「公認会計士の勉強時間は3,000時間」。調べるとまずこの数字が出てきます。ところが、学習サイトを読み比べると、目安は3,000時間から5,000時間、なかには6,000時間以上と書くところまであります。1,000時間単位でずれている数字を前に、どれを信じて計画を立てればいいのか迷う人は多いはずです。
ただ、各サイトが「どんな受験者を、何年で合格させる前提で書いているか」をそろえて読み直すと、ずれの多くは説明がつきます。この記事では、その読み直しに、試験を実施している公認会計士・監査審査会の公式統計と、合格者の勉強時間・勉強期間を実際に調べた数少ないデータを重ねて、「自分には何時間、何年必要なのか」を自分で見積もれるようにします。社会人と大学生で何が違うのか、1日に何時間やればいいのか、科目にどう配分するのか、勉強場所にいくらかかるのか、合格した先にどんな数字があるのかまで整理します。
この記事の要点
- 学習サイトの目安は3,000〜5,000時間と割れている。条件でそろえると、一般論で3,000〜5,000時間、1〜2年の短期で一発合格する場合の下限が3,000時間、2年ほどかけて合格する場合で4,000時間以上と整理できる(ただし2年で3,000時間とする学校もある)
- 実測値は、TACが自社の合格者730名分の合格体験記から集計した「一発合格者の平均3,776時間」。公式の統計では、金融庁の2009年の合格者アンケートで、短答式合格までの勉強期間が平均2.3年、そこから論文式合格までが平均0.9年だった
- 令和7年試験の最終合格率は対出願者で7.4%。合格者の55.3%は学生で、会社員として出願した人の合格率は2.5%と、学生(9.6%)の約4分の1だった
- 期間別に試算すると、4,000時間を2年で積むには週38.5時間、休日に8時間ずつ勉強しても平日に1日4時間30分が必要になる(当サイト試算)
- 令和9年試験から、論文式の合格基準の目安は「52%〜54%の得点比率」となり、52%から54%へ3〜4年かけて段階的に引き上げる予定とされている。短答式の一部では英語の問題も出る
- 公認会計士として登録している人は3万8,612人(2026年8月末)。登録には試験合格に加えて3年以上の実務経験と実務補習の修了が必要で、協会に準会員(四号準会員)として入会している試験合格者が別に6,694人いる
結論:受験者の条件と期間をそろえると、目安のずれは小さくなる
先に結論をまとめます。公認会計士試験の勉強時間の目安は、学習サイトごとにばらばらに見えますが、各サイトが書いている「想定する受験者」と「合格までの期間」の条件で並べ直すと、次のように整理できます。
| 想定する受験者・期間 | 目安 | そう示している学習サイト |
|---|---|---|
| 経歴や学習方法を限定しない一般論 | 3,000〜5,000時間 | スタディング(平均3,000〜5,000時間)、CPA会計学院(独学のページで3,000〜5,000時間と言われるとする)、TAC(一般的に3,500〜4,000時間と言われ、3,500時間が1つの目安)、クレアール(一般的に4,000時間)、大原(一般的に3,000時間) |
| 1〜2年の短期で一発合格する場合の下限 | 3,000時間 | TAC(最短合格を狙う場合でも最低3,000時間)、CPA会計学院(最も少なくて3,000時間。1年なら1日10時間)、スタディング(1年なら少なくとも約3,000時間) |
| 2年で一発合格する場合 | 3,000時間 | 大原(2年で一発合格をするために必要な勉強時間の目安) |
| 社会人が働きながら2〜4年かけて合格する場合 | 3,000時間以上 | CPA会計学院(社会人向けのページ。最低でも3,000時間以上を2〜4年で積む前提) |
| 自社の学習法で1.5〜2年かけて合格する場合 | 約3,000時間以上 | クレアール(一般には4,000時間以上とされるが、自社の学習法では短くなるとする) |
| 2年ほどかけて合格する場合 | 4,000時間以上 | CPA会計学院(勉強時間の解説ページ。2年で合格を目指す人は4,000時間以上が一般的)、スタディング(社会人は2〜3年で4,000時間以上が賢明) |
