令和元年度 宅建権利関係難易度 標準

令和元年度 宅建試験 問4 不法行為

問題(引用)出典: 一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和元年度 宅地建物取引士資格試験 試験問題」問4(原文のまま・無改変)

不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    火災保険金は保険料の対価として支払われるものであり、加害者の不法行為とは別個の原因に基づくため、損益相殺として損害賠償額から控除されません(判例)。控除しなければならないとする本肢は誤りです。

  • 2誤り

    被害者が同一の原因によって損害と同質性のある利益を受けた場合は、損益相殺として賠償額から控除されます(判例)。控除されることはないとする本肢は誤りです。

  • 3誤り

    第三者が債務者を教唆して債務の履行を不能にさせる行為は、債権という権利の侵害であり、第三者による債権侵害として不法行為責任を負うことがあります。責任を負うことはないとする本肢は誤りです。

  • 4正しい

    名誉を違法に侵害された者は、損害賠償や名誉回復処分(民法723条)に加え、人格権としての名誉権に基づき侵害行為の差止めを求めることができます(最大判昭61.6.11・北方ジャーナル事件)。本肢が正しい記述で、これが本問の正解です。

解説

正解は肢4です。判例(北方ジャーナル事件)は、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対して現に行われている侵害行為を排除し、又は将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差止めを求めることができるとしています。肢1の火災保険金は不法行為とは別原因なので損益相殺の対象外、肢2は損害と同質の利益は控除される、肢3は第三者の債権侵害も不法行為になり得るという点でいずれも誤りです。

ここがポイント

名誉権は人格権として差止請求の根拠になる(北方ジャーナル事件)。火災保険金は別原因なので損益相殺されない。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する令和元年度(2019年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。