「第二種電気工事士は200時間」。勉強時間を調べると、よくこの数字に行き当たります。ところが学習サイトを1つずつ読むと、学科と技能を合わせた目安は50時間から210時間まで割れています(対象範囲が明記されていない「約20時間」という記述もあります)。しかも、その数字をどう出したのか、調査の人数や方法まで示しているサイトは見当たりませんでした。
もう1つ、この資格には他の資格と違う事情があります。紙やパソコンで答える学科試験と、工具を持ち込んで実際に配線を作る技能試験の2段階で、2つは「時間」の性質がまったく違います。学科は知識を積む時間ですが、技能は「何回作ったか」で見積もると計画を立てやすく、練習するほど材料費がかかります。この記事では、各サイトの目安を想定する受験者の条件でそろえ直し、試験を実施する電気技術者試験センター(以下、センター)の公式統計と、練習回数の実測データを重ねて、自分に必要な時間と費用を見積もれるようにします。
この記事の要点
- 学習サイトが学科と技能を合わせて示す勉強時間は50〜210時間と割れている(SATの「約20時間」は対象範囲が明記されていない)。想定する受験者でそろえると、知識ゼロからの独学で100〜200時間、未経験者・初学者の目安で140〜210時間、電気関係の学校を卒業した人で100時間前後
- センターは合格に必要な学習時間を公表していない。総勉強時間について、調査の人数や方法まで示した学習サイトは見当たらない
- 学科は、ホーザンの受験者アンケート(224人)で勉強期間が1か月未満の人が30.8%、1日の勉強時間は平日が約1時間以下の人が73.9%、休日が約2時間以下の人が72.1%(いずれも当サイト算出)。回答者が合格したかは示されていない
- 技能試験は時間より回数で考える。工具メーカーの受験者アンケート(139人)では、候補問題13問を2〜3回ずつ練習した人が63.3%(当サイト算出)。練習材料はメーカー製で13問1回分が税込42,900円
- 令和7年度の合格率は学科56.6%、技能71.8%(上期・下期の合計から当サイト算出)。技能は作品に欠陥が1つでもあれば不合格
- 学科から申し込んだ人のうち、職業などを答えた人の70.9%は就業者(当サイト算出。申込者全体に占める割合は35.1%)。そのうち勤務先が電気工事会社の人は17.1%で、8割超は電気工事会社以外に勤めている(約半数は職業などを答えていない)
- 令和9年度(2027年度)から、学科試験は原則としてパソコンで受けるCBT方式だけになる
結論:条件をそろえると、目安は200時間前後と100時間前後に分かれる
各学習サイトが書いている「想定する受験者」の条件で並べ直すと、次のようになります。時間は、学科と技能の合計として示されているものです(キャリカレは学科と技能を分けて示しているので足し合わせました。SATの独学・通信講座の目安は、学科と技能のどちらの時間か記事に明記されていません)。
| 想定する受験者 | 目安 | そう示している学習サイト |
|---|---|---|
| 電気の知識がない人が独学する | 100〜200時間 | アガルート(知識がまったくない人の独学で100〜200時間)、CIC日本建設情報センター(初学者・自信のない人で200時間前後。独学の解説記事) |
| 未経験者・初学者(学習方法を限定しない) | 140〜210時間 | ユーキャン(学科と技能で200時間が目安)、キャリカレ(未経験者で学科100〜150時間+技能40〜60時間) |
| 独学で短期合格を狙う(経験の前提は書かれていない) | 50〜80時間 | 電工ナビコネクト(学科30〜50時間+技能20〜30時間。独学者向けの記事で、未経験からでも合格を目指せる資格と紹介している) |
| 学習方法で分けて示す(初心者・未経験者向けの記事。学科と技能のどちらの時間かは書かれていない) | 独学で約50時間、通信講座で約20時間 | SAT(2026年6月18日公開の解説記事。「電気工事関係の仕事に従事したい初心者の方」に向けた記事で、「独学では50時間程度」「通信講座なら約20時間」と書いている) |
| 電気の基礎がある人 | 100時間前後 | CIC日本建設情報センター(電気関係の学校を卒業している人)。キャリカレは基礎がある場合の学科を50〜80時間とする |