| 複数年の受験を含めた期間込みの一般論 | 3,000〜6,000時間以上 | マイナビ会計士(2〜4年で3,000〜6,000時間以上) |
| 講座受講者の一発合格者(実測) | 平均3,776時間 | TAC(2014〜2021年の自社合格者の合格体験記730名分から集計) |
| 日商簿記1級・2級から目指す人 | 1,000〜1,500時間ほどの追加学習 | スタディング(簿記で財務会計の基礎が身についている分、短縮できる可能性があるとする) |
この表から言えるのは次のことです。
- 3,000時間は「平均」ではなく、「最低」「最も少なくて」という言い方で示されることが多い数字です(TAC、CPA会計学院)。大原は2年で一発合格するための目安、CPA会計学院の社会人向けページは2〜4年で積む最低ラインとして示しています。
- 簿記や会計の学習経験がなく、2年ほどかけて合格を目指すなら、4,000時間を見込んでおくのが無難です。TACが集計した一発合格者の平均3,776時間とも大きくは離れていません。
- 短答式・論文式で不合格をはさんで受験回数が増える場合は、5,000時間を超えることも珍しくないと、マイナビ会計士とクレアールは書いています。不合格になった場合の上乗せも見込んでおくと安全です。
公認会計士試験については、合格者の人数と時期を示した実測値がTACから公開されています。確認した6サイトのうち、目安の根拠になる調査の人数と時期まで示していたのはTACだけでした。ただしTACの数字も自社の講座を使った合格者の値で、独学の人の値ではありません。
独学で合格した人の勉強時間を調べた実測値は、確認できた範囲ではありません。公式の統計にも、合格者が独学だったか講座を使ったかの内訳はありません。CPA会計学院は独学での合格を「不可能ではないがかなり難しい」とし、3,000〜5,000時間を1年半で積むと1日5.4〜9.1時間になると試算しています。スタディングは、独学では教材選びやスケジュール管理にも時間がかかるため、試験に使う時間はさらに多くなるとしています。独学で挑むなら、表の目安より多めの時間を見込んでおくのが無難です。
「勉強時間の目安」そのものがどこまで当てになるのかは、勉強時間の目安は本当かで学習科学の研究をもとに検証しています。
それでも数字がずれる理由
条件をそろえても残るずれの理由として、次の3つが考えられます。各社が理由として書いていることと、確かめられていないことを分けて書きます。
1つめは、複数回の受験を含めているかどうかです。TACとクレアールは、勉強時間に幅が出る理由として受験回数の違いを挙げています。短答式は年2回、論文式は年1回なので、一度不合格になると、次の試験まで数か月から1年分の勉強時間が上乗せされます。「5,000時間」「6,000時間以上」という数字は、複数年の受験を含んでいる可能性があります。ただ、審査会の会長は「2年間で5,000時間」と示しており、期間の長さだけでは説明できません。
2つめは、講義を受ける時間を含めているかどうかです。TACの合格体験記の集計では、合格者の1日あたりの学習時間は入門・基礎期で6.2時間、上級期で8.6時間ですが、これは講義時間を含んだ値だとTACは書いています。他の学習サイトの目安が講義時間を含むかどうかは、確認した範囲では書かれていませんでした。含むかどうかで総時間が変わる可能性はありますが、確かめられた違いではありません。
3つめは、何年で合格する前提かです。ただし、期間が長いほど総時間が増える、とは言えません。CPA会計学院は勉強時間の解説ページで、2年で合格を目指す人は4,000時間以上を一般的としています。一方、同社の社会人向けページは、総勉強時間3,000時間を2年で積む場合の1日あたりを約4.1時間と示しています。大原も、2年で一発合格する目安を3,000時間としています。同じ2年でも、学校や想定する受験者によって3,000時間から4,000時間以上まで開いています。
講座を売る立場からの見せ方にも注意が要ります。クレアールは、一般に4,000時間以上と言われるところ、自社の学習法なら約3,000時間以上で済むとしています。講座の宣伝と結びついた目安は、そのまま自分に当てはめず、他社の数字と並べて読むのが安全です。
合格者は実際に何時間・何年かけていたか
TACの合格者730名:一発合格者は平均3,776時間
