平成30年度 行政書士憲法難易度 標準

平成30年度 行政書士試験 問5 生存権

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成30年度 行政書士試験 試験問題」問5(原文のまま・無改変)

生存権に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

正解2選択肢 2 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    朝日訴訟・堀木訴訟等の判例は『健康で文化的な最低限度の生活』が抽象的・相対的概念であり何が最低限度かの判断には立法府・行政府の広い裁量が認められるとしており、『最低限度の生活』が明確に確定できるという本肢の前提は判例と異なります。

  • 2正しい

    朝日訴訟最判(最大判昭和42年5月24日)・堀木訴訟最判(最大判昭和57年7月7日)は、行政府が現実の生活条件を無視して著しく低い基準を設定するなど裁量権の限界を越え、または裁量権を濫用した場合には司法審査の対象となると判示しています。本肢はこの判例の立場と一致します。

  • 3誤り

    堀木訴訟最判は、憲法25条1項・2項とも国の責務を宣言したものであり、個々の国民に対する具体的義務を定めたものではないとしており、本肢は判例と異なります。

  • 4誤り

    判例は生存権について広範な立法・行政裁量を認める立場であり、通常の自由権の制約と同様の厳格審査を行うとはしていません。

  • 5誤り

    判例は生活保護法上の保護請求権は法律によって具体化されて初めて発生するとしており、憲法25条1項を根拠に裁判所に対する直接的な金銭給付請求が許される余地は認められていません。

解説

本問は生存権(憲法25条)に関する判例の立場を問うものです。朝日訴訟・堀木訴訟という二大判例は、『健康で文化的な最低限度の生活』の具体化には立法府・行政府の広範な裁量が認められるとしつつ、現実の生活条件を無視した著しく低い基準の設定など裁量権の逸脱・濫用に当たる場合には司法審査の対象となるとしました。肢2はこの判例法理を正確に述べており、これが正解です。他の肢は判例と矛盾します。

ここがポイント

朝日訴訟・堀木訴訟=プログラム規定説に近い立場だが、裁量権の逸脱・濫用があれば違法となる、という二段構えを押さえます。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成30年度(2018年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。