| 自社教材を使う場合(知識ゼロから) | 最短20日間 | SAT(記事の題名は「最短20時間」だが、本文は自社教材で最短20日間と日数で示している) |
この表から言えることは3つです。
- 電気を学んだことがない人なら、合計200時間前後を見込んでおくのが無難です。表の中では、独学の目安の上限が200時間で、未経験者・初学者の目安も140〜210時間です。
- 電気の学校を出ている人や、仕事で配線に触れている人は、100時間前後まで短くできる可能性があります。
- 50〜80時間(電工ナビコネクト)は経験の前提が書かれていません。独学で約50時間・通信講座で約20時間(SAT)は初心者・未経験者向けの記事に書かれていますが、学科と技能のどちらの時間か明記されておらず、どちらも調査の人数や方法は示されていません。初学者がこれらの数字だけで計画を立てると、途中で時間が足りなくなるおそれがあります。
ただし、どの数字も各社の経験や自社の見立てから示されたもので、何人を調べたのかは公開されていません。センターも、合格に必要な学習時間は公表していません。「勉強時間の目安」そのものがどこまで当てになるのかは、学習科学の研究をもとに勉強時間の目安は本当かで検証しています。
それでも数字がずれる理由
条件をそろえても残るずれには、2つの理由が考えられます。
1つめは、技能試験の練習をどこまで時間に含めているかです。キャリカレは技能に40〜60時間、電工ナビコネクトは20〜30時間を見込んでいて、技能だけで下限も上限も約2倍の開きがあります。技能の練習時間は、候補問題を何周するか、1作品に何分かかるかで大きく変わります。総時間しか示していないサイトでは、この内訳が分かりません。
2つめは、受験者の幅の広さです。後で見るとおり、この試験には高校生から定年後の再就職に備える人までが申し込み、勤務先も電気工事会社から食品会社まで分散しています。電気の知識がまったくない人と、仕事で毎日配線に触れている人とでは、必要な時間が違って当然です。ユーキャン、キャリカレ、CIC日本建設情報センターは基礎知識があれば短くなると書いていますが、どの程度短くなるかを実際に比べたデータは示されていません。
受験者アンケートの実測:学科は勉強期間と1日の時間、技能は練習回数
総勉強時間そのものを大人数に聞いた公開データは、確認できた範囲ではありませんでした。代わりに、工具メーカーのホーザンが過去の受験者に聞いたアンケートが2つあります。1つは学科の勉強期間と1日の勉強時間、もう1つは技能の練習回数です。どちらも回答者は任意で集まった人で、受験者全体を代表するとは限りません。
学科:勉強期間と1日の勉強時間
ホーザンの「電工試験の虎」が2024年上期の学科試験について過去の受験者に聞いたアンケートです。勉強期間への回答は224人、1日の勉強時間は226人でした(グラフの人数の合計から当サイトが算出。回答の集め方と、回答者が合格したかどうかは示されていません)。勉強期間と、期間ごとの平均点・最高点は次のとおりです(割合は当サイト算出)。
| 学科の勉強期間 | 人数 | 割合 | 平均点 | 最高点 |
|---|---|---|---|---|
| 1か月未満 | 69人 | 30.8% | 75点 | 94点 |
| 1か月以上2か月未満 | 69人 | 30.8% | 81点 | 98点 |
| 2か月以上3か月未満 | 45人 | 20.1% | 87点 | 98点 |
| 3か月以上 | 41人 | 18.3% | 82点 | 94点 |
合格基準は60点以上です。勉強期間が1か月未満の人の平均点も75点でしたが、平均点は回答者の点数の平均で、期間が短い人が電気の予備知識を持っていたかどうかは分かりません。期間が長いほど平均点が単調に上がるわけでもなく(3か月以上は82点)、期間だけで点数が決まるとは言えません。ホーザンは、試験日の1か月前後から勉強を始める人が多い傾向があり、筆記方式とCBT方式で勉強期間に明確な差はなかったと説明しています。