TACは、2014〜2021年に合格した自社受講生の合格体験記730名分のアンケートを集計し、次の数字を公開しています。
- 一回の試験で合格した「一発合格者」の総勉強時間は平均3,776時間
- 1日あたりの学習時間(講義時間を含む)は、入門・基礎期で平均6.2時間、上級期(本試験の約半年前から)で平均8.6時間
- 3,000時間前後で合格した人も少なからずいるが、簿記の学習経験がある場合を除けば、2,000時間台での合格は限られる
TACは同じページで、実際には週に1〜2日の休息日を設ける人も多く、学習の初めのうちはこの半分くらいの時間でカリキュラムを消化できるとも書いています。注意点は3つあります。対象はTACの講座を使った合格者だけで、730名のうち一発合格者が何人だったかは示されていません。不合格をはさんだ人の総時間は、この平均には含まれていません。また、集計の対象は2014〜2021年の合格者で、出願者が急増した2022年以降や、令和8年からの短答式の問題数・試験時間の変更より前のデータです。
公式の調査:短答式まで平均2.3年、論文式まで平均0.9年
勉強の「期間」については、金融庁が調べた公式のデータがあります。2009年12月、実務補習所の入所ガイダンスに参加した合格者を対象に行ったアンケートで、1,781人が回答しました(回答率89.8%)。
| 経歴 | 短答式合格まで | 短答式から論文式合格まで |
|---|---|---|
| 全体 | 平均2.3年 | 平均0.9年 |
| 在学中に合格 | 平均1.9年 | 平均0.4年 |
| 卒業後、就職せずに勉強 | 平均2.6年 | 平均1.2年 |
| 就職後、勉強のために退職 | 平均2.2年 | 平均0.9年 |
| 監査法人・会計事務所で勤務 | 平均2.8年 | 平均2.2年 |
| 企業・官公庁で勤務 | 平均2.2年 | 平均1.1年 |
全体では、勉強を始めてから最終合格までおよそ3年強(2.3年+0.9年、当サイト算出)かかっていたことになります。働きながら合格した人は、とくに短答式合格後に時間がかかる傾向でした。ただし、これは2009年の調査で、当時の合格者は2,229人と今より多く、受験者の数や構成も今とは違います。期間の目安として参考にとどめてください。
試験を実施する側の発言:「2年間で5,000時間」
学習時間を調べた公式の統計は確認できませんでした。ただ、公認会計士・監査審査会の会長は、2025年7月2日に福岡大学で行った講演の資料で、合格するために必要なものとして「2年間で5,000時間」と示しています。講演資料のスライドで、根拠となる調査は示されていません。それでも、試験を実施する側のトップが学習サイトの目安より多めの数字を挙げている点は、計画を立てるうえで知っておく価値があります。
合格者・受験者の実像:会社員と学生で何が違うか
合格率7.4%、ただし数字の意味に注意
令和7年(2025年)の公認会計士試験には2万2,056人が出願し、最終合格者は1,636人でした。最終合格率は対出願者で7.4%です。ここ数年は出願者が増え続けており、合格率は7%台で推移しています。
公認会計士試験 願書提出者数・合格者数と合格率の推移(2006〜2025)
- 願書提出者数
- 合格者数
- 合格率(%・対願書)
7.4%という数字は、短答式と論文式の2段階を通した割合です。令和7年は、短答式に合格した2,409人と、過去の短答式合格などで免除を受けた2,256人の計4,665人が論文式の受験者として集計され、そのうち35.1%が合格しました。この4,665人には、審査会の得点階層分布表で欠席者とされた445人が含まれます。実際に受けた4,220人に対する合格率は約38.8%です(当サイト算出)。最初の関門は短答式で、令和8年試験では答案を提出した人に対する合格率が、第Ⅰ回(2025年12月14日実施)で12.2%、第Ⅱ回(2026年5月24日実施)で9.0%でした(当サイト算出)。試験がどんなふうに増員・抑制を繰り返してきたかは、公認会計士試験はどう変わったかで詳しく扱っています。
合格者の半数以上は学生、平均年齢は24.6歳
令和7年の合格者を、出願時の職業と年齢で見ると次のとおりです。
| 区分 | 合格者 | 構成比 |
|---|---|---|
