令和元年度 宅建試験 問8 請負
Aを注文者、Bを請負人とする請負契約(以下「本件契約」という。)が締結された場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
建物に重大な契約不適合があり建て替えざるを得ない場合、注文者は建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求できます(最判平14.9.24)。本肢は判例に沿った正しい記述です。
- 2誤り
請負人の契約不適合責任については、注文者が不適合を知った時から1年以内の通知が原則であり(民法637条)、債権の消滅時効も権利行使可能時から10年・知った時から5年です(166条)。担保責任の存続期間を一律20年と定めることはできず、本肢は誤りで、これが本問の正解です。
- 3正しい
注文者Aの失火(帰責事由)により仕事の完成が不能になったときは、Bは仕事完成債務を免れます(民法536条2項の趣旨)。Bは未履行部分の債務を免れ、本肢は正しい記述です。
- 4正しい
請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約を解除することができます(民法641条)。本肢は条文どおりで正しい記述です。
解説
正解は肢2です。請負人の契約不適合責任は、注文者が不適合を知った時から1年以内に通知すべきものとされ(民法637条)、損害賠償請求権等も消滅時効(166条)に服します。コンクリート造建物だからといって担保責任の存続期間を一律20年と定めることはできず、この点が誤りです。肢1は建替費用相当額の賠償を認めた判例、肢3は注文者の帰責による履行不能で請負人が債務を免れる点、肢4は注文者の任意解除権(641条)で、いずれも正しい記述です。
ここがポイント
請負の契約不適合責任の通知期間は『知った時から1年』(637条)。注文者は仕事完成前ならいつでも損害賠償して解除できる(641条)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する令和元年度(2019年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。