令和3年度 宅建権利関係難易度 標準

令和3年度 宅建試験 問12 借地借家法(借家)

問題(引用)出典: 一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和3年度 宅地建物取引士資格試験 試験問題」問12(原文のまま・無改変)

Aを賃貸人、Bを賃借人とする甲建物の賃貸借契約が令和8年7月1日に締結された場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。

正解2選択肢 2 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    期間の定めのない建物賃貸借で賃貸人Aから解約申入れをする場合、終了までの期間は3月ではなく6月であり、しかも正当事由が必要です(借地借家法27条1項・28条)。3月で終了するとする本肢は誤りです。

  • 2正しい

    賃貸人たる地位が移転する場合、敷金返還債務は新所有者Cに承継されます。承継されるのは、それまでの未払賃料等を控除した『残額』についての敷金関係であり(判例・民法605条の2第4項参照)、本肢は正しい記述です。

  • 3誤り

    適法な転貸借において、原賃貸借が期間満了で終了する旨を転借人Dに通知したときは、その通知の日から『6月』を経過することによって転貸借が終了します(借地借家法34条2項)。3月とする本肢は誤りです。

  • 4誤り

    定期建物賃貸借(借地借家法38条)は更新がない契約であり、終了通知を欠いても契約が『更新』されることはありません。通知をしないと期間満了による終了を賃借人に対抗できなくなるだけで、同一条件で更新されたとみなされるわけではないため、本肢は誤りです。

解説

正解は肢2です。賃貸借契約期間中に賃貸物の所有権が移転して賃貸人たる地位が承継される場合、敷金に関する権利義務も新所有者に承継されますが、承継されるのは旧賃貸人に対する未払賃料等を控除した後の残額についての敷金関係です(民法605条の2第4項・判例)。肢1は賃貸人からの解約申入れが6月の経過と正当事由を要する点、肢3は適法な転貸借の終了通知が通知から6月で効力を生じる点(借地借家法34条2項)、肢4は定期建物賃貸借はそもそも更新されない契約である点で、いずれも誤りです。

ここがポイント

賃貸人からの解約申入れ=6月+正当事由、転貸借の終了通知=6月。定期建物賃貸借は終了通知を欠いても『更新』はされず、期間満了による終了を対抗できなくなるだけ。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する令和3年度(2021年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。(10月実施分)

解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。