| 学生 | 905人 | 55.3% |
| 無職 | 395人 | 24.1% |
| 専修学校・各種学校受講生 | 94人 | 5.7% |
| 会社員 | 89人 | 5.4% |
| 会計事務所員 | 67人 | 4.1% |
| その他(公務員・会計士補などを含む) | 86人 | 5.3% |
表の「その他」の構成比は当サイト算出です。合格者の平均年齢は24.6歳で、20歳以上25歳未満が61.2%、25歳以上30歳未満が26.3%を占めます。30歳以上は合わせて10.8%でした(当サイト算出)。学歴で見ると、大学在学(短大含む)の人が653人(39.9%)います。「無職」の24.1%には、卒業後や退職後に受験に専念している人が多く含まれると考えられます。先の金融庁のアンケートでも、卒業後に就職せずに合格した人が37.6%、勉強のために退職した人が15.4%でした。
会社員の合格率は2.5%
出願者に対する合格率を職業別に比べると、差がはっきり表れます。
令和7年 公認会計士試験 出願時の職業別に見た最終合格率(対出願者)
出願者9,400人・合格者905人
出願者4,358人・合格者395人
出願者835人・合格者67人
出願者22,056人・合格者1,636人
出願者1,372人・合格者94人
出願者718人・合格者23人
出願者3,544人・合格者89人
会社員として出願した3,544人のうち、合格したのは89人(2.5%)でした。学生の9.6%、無職の9.1%と比べて約4分の1です。論文式の受験者(欠席者を含む)に対する合格率でも、会社員は18.1%、学生は48.3%と差があります。ほかの職業を出願者に対する合格率で見ると、会計事務所員が8.0%、公務員が3.2%で、働きながら受ける人の中でも職業によって差があります。
この差の原因は、合格者調では調べられていません。勉強に使える時間の差も要因として考えられますが、仕事の都合で欠席した人、記念受験に近い人、受験回数の違いなども含まれていると考えられます。それでも、会社員として受ける人は、学生と同じ期間で合格する前提を置かないほうがよい、と考えるのが無難です。TAC・スタディング・クレアールが社会人の学習期間を2〜3年、CPA会計学院が2〜4年としているのは、この合格率の差と方向が一致します。
合格ラインの仕組み:短答式は70%、論文式は52%を目安に審査会が決める
公認会計士試験は、決まった点を取れば必ず受かる試験ではありません。公認会計士・監査審査会は、合格基準を次のように説明しています。
- 短答式試験:総得点の70%を目安として、審査会が相当と認めた得点比率。1科目でも満点の40%に届かず、かつ答案提出者の下位33%に入る得点だと、不合格になることがあります。令和8年試験の実際の合格基準は、第Ⅰ回が75%、第Ⅱ回が70%でした。
- 論文式試験:得点比率52%を目安として、審査会が相当と認めた得点比率。得点は素点ではなく、採点者ごとの差をならすために偏差値の考え方で換算します。1科目でも得点比率が40%に届かないと、不合格になることがあります。令和7年の合格基準は52.2%でした。
論文式の総合点は、配点に応じた重みで計算されています。審査会が公表した成績通知書の見本の数値で確かめると、総合の得点比率は、会計学(300点)を3倍、他の4科目(各100点)を1倍として平均した値と一致しました(当サイト検算)。会計学の出来が合否に大きく効く仕組みです。
勉強期間の計画に直接かかわる制度もあります。
- 短答式に合格すると、合格発表の日から2年を経過する日までの短答式試験が免除され、論文式から受けられます。
- 論文式で不合格でも、科目ごとに一定以上の成績を取った人は、その科目が合格発表の日から2年を経過する日まで免除されます。令和7年は669人がこの免除資格を得ました。
令和9年試験から変わること
令和9年試験からは、2つの変更が始まります。1つは、論文式の合格基準です。審査会のQ&Aでは、令和9年試験以降は「52%〜54%の得点比率」を目安とし、従来の52%から54%へ3〜4年かけて段階的に引き上げる予定としています。審査会は、短答式の合格者を増やして論文式で競争させる方針を示しており、合格基準の引き上げで論文式の合格率(欠席者を含む)は30%台後半から20%台後半に下がると見込んでいます。令和8年の短答式合格者は2,520人で、令和7年の2,409人から増えました。同じ資料では、論文式で科目ごとの免除を得る基準を、合格者の平均得点比率から「各科目の答案提出者の上位15%にあたる人の得点比率」に改める方針も示されています。