1日の勉強時間は、平日が約1時間(88人、38.9%)で最も多く、約30分が57人、約15分が22人で、約1時間以下の人は167人(73.9%)でした。休日は約2時間が58人(25.7%)、約1時間が57人(25.2%)とほぼ並び、約3時間が35人、約4時間が28人で、約2時間以下の人が163人(72.1%)でした(いずれも当サイト算出)。このアンケートは総勉強時間を聞いたものではありませんが、回答者の約7割は、平日は約1時間以下、休日は約2時間以下の時間で学科に取り組んでいました。ホーザンは、仕事や学校がある中で短い時間に集中して取り組んでいるとみています。
技能:練習回数
技能試験の練習回数は、ホーザンが自社のLINE公式アカウントとYouTubeチャンネルで過去の受験者に聞いたアンケートがあります(回答者139人。実施時期と、回答者が合格したかどうかは示されていません)。
技能試験の候補問題13問を何回練習したか(過去の受験者139人)
5.8%
18.7%
30.9%
32.4%
8.6%
3.6%
候補問題13問を何回練習したかを聞いたところ、最も多いのは3回(45人)、次いで2回(43人)で、2〜3回の人が63.3%を占めました(グラフから読み取った人数をもとに当サイトが算出)。1回だけの人も18.7%、13問を一通りは練習していない(0回)人も5.8%います。ホーザンによると、問題ごとの平均練習回数は2.3〜2.4回で、問題による偏りはほとんどありませんでした。
技能試験の仕組みも確認しておきます。センターは毎年1月ごろ、その年度に出題する候補問題13問(令和8年度はNo.1〜No.13)を公表します。本番ではこの中の1問が出題され、支給された材料と持参した工具で、配線図どおりの作品を40分以内に完成させます。合格基準は「作品に欠陥がないこと」です。電線の被覆のむき過ぎや接続の誤りなど、センターが公表している「欠陥の判断基準」に1つでも当たれば不合格になります。
ここから、技能の練習時間を当サイトで試算してみます。TACは、最初は1作品に1時間程度かかり、13問を作り終えるころには30分以内で完成できるようになると説明しています。JTEXは13問を3周し、2周目と3周目は30〜35分で完成させるのを目安にしています。これに合わせて、1周目を1作品1時間、2〜3周目を30〜35分とすると、3周で約26〜28時間です。ここに、電線を切る・むく・つなぐといった基本作業の練習と、配線図を実際の結線に書き直す複線図の練習が加わります。キャリカレの「技能40〜60時間」は、この試算とおおむね整合します。
練習回数がそのまま費用になる:工具と材料の値段
技能試験には、ペンチ、ドライバー、電工ナイフ、スケールなどの指定工具を自分で持参します。本番の材料は会場で支給されますが、練習用の材料は自分で用意しなければなりません。ホーザンの自社製品の価格(2026年10月1日確認、税込)は次のとおりです。
| 品目 | 価格 |
|---|---|
| 工具セット(DK-28) | 22,220円 |
| 練習用材料 13問1回分(DK-51) | 42,900円 |
| 練習用材料 13問2回分(DK-52) | 63,140円 |
| 練習用材料 13問3回分(DK-53) | 82,390円 |
受験手数料11,100円(インターネット申込み)と工具セットに、練習材料を1回分から3回分まで足すと、約7.6万〜11.6万円になります(当サイト算出)。器具は使い回せる前提のセットで、メーカーや販売店によってはもっと安いセットもあります。工具を人から譲ってもらう、材料をばらで買うといった方法でも費用は下げられます。
学科の勉強はテキスト1〜2冊でも始められますが、技能は練習の回数がそのまま出費になります。費用を抑えたい人ほど、1回目の練習で複線図と基本作業を確実に身につけ、2回目以降は時間内に仕上げる練習に絞る、という順番が効きます。
合格者・受験者の実像
合格率は学科がおよそ6割、技能がおよそ7割
センターの推移表によると、令和7年度(上期・下期の合計)は、学科試験の受験者139,087人のうち78,711人が合格し、技能試験は受験者99,610人のうち71,471人が合格しました。合格率は学科56.6%、技能71.8%です(当サイト算出)。直近の令和8年度上期は、学科62.2%(受験者78,290人)、技能73.4%(受験者58,393人)でした。
