、『取消訴訟においては、[ ア ]に関係のない違法を理由として取消しを求めることができない』(10条1項)。これは、訴えが仮に適法なものであったとしても、[ ア ]に関係のない違法を理由に取消しを求めることはできない(そのような違法事由しか主張していない訴えについては[ イ ]が下されることになる)ことを規定するものと解されている。 第二に、『処分の取消しの訴えとその処分についての[ ウ ]の取消しの訴えとを提起することができる場合には』、[ ウ ]の取消しの訴えにおいては『[ エ ]を理由として取消しを求めることができない』(10条2項)。
語群
- 1. 審査請求を棄却した裁決
- 2. 処分を差止める判決
- 3. 訴えを却下する判決
- 4. 処分の無効
- 5. 処分取消裁決
- 6. 処分の違法
- 7. 法律上保護された利益
- 8. 裁決の違法
- 9. 不作為の違法
- 10. 裁決の無効
- 11. 自己の法律上の利益
- 12. 審査請求を認容した裁決
- 13. 処分により保護される利益
- 14. 請求を認容する判決
- 15. 処分を義務付ける判決
- 16. 請求を棄却する判決
- 17. 処分取消判決
- 18. 法律上保護に値する利益
- 19. 事情判決
- 20. 裁判上保護されるべき利益
空欄の正解
- ア11. 自己の法律上の利益
行政事件訴訟法10条1項の条文は「自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消しを求めることができない」と定めており、ここでも条文どおりの文言が入ります。
- イ16. 請求を棄却する判決
原告適格は備えていても主張する違法事由が自己の利益に無関係であれば、本案で理由がないとして「請求を棄却する判決」が下されます。
- ウ1. 審査請求を棄却した裁決
10条2項は処分と裁決の取消しがいずれもできる場合の関係を規定するもので、対象となる裁決は審査請求を棄却した「審査請求を棄却した裁決」(原裁決)です。
- エ6. 処分の違法
原処分主義を採用する10条2項により、裁決取消訴訟では裁決固有の瑕疵のみが主張でき、原処分の違法すなわち「処分の違法」を理由とすることはできません。
解説
正解はア=11(自己の法律上の利益)、イ=16(請求を棄却する判決)、ウ=1(審査請求を棄却した裁決)、エ=6(処分の違法)です。行政事件訴訟法10条1項は、取消訴訟の本案審理を「自己の法律上の利益に関係のない違法」を理由とする取消主張に開放しないとし、主張制限の規定として原告適格とは別に機能します。違法事由が自己の利益に関係しなければ原告適格があっても本案で請求棄却となります。同条2項は、処分と裁決のいずれにも取消訴訟を提起できる場合に、裁決取消訴訟では原処分の違法を理由とすることができず裁決固有の瑕疵のみを主張できるとする「原処分主義」を定めた規定です。本問は、10条が取消理由の制限を二つの局面で課している基本構造を条文に即して確認する問題です。
ここがポイント
行訴法10条1項=主張制限(自己の法律上の利益に関係ない違法では取消請求は理由がなく棄却)。10条2項=原処分主義(裁決取消訴訟では原処分の違法を主張できず、裁決固有の瑕疵に限られる)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成30年度(2018年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。