もう1つは、短答式の財務会計論・管理会計論・監査論で、一部が英語で出題されることです。令和9年の配点は、3科目の合計で短答式の総点数の5〜6%程度とされています。
合格基準が上がる方向に動いている以上、「最低3,000時間」を前提にぎりぎりの計画を立てるより、余裕を見ておくほうが安全です。
いつから始める? 期間別の「1週・1日あたりの時間」
令和9年試験の日程
令和9年(2027年)公認会計士試験の日程は、すでに公表されています。
| 試験 | 試験日 | 合格発表(予定) |
|---|---|---|
| 第Ⅰ回短答式 | 2026年12月13日(日) | 2027年1月22日(金) |
| 第Ⅱ回短答式 | 2027年5月23日(日) | 2027年6月18日(金) |
| 論文式 | 2027年8月20日(金)〜22日(日) | 2027年11月19日(金) |
第Ⅰ回短答式の出願は2026年9月17日で締め切られています。第Ⅱ回短答式の出願期間は2027年2月1日から2月24日までです。短答式はどちらか1回に合格すれば論文式を受けられます。
期間別に必要な時間
公認会計士試験は、論文式まで含めると年単位の勉強になるので、開始月ではなく「論文式試験まで何年あるか」で計算しました。1年は365.25日として週数を出しています。表の週数は四捨五入した表示で、計算には正確な週数を使いました。
週あたりの時間は、目標の時間に届くよう0.5時間単位で切り上げています。「平日1日」の列は、休日の2日に8時間ずつ(週16時間)勉強した場合に、平日1日あたり必要な時間を10分単位で切り上げた値です。いずれも当サイト試算で、表の時間をその期間続ければ目標の時間に届きます。
| 論文式まで | 週数 | 3,000時間:週 | 3,000時間:平日1日 | 4,000時間:週 | 4,000時間:平日1日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1年 | 約52週 | 57.5時間 | 8時間20分 | 77時間 | 12時間10分 |
| 1年半 | 約78週 | 38.5時間 | 4時間30分 | 51.5時間 | 7時間10分 |
| 2年 | 約104週 | 29時間 | 2時間40分 | 38.5時間 | 4時間30分 |
| 2年半 | 約130週 | 23時間 | 1時間30分 | 31時間 | 3時間 |
| 3年 | 約157週 | 19.5時間 | 40分 | 26時間 | 2時間 |
| 4年 | 約209週 | 14.5時間 | 休日だけで足りる | 19.5時間 | 40分 |
この表から分かるのは、1年で合格するには毎日8時間以上を休みなく続ける必要があり、働きながらでは現実的でないということです。たとえば2026年10月1日から令和9年の論文式(2027年8月20日)までは323日(約46.1週)あり、この間に3,000時間を積むには週65.5時間が必要です(当サイト試算、0.5時間単位で切り上げ)。
働きながら4,000時間を目指すなら、2年なら平日に毎日4時間30分、3年でも平日に毎日2時間が必要です。TACの合格者の1日あたり6.2〜8.6時間(講義込み)と比べると、社会人が2年以内で合格するのは、勉強に使える時間の面で学生や受験専念者より厳しい条件での挑戦になります。
試験日から復習の間隔を逆算したいときは、試験日を入れるだけで復習日を提案する復習スケジューラが使えます。各資格の試験日程は資格試験スケジュールにまとめています。
科目別の時間配分:TACとCPA会計学院は財務会計論に3分の1強
公認会計士試験の科目と配点は、試験実施機関が公表しています。
| 試験 | 科目 | 配点 | 問題数・時間 |
|---|---|---|---|
| 短答式 | 財務会計論 | 200点 | 35問・150分 |
| 短答式 | 管理会計論 | 100点 | 18問・75分 |
| 短答式 | 監査論 | 100点 | 20問・50分 |