第二種電気工事士試験 学科・技能の合格率の推移(2016〜2025年度)
- 学科試験の合格率(%)
- 技能試験の合格率(%)
過去10年(2016〜2025年度)でみると、学科の合格率は55〜66%、技能は65〜73%の範囲で推移しています。学科と技能の合格率を単純に掛け合わせると、令和7年度は約41%です(当サイト試算)。ただし技能の受験者には、学科が免除された人や、前回の学科合格を持ち越した人も含まれるので、この値は「学科から受けた人が両方に受かる割合」の目安にとどまります。
職業などを答えた申込者の7割は就業者、ただし電気工事会社勤めは2割弱
センターは毎年、受験を申し込む人に任意のアンケートをお願いし、その結果を「電気技術者試験受験者実態調査」として公表しています。令和7年度に学科試験から申し込んだ156,549人のうち、50.4%は職業などを答えていません。答えた77,602人に限ると、内訳は次のとおりです(割合は当サイト算出)。
| 申込者の属性 | 人数 | 回答者に占める割合 |
|---|---|---|
| 就業者 | 54,983人 | 70.9% |
| 学生 | 13,762人 | 17.7% |
| その他(無職等) | 8,857人 | 11.4% |
学科から申し込んだ156,549人全体に占める就業者は35.1%です(54,983人÷156,549人、当サイト算出)。学生のうち10,732人は高校生です。就業者の勤務先は、電気工事会社が17.1%で最も多く、ビル管理・メンテナンス・商業施設保守会社10.3%、建設会社10.0%、電気通信工事会社5.2%、電気機器製造会社5.1%が続きます。「その他の勤務先」も37.3%あり、電気工事会社以外に勤める人が8割を超えます。就業者の受験動機は「資格が必要な職務に就いているため」が46.3%で最も多く、「昇進または給料・収入を上げるため」が13.3%、「定年後の再就職に備えるため」が7.8%でした。
学科試験から申し込んだ156,549人(新規申込者)の年代は、同じ調査の参考資料「母集団の年代別構成」の新規申込者の図から当サイトが読み取った概数で、10代が約18%、20代が約25%、30代が約22%、40代が約17%、50代が約13%、60代以上が約5%です(令和7年4月1日時点の満年齢)。
この調査に実務経験を尋ねる項目はなく、申込者の約半数は職業などを答えていません。ただ、答えた就業者の8割超は電気工事会社以外に勤めています。ビル管理(10.3%)、建設(10.0%)、電気通信工事(5.2%)のように電気に近い業種もありますが、受験者の電気との距離はさまざまです。勉強時間の目安を自分に当てはめるときは、どの条件の目安が自分に近いかを先に確かめてください。
短期合格の体験談をどう読むか
「1か月で受かった」「数十時間で受かった」という体験談もよく見かけます。自分に当てはめる前に知っておきたいのが、学科試験の免除制度です。高校や大学などで経済産業省令の定める電気工学の課程を修めて卒業した人や、電気主任技術者の免状を持つ人は、申請により学科試験が免除され、技能試験から受けられます。前回か前々回の学科試験に合格した人も免除されます。令和7年度は、受験申込者185,056人のうち28,507人(15.4%、当サイト算出)が学科免除者でした。
短期合格の体験談に学科免除の人が含まれているか、どのくらい含まれているかを示す資料は確認できませんでした。体験談を読むときは、書いた人が電気の学校の卒業者か、仕事で配線に触れていたかなど、受験者の前提条件が書かれているかを確かめてください。電気の知識がない人が、前提の分からない時間をそのまま自分に当てはめるのは危険です。
合格ラインの仕組み:学科は60点、技能は欠陥ゼロ
学科試験は四肢択一式の50問で、試験時間は120分です。一般問題が30問程度、配線図の問題が20問程度出題されます。令和8年度上期の問題では、どちらも1問2点で、100点満点です。合格基準は、受験案内で「60点」とされており、令和7年度上期から令和8年度上期までの3回の結果発表も、いずれも「60点以上」でした。つまり50問中30問の正解が目安です。受験者の上位何割を合格にする相対評価ではなく、あらかじめ示された点数を取れば受かる試験なので、他の受験者の出来に左右されにくい仕組みです。
