令和7年度 宅建試験 問11 借地借家法(借地)
AがBとの間で、A所有の甲土地につき建物の所有を目的として一時使用目的ではない賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
借地借家法10条1項の借地権の対抗力は、借地上の建物が借地権者「自己名義」で登記されている場合に認められます。配偶者Cなど他人名義の登記では対抗力は生じず、判例(最大判昭41.4.27)も自己名義の登記を要求しているため、BはDに賃借権を対抗できません。
- 2誤り
地代の減額請求(借地借家法11条1項)を一切しない旨の特約は借地権者に不利なため無効です。一定期間増額しない特約は有効ですが、減額しない特約は、たとえ一般定期借地権(同22条)の場合でも認められません。よって誤りです。
- 3正しい
専ら事業用とは限らず、存続期間50年以上で更新・建物築造による期間延長・建物買取請求をしない旨を定めるのは一般定期借地権(借地借家法22条)です。これは書面(公正証書に限らない)で有効に定めることができ、本肢は正しい記述です。
- 4誤り
存続期間を20年と定めても、借地権の最短存続期間は30年(借地借家法3条)であり、30年未満の定めは無効で期間は30年となります。よって20年経過時点で更新拒絶することはできず、誤りです。事業用定期借地権(同23条)も居住用には使えません。
解説
正解は3です。借地借家法22条の一般定期借地権は、存続期間を50年以上とし、書面によって、契約の更新がない・建物の築造による存続期間の延長がない・建物買取請求をしない、という3点をまとめて特約として定めることができます。本肢はこの要件を満たすため正しい記述です。1は他人名義建物では対抗力なし、2は地代減額請求の排除特約は無効、4は最短存続期間30年に反するため誤りです。
ここがポイント
借地の3つの定期借地権(一般22条・事業用23条・建物譲渡特約付24条)の使い分けと、最短存続期間30年の原則を整理しておきましょう。借地上建物の対抗力は「自己名義」の登記が必須です。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表する令和7年度(2025年度)宅地建物取引士資格試験の試験問題からの引用です。正解番号はRETIO公表の正解番号表に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-06)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。