平成30年度 行政書士基礎知識難易度 難

平成30年度 行政書士試験 問52 地方自治体の住民等

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成30年度 行政書士試験 試験問題」問52(原文のまま・無改変)

地方自治体の住民等に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。 ア.市町村内に家屋敷を有する個人であっても、当該市町村内に住所を有しない場合には、当該市町村の住民税が課されないものとされている。 イ.日本国籍を有しない外国人は、当該市町村の区域内に住所を有し、かつ、一定の要件に該当するときには、住民基本台帳制度の適用対象になる。 ウ.自宅から離れた他市の特別養護老人ホームに入居した者であっても、自宅のある市町村に住民登録を残し、住所地特例制度により当該市町村の介護保険を利用することができる。 エ.市の管理する都市公園の中で起居しているホームレスについては、当然に、当該都市公園が住民登録上の住所地となる。 オ.市町村内に住所を有する個人だけでなく、当該市町村内に事務所または事業所を有する法人も、住民税を納税する義務を負う。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    ア(家屋敷を有しても住所がなければ住民税課税なし)は誤りで、いわゆる家屋敷課税により住所がなくても家屋敷を有する個人には均等割が課されます(地方税法24条1項2号)。

  • 2誤り

    アは誤りでオは正しいですが、組合せとしてアを含むため不正解です。

  • 3誤り

    エ(ホームレスが当然に公園を住所地とする)は判例(最判平成20年10月3日:大阪都市公園テント住民登録事件)で否定されており妥当ではありません。

  • 4正しい

    イ(外国人も住民基本台帳法30条の45等により住基台帳の対象)とオ(市町村内に事務所・事業所を有する法人も法人住民税の納税義務を負う、地方税法24条等)はいずれも妥当な記述です。よってイ・オの組合せが正解となります。

  • 5誤り

    ウ(住所地特例で自宅の市町村の介護保険を利用)の説明は不正確で、住所地特例は施設所在地に住所を移しても従前の保険者が引き続き保険者となる制度であり、住民登録自体を残すことを要件としません。エもホームレスの住所認定に関する判例から妥当でなく、組合せとして不正解です。

解説

地方自治体の住民・住民税・住民基本台帳の知識を問う複合問題です。アは地方税法24条1項2号の家屋敷課税により誤り(住所がなくても家屋敷を有すれば均等割が課税)、エはホームレスの住所地に関する最判平成20年10月3日が「公園を住所とする社会通念上の客観的居住実態とは認められない」として住民登録を否定しており妥当ではありません。ウの住所地特例は介護保険の保険者を施設入所後も従前市町村に残す制度ですが、本肢の説明は不正確です。妥当なのはイ(住民基本台帳法30条の45等により外国人住民も住基台帳の対象)とオ(地方税法24条等により事務所・事業所を有する法人にも住民税納税義務)です。よってイ・オの組合せで肢4が正解です。

ここがポイント

(1)家屋敷課税:住所がなくても課税あり、(2)外国人住民も住基台帳対象(2012年〜)、(3)法人住民税は事務所・事業所所在地で課税、(4)ホームレスの公園住民登録は判例で否定、(5)介護保険の住所地特例は施設所在地でも従前市町村が保険者。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成30年度(2018年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。