技能試験は、前に触れたとおり40分で1作品を完成させ、欠陥が1つもなければ合格です。点数で多少のミスを取り返すことができないので、学科とは逆に「確実さ」が問われます。
いつから始める? 1日の時間と必要な週数
第二種電気工事士試験は、上期と下期の年2回あります。2026年度(令和8年度)の日程は次のとおりです。2026年10月1日時点で、上期は実施済みです。下期は学科のCBT方式が実施期間中で、筆記方式と技能試験はこれからです。
| 期 | 学科(CBT方式) | 学科(筆記方式) | 技能 |
|---|---|---|---|
| 上期 | 4月23日〜6月7日 | 5月24日 | 7月18日または19日 |
| 下期 | 9月24日〜11月8日 | 10月25日 | 12月12日または13日 |
2026年度の申込受付期間は、上期が3月16日〜4月6日、下期が8月17日〜9月3日で、どちらも受付は終了しています。2027年度(令和9年度)の日程は、2026年10月1日時点で公表されていません。また、センターが2026年4月8日に公表したとおり、令和9年度から学科試験は上期・下期とも原則としてCBT方式(会場のパソコンで解答する方式)に移行します。筆記方式は、災害などでCBT方式が実施できない場合に必要に応じて行うとされています。CBT方式は期間内の空いている日と会場を選んで受けられ、試験の終了後に正答数が表示されます。
年2回の試験で、学科はCBTで受ける日も選べるので、ここでは「1週間に何時間勉強できるなら、何週間かかるか」で整理します。平日と休日の組み合わせは、週9時間(平日1時間・休日2時間)、週13.5時間(平日1時間30分・休日3時間)、週18時間(平日2時間・休日4時間)の3通りです。週数は合計時間を週あたりの時間で割り、小数第2位以下を切り上げて小数第1位まで表示しています(切り捨てや四捨五入だと目標の時間に届かない週数が出るため)。
| 合計の勉強時間 | 週9時間 | 週13.5時間 | 週18時間 |
|---|---|---|---|
| 100時間 | 11.2週 | 7.5週 | 5.6週 |
| 150時間 | 16.7週 | 11.2週 | 8.4週 |
| 200時間 | 22.3週 | 14.9週 | 11.2週 |
初学者が合計200時間を見込むなら、平日1時間・休日2時間のペースで22.3週(5か月ほど)、週13.5時間のペースでも14.9週(3か月半ほど)かかります。技能試験の日から逆算して、それだけ前に始める計算です。
もう1つ大事なのが、学科と技能の間隔です。2026年度の日程で数えると、学科の筆記方式から技能試験(土曜日)までは、上期で55日(約7.9週)、下期で48日(約6.9週)しかありません。CBT方式の最終日に受けた場合は、上期で41日(約5.9週)、下期で34日(約4.9週)です。逆に、CBT方式の初日に受ければ、上期で86日(約12.3週)、下期で79日(約11.3週)あります(いずれも当サイト算出)。
技能の練習に40〜60時間かかるとすると、週9時間のペースでは4.5〜6.7週が必要です(小数第2位以下を切り上げ)。学科の結果を待ってから技能の準備を始めると、筆記方式の日程では間に合わない人が出てきます。学科の勉強の後半から工具と材料をそろえ、複線図の練習を並行して始めておくのが安全です。複線図の土台になる配線の知識は学科の配線図問題でも学ぶので、並行して進めれば両方の対策になります。
試験日から復習の間隔を逆算したいときは、復習スケジューラが使えます。各資格の試験日程は資格試験スケジュールにまとめています。
学科と技能の時間配分、学科の中の配分
学科と技能の配分を示している学習サイトでは、キャリカレが学科100〜150時間・技能40〜60時間、電工ナビコネクトが学科30〜50時間・技能20〜30時間としています。合計に占める技能の割合は、学科と技能の時間幅の組み合わせしだいで、キャリカレは約21〜38%(技能40時間と学科150時間のとき最小、技能60時間と学科100時間のとき最大)、電工ナビコネクトは約29〜50%(技能20時間と学科50時間のとき最小、技能30時間と学科30時間のとき最大)になります(当サイト算出)。どの配分が合格に有利かを比べたデータはありません。