| 短答式 | 企業法 | 100点 | 20問・50分 |
| 論文式 | 会計学 | 300点 | 午前120分・午後180分 |
| 論文式 | 監査論 | 100点 | 120分 |
| 論文式 | 企業法 | 100点 | 120分 |
| 論文式 | 租税法 | 100点 | 120分 |
| 論文式 | 選択科目 | 100点 | 120分 |
短答式の問題数と時間は令和8年試験のものです。論文式の会計学のうち、午後の財務会計論が200点を占めます。選択科目は経営学・経済学・民法・統計学から1つを選び、令和6年試験では論文式受験者の約97%が経営学を選んでいました。
TACとCPA会計学院の科目別の配分を並べると、細かな違いはあるものの、どちらも財務会計論に全体の3分の1強(38.3%と35.0%)を充てています。
| 科目 | TAC(合格者の実績) | CPA会計学院(3,000時間の内訳) |
|---|---|---|
| 財務会計論 | 38.3% | 約1,050時間(35.0%) |
| 管理会計論 | 13.9% | 約520時間(17.3%) |
| 監査論 | 12.7% | 約430時間(14.3%) |
| 企業法 | 13.5% | 約480時間(16.0%) |
| 租税法 | 13.4% | 約340時間(11.3%) |
| 選択科目 | 8.2% | 約180時間(6.0%) |
TACの値は合格体験記のアンケートから集計した実際の配分(財務会計論は計算20.0%と理論18.3%の合計)です。CPA会計学院の値は、社会人向けのページで短答式約1,800時間・論文式約1,200時間として示された科目別の目安を、当サイトが科目ごとに合計して割合にしたものです。スタディングは、短答式で財務会計論約700時間、管理会計論と企業法が各約300〜400時間、監査論約170〜300時間、論文式で租税法約330〜400時間などとしています。ただし論文式の会計学は財務会計論と管理会計論をまとめて約300〜400時間としているため、財務会計論だけの割合は出せません。どの配分が合格に有利かを比べたデータはありません。
自分の配分を決めるときは、配点を出発点にし、得点状況も踏まえて調整します。短答式では財務会計論が500点中200点(40%)、論文式では会計学が700点中300点(約43%)を占めます。配点の比重が大きい会計の2科目に時間を厚くかけるのは、ひとつの考え方です。そのうえで、科目ごとに過去問や模試の得点比率を測り、40%の足切りに近い科目があれば最優先で時間を回します。1〜2週間ごとに測り直して配分を変えると、苦手科目の放置を防げます。過去問を何周すればいいかは過去問は何周すればいいかで、試験に効く勉強法は学習科学で見る試験対策で整理しています。会計の基礎を簿記から固めたい人は、簿記のおすすめ参考書ガイドも参考にしてください。
勉強時間を確保する場所:自習室代はいくらかかるか
3,000〜5,000時間を積むうえで最も大きな壁は、毎日の時間を何年も確保し続けることです。家では集中できない人にとって、勉強する場所の選択は時間の確保そのものです。
当サイトに掲載している有料自習室のうち、月額プランがある324施設で、各施設の最も安い月額プランの料金を集計しました(2026年9月30日時点)。
| 集計の範囲 | 金額 |
|---|---|
| 第1四分位(安い方から4分の1の位置) | 月5,800円 |
| 中央値 | 月7,800円 |
| 第3四分位(高い方から4分の1の位置) | 月11,000円 |
324施設のうち320施設は、当サイトが公式サイトと料金を突き合わせて確認した掲載です。「最も安い月額プラン」には、夜間のみや平日のみといった利用時間に制限のあるプランも含まれます。
2年間(24か月分)月単位で契約すると、中央値の月7,800円で自習室代は18万7,200円、第1四分位の月5,800円で13万9,200円、第3四分位の月11,000円で26万4,000円です。3年間(36か月分)なら中央値で28万800円になります。いずれも当サイト試算です。これに受験手数料が加わります。受験手数料は1回の出願ごとに19,500円で、前年以前に短答式に合格して論文式から受ける人も、第Ⅱ回短答式の出願期間に出願して納付します。不合格をはさんで複数回出願すれば、その回数分かかります。