学科の中の配分は、センターが公表している出題の構成から自分で決められます。
| 区分 | 出題数 | 配点 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 一般問題 | 30問程度 | 1問2点 | 電気の基礎理論、配電理論と配線設計、機器・材料・工具、施工方法、検査方法、法令 |
| 配線図 | 20問程度 | 1問2点 | 配線図の図記号、結線、使う材料や工具の判断 |
出題数と配点は、令和8年度上期の問題によります(「程度」はセンターの表記で、変わることがあります)。合格には60点、つまり30問の正解が必要です。手順は次のとおりです。
- 過去問を1回分解いて、一般問題と配線図に分けて正答数を数える。センターは過去の問題と解答をホームページで公開しています。
- 目標を分けて置く。たとえば、一般問題で18問、配線図で14問の合計32問(64点)、という具合です。
- 目標との差が大きい区分に時間を寄せ、1〜2週間ごとに測り直す。
電気の計算問題が苦手な人は、計算問題を後回しにして、暗記中心の問題で先に点を積むという考え方もあります。工具や材料の写真を見て答える問題、図記号の問題は、覚えた量がそのまま点になりやすい分野です。過去問を何周すればよいかは過去問は何周すればいいか、覚えたことを本番で思い出せるようにする方法は試験勉強の科学で扱っています。
勉強時間を確保する場所:自習室代はいくらかかるか
学科の勉強を続けるうえで最も大きな壁は、毎日の時間を確保し続けることです。家では集中できない人にとって、勉強する場所の選択は時間の確保そのものです。
当サイトに掲載している有料自習室のうち、月額プランがある324施設で、各施設の最も安い月額プランの料金を集計しました(2026年9月30日時点)。
| 集計の範囲 | 金額 |
|---|---|
| 第1四分位(安い方から4分の1の位置) | 月5,800円 |
| 中央値 | 月7,800円 |
| 第3四分位(高い方から4分の1の位置) | 月11,000円 |
324施設のうち320施設は、当サイトが公式サイトと料金を突き合わせて確認した掲載です。「最も安い月額プラン」には、夜間のみや平日のみといった利用時間に制限のあるプランも含まれます。
自習室が向いているのは学科の勉強です。技能の練習は電線を切ったりむいたりするので音や切りくずが出て、静かに勉強する自習室には向きません。学科の目安を未経験者の100〜150時間(キャリカレ)とすると、週13.5時間で100時間なら7.5週、週9時間で150時間なら16.7週です。月単位で契約すると2〜4か月分になり、中央値の月7,800円なら自習室代は1万5,600円〜3万1,200円です(当サイト試算)。これに受験手数料11,100円と、前の節で見た工具・練習材料の費用が加わります。
公立図書館は無料で使えますが、館によっては持ち込みの勉強を制限していたり、席の数が少なかったりします。平日の夜や休日に確実に座れるかどうかは、事前に確かめておくと安心です。
受かった後の数字:電気工事士の需要と働き方
需要の根拠は法律の作業制限にある
第二種電気工事士の需要を支えているのは法律です。電気工事士法3条2項は、第一種または第二種電気工事士の免状を持つ人でなければ、一般用電気工作物等の電気工事の作業に従事してはならないと定めています(保安上支障がないとして省令で定める軽微な作業を除く)。一般用電気工作物等とは、一般住宅や商店などの屋内配線や、小規模な太陽電池発電設備などです。この規定に違反した人には罰則もあります(同法14条)。
なお、試験に合格しただけでは作業はできません。合格後に、住んでいる都道府県の知事に申請して免状の交付を受ける必要があります。
1985年度以降の技能試験合格者は延べ約187万人。免状交付者の公表値は確認できなかった
センターの推移表にある1985年度から2026年度上期までの技能試験合格者を合計すると、約187万人です(当サイト算出)。これは試験合格者の延べ人数で、免状の交付を受けた人の数ではありません。1984年度以前の合格者や、養成施設の修了によって免状を取った人も含まれていません。また、引退した人や亡くなった人も差し引かれていません。免状は都道府県知事が交付する仕組みで、交付者数の全国の累計は確認できませんでした。