公立図書館は無料で使えますが、館によっては持ち込みの勉強を制限していたり、席の数が少なかったりします。年単位で通うなら、平日の夜や休日に確実に座れるかを事前に確かめておくと安心です。
受かった後の数字:公認会計士はどれだけいて、どう働いているか
登録している公認会計士は3万8,612人
日本公認会計士協会の会員数等調によると、2026年8月31日時点で公認会計士として登録している人は3万8,612人、監査法人は303法人です。公認会計士と監査法人は、すべて日本公認会計士協会に加入しています。会員数(監査法人を含む)は、2010年末の2万1,496から2025年末の3万8,031へと増えています。
これとは別に、試験に合格して協会に準会員(四号準会員)として入会している人が6,694人います。協会の会員数等調は、四号準会員を「公認会計士試験に合格した者(一号準会員に該当する者を除く)」と定めています。合格者全員の数ではなく、協会に入会している人の数です。試験に合格しただけでは公認会計士にはなれません。登録には、3年以上の実務経験(監査の補助などの業務補助等)と、実務補習を修了して内閣総理大臣の確認を受けることが必要です(公認会計士法3条、金融庁「公認会計士の資格取得に関するQ&A」)。実務経験は試験合格の前後を問いません。勉強時間の計画とは別に、登録までには実務経験と実務補習の期間があります。実務補習の修業年限は通常3年ですが、実務経験の時期によって1年または2年に短縮できる場合があります(日本公認会計士協会の実務補習を運営する会計教育研修機構)。
40代が中心、60歳以上は17.3%
2025年12月31日時点の公認会計士3万7,729人の年齢構成は、40代が33.3%で最も多く、30代が22.1%、30歳未満が7.3%です。60歳以上は17.3%でした(いずれも当サイト算出)。合格者の平均年齢は24.6歳ですが、登録者の年齢は幅広く分かれています。この構成には、合格者が多かった年の世代の厚みなども影響していると考えられます。
需要の根拠は法律にある
公認会計士の仕事の中心である監査には、法律の裏付けがあります。公認会計士法は、他人の求めに応じて報酬を得て財務書類の監査や証明をすることを公認会計士の業務と定め(2条1項)、公認会計士か監査法人でない者がこの業務を営むことを禁じています(47条の2)。
そのうえで、上場会社などが提出する財務書類には、利害関係のない公認会計士か監査法人の監査証明を受けることが義務づけられています(金融商品取引法193条の2)。会社法でも、大会社には会計監査人を置く義務があり(328条)、会計監査人は公認会計士か監査法人でなければなりません(337条)。
年収は「公認会計士,税理士」の職種で見る
公認会計士だけを対象にした公的な賃金統計はありません。参考として、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)には「公認会計士,税理士」という職種があります。この職種の年収を「所定内給与×12か月+年間賞与」で算出すると、約766万円(平均年齢42.2歳、勤続8.5年)になります。全産業(産業計)の約510万円(平均44.4歳)を上回ります(いずれも当サイト算出)。
ただし、この値には注意点が3つあります。税理士を含んだ値であること。事業所に雇われて働く人だけが対象で、独立開業した人は含まれないこと。そして、資格を取れば年収がこの水準になることを示すものではないことです。
よくある質問
公認会計士試験の勉強時間は何時間必要ですか?
想定する受験者と期間によって変わります。学習サイトの目安は、経歴や学習方法を限定しない一般論で3,000〜5,000時間、1〜2年の短期で一発合格する場合の下限として3,000時間、2年ほどかけて合格する場合で4,000時間以上です(2年でも3,000時間とする学校もあります)。実測値としては、TACが自社の合格者の合格体験記730名分から集計した一発合格者の平均3,776時間があります。学習時間を調べた公式の統計は確認できませんでしたが、公認会計士・監査審査会の会長は2025年の大学での講演資料で「2年間で5,000時間」と示しています。
公認会計士試験は何年で合格できますか?
TAC・スタディング・クレアールは、受験に専念できる人で1〜1.5年、大学生で1.5〜2年、社会人で2〜3年を目安にしています(CPA会計学院は社会人で2〜4年)。公的なデータとしては、金融庁が2009年に合格者1,781人から回答を得たアンケートがあり、短答式に合格するまでの勉強期間は平均2.3年、短答式の合格から論文式の合格までは平均0.9年でした。古い調査で、その後の試験の状況も変わっている点には注意が必要です。
社会人が働きながら合格するには1日何時間必要ですか?
4,000時間を2年で積むなら週38.5時間で、休日に8時間ずつ勉強しても平日に1日4時間30分が必要です。3年なら週26時間で、平日は1日2時間になります(いずれも当サイト試算で、目標の時間に届くよう切り上げた値)。令和7年試験で職業を会社員として出願した3,544人のうち合格者は89人(2.5%)で、学生の9.6%より低い水準でした。TAC・スタディング・クレアールは社会人の学習期間を2〜3年、CPA会計学院は2〜4年としています。
短答式試験の勉強時間はどれくらいですか?
スタディングは約1,500〜2,000時間、CPA会計学院は総勉強時間3,000時間のうち約1,800時間を短答式の目安としています。短答式は年2回あり、令和8年試験の合格率は答案提出者に対して第Ⅰ回(2025年12月実施)が12.2%、第Ⅱ回(2026年5月実施)が9.0%でした(当サイト算出)。合格すると、合格発表の日から2年を経過する日までの短答式試験が免除され、論文式から受けられます。
大学生のうちに合格できますか?
合格者の多くは学生です。令和7年試験の合格者1,636人のうち、出願時の職業が学生の人は905人(55.3%)、学歴が大学在学(短大含む)の人は653人(39.9%)で、合格者の平均年齢は24.6歳でした。学習期間の目安は、TAC・スタディング・クレアールとも大学生で1.5〜2年としています。
公認会計士試験に独学で合格できますか?
独学で合格した人の勉強時間を調べた実測値は、確認できた範囲ではありません。公式の統計にも、合格者が独学だったか講座を使ったかの内訳はありません。CPA会計学院は独学での合格を「不可能ではないがかなり難しい」とし、3,000〜5,000時間を1年半で積むと1日5.4〜9.1時間になると試算しています。スタディングは、独学では教材選びやスケジュール管理にも時間がかかるため、試験に使う時間はさらに多くなるとしています。独学で挑むなら、講座を使う人の目安より多めの時間を見込むのが無難です。
公認会計士の年収はどれくらいですか?
公認会計士だけを対象にした公的な賃金統計はありません。参考として、賃金構造基本統計調査(令和7年)の職種「公認会計士,税理士」の年収を所定内給与と賞与から算出すると約766万円(平均42.2歳)で、全産業の約510万円(平均44.4歳)を上回ります(当サイト算出)。ただし税理士を含む値で、事業所に雇われて働く人だけが対象です。資格を取れば年収が上がることを示すものではありません。
調査方法・出典について
- 出願者数・論文式受験者数・合格者数・合格率・合格基準・一部科目免除資格取得者数と、合格者の年齢・学歴・職業別の内訳は、公認会計士・監査審査会「令和7年公認会計士試験の合格発表の概要について」「同(論文式試験)の合格点及び合格率等について」「令和7年公認会計士試験合格者調」(2025年11月21日)によります。合格者の30歳以上の割合は年齢別の構成比を当サイトが合計しました。論文式の受験者4,665人は、同資料の得点階層分布表で欠席者445人を含みます。実際に受けた4,220人に対する合格率(約38.8%)は、合格者1,636人を4,220人で割って当サイトが算出しました。職業別の論文式合格率(会社員18.1%、学生48.3%)の分母も、欠席者を含む論文式の受験者です。
- 令和8年試験の短答式の出願者数・答案提出者数・合格者数・合格基準は、審査会の第Ⅰ