電気工事業者で働く電気工事士は40〜50代が中心
経済産業省が2026年2月の審議会に示した資料には、電気工事業者へのアンケート(令和6年度)の結果があります。回答した事業者に所属する第一種・第二種電気工事士(年代別の人数の合計で35,510人、当サイト算出)の年齢は、40代が23.2%、50代が23.1%で最も多く、60代以上が20.7%、29歳以下は15.5%でした(60代以上と29歳以下は当サイトが合算)。女性は3.4%です。また、回答した事業者の70.5%が人手が「大いに不足」または「やや不足」と答えています(当サイトが合算)。資料は、若年人口の減少などにより電気工事の人材が不足するおそれがあるとしています。
年収は「職種の値」で見るしかない
第二種電気工事士の資格を持つ人だけを対象にした公的な賃金統計はありません。参考として、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)の職種「電気工事従事者」の値から、年収を「所定内給与×12か月+年間賞与」で当サイトが算出すると、約568万円(平均年齢41.6歳)になります。全産業の約510万円(平均44.4歳)を上回ります。
ただし、この値は電気工事の仕事をしている人の平均で、第二種電気工事士の資格を持つ人だけの値ではありません。資格の種類や有無を問わない職種全体の値です。また、資格を取れば年収がこの水準になることを示すものでもありません。
センターは第二種電気工事士を、第一種電気工事士や第三種電気主任技術者へステップアップしていく「最初の登竜門」と位置づけています。電験三種の勉強時間は電験三種の勉強時間で同じ方法で整理しています。
よくある質問
第二種電気工事士の勉強時間は何時間必要ですか?
想定する受験者によって変わります。条件を明示している学習サイトの目安をそろえると、電気の知識がない人が独学する場合で100〜200時間、未経験者・初学者の目安として学科と技能を合わせて140〜210時間(ユーキャンは200時間、キャリカレは学科100〜150時間と技能40〜60時間)、電気関係の学校を卒業した人で100時間前後です。試験を実施する電気技術者試験センターは学習時間を公表しておらず、調査の人数や方法まで示した学習サイトも見当たりませんでした。
第二種電気工事士の学科(筆記)と技能(実技)の勉強時間はそれぞれどれくらいですか?
学科と技能を分けて示している学習サイトでは、未経験者で学科100〜150時間・技能40〜60時間(キャリカレ)、独学で短期合格を狙う場合で学科30〜50時間・技能20〜30時間(電工ナビコネクト)です。技能は時間より練習の回数で考えるほうが計画を立てやすく、候補問題13問を3周する場合、1周目を1作品1時間、2〜3周目を30〜35分とすると施工だけで約26〜28時間になります(当サイト試算)。
第二種電気工事士は1か月や最短何日で合格できますか?
合計100時間を1か月(30日、約4.3週)で積むには週23.4時間ほど(当サイト試算)が必要です。一方、ホーザンが受験者224人に聞いたアンケートでは、学科の勉強期間が1か月未満だった人が69人(30.8%、当サイト算出)で、その平均点は75点でした(合格基準は60点。回答者が合格したか、電気の知識があったかは示されていません)。学習サイトの目安で短いものには、通信講座で約20時間・独学で約50時間(SAT)、独学で短期合格を狙う場合の50〜80時間(電工ナビコネクト)、電気関係の学校を卒業した人の100時間前後(CIC日本建設情報センター)があります。電工ナビコネクトの目安には経験の前提が書かれておらず、SATの目安は初心者・未経験者向けの記事に書かれたものですが、どちらも調査の人数や方法は示されていません。CIC日本建設情報センターの目安は電気関係の学校の卒業者が対象です。電気工学の課程を修めて卒業した人は申請により学科試験が免除されます。短期合格の体験談にこうした人が含まれるかは確認できないため、体験談を読むときは書いた人の前提条件を確かめてください。
第二種電気工事士の技能試験は何回練習すればいいですか?
工具メーカーのホーザンが過去の受験者139人に聞いたアンケートでは、候補問題13問の練習回数は3回が45人、2回が43人で、2〜3回の人が63.3%でした(割合は当サイト算出)。技能試験は作品に欠陥が1つでもあれば不合格で、試験時間は40分です。練習用の材料はホーザン製で13問1回分が税込42,900円、3回分が82,390円で、練習回数がそのまま費用に響きます。
第二種電気工事士を取ると年収は上がりますか?
第二種電気工事士の資格を持つ人だけを対象にした公的な賃金統計はありません。参考値として、賃金構造基本統計調査(令和7年)の職種「電気工事従事者」の年収を所定内給与と賞与から当サイトが算出すると約568万円(平均41.6歳)で、全産業の約510万円(平均44.4歳)を上回ります。ただしこれは資格を持つ人だけの値ではなく、資格を取れば年収が上がることを示すものでもありません。
調査方法・出典について
- 受験者数・合格者数・合格率は、センター「第二種電気工事士試験の試験結果と推移」(令和8年8月更新)と各期の結果発表資料によります。年度の合格率は上期・下期の合計から当サイトが算出しました(上期と下期の両方を受けた人は2回数えられます)。令和6年度上期の学科合格者数は、当初の発表(2024年6月10日)と推移表の42,194人を使いました。
- 技能試験合格者の累計約187万人(1,865,565人)は、同じ推移表の1985年度から2026年度上期までの技能試験合格者数を当サイトが合計したものです。内訳は1985〜2005年度が640,699人、2006〜2010年度が233,402人(学科免除者対象と学科合格者対象の2区分の技能試験の合計)、2011〜2025年度が948,589人、2026年度上期が42,875人です。
- 試験の日程・手数料・合格基準・学科免除の条件は、センターの試験日程ページ、「令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」、令和8年度下期の受験案内、試験概要によります。学科の出題数と配点は令和8年度上期の学科試験問題(筆記方式)、技能試験の試験時間は令和8年度の候補問題の公表資料と「技能試験の概要と注意すべきポイント」によります。CBT方式への移行はセンターの2026年4月8日付のお知らせによります。
- 申込者の属性・勤務先・受験動機・年代は、センター「令和7年度電気技術者試験受験者実態調査」によります。属性の割合は、無回答を除いた人数から当サイトが算出しました(申込者全体に占める就業者の割合は、就業者計54,983人を合計156,549人で割ったものです)。年代の割合は報告書の参考資料「母集団の年代別構成」にある、電工2種の新規申込者(156,549人)のグラフから当サイトが読み取った概数です。
- 電気工事士の作業制限と罰則は、経済産業省「電気工事士法の逐条解説(令和6年7月版)」に掲載された条文(3条、14条)で確認しました。
- 電気工事業者で働く電気工事士の年齢構成と人手不足感は、経済産業省の審議会資料(2026年2月19日)によります。
- 年収は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の一般労働者(企業規模10人以上、男女計)の値から、所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額で当サイトが算出しました。職種(小分類)第1表の「電気工事従事者」と、産業大分類 第1表の産業計(民営事業所)の値です。
- 学習サイトの勉強時間の目安と配分、技能練習の目安は、2026年10月1日に各社の解説ページで確認しました。電気工事士免状の交付と養成施設の規定は、電気工事士法4条(同じ逐条解説に掲載)で確認しました。技能の練習時間の試算は、TACとJTEXが示す1作品あたりの時間から当サイトが計算しました。
- 学科の勉強期間・平均点・1日の勉強時間は、ホーザン「電工試験の虎」が公開している2024年上期学科アンケートによります。人数は公開されたグラフの値で、回答者数(224人・226人)と割合は当サイトが算出しました。平均点・最高点は同じ資料の表の値です。
- 練習回数は、ホーザンが公開しているアンケート(回答者139人)によります。人数はグラフから読み取った値で、割合は当サイトが算出しました。工具と練習材料の価格は、2026年10月1日にホーザンの製品ページで確認した税込価格です。
- 自習室の料金は、当サイトに掲載している有料自習室のうち月額プランがある324施設について、各施設の最も安い月額プランを2026年9月30日時点で集計しました。
- 公表値は今後の発表で更新される場合があります。受験の際は、必ず電気技術者試験センターの公式情報をご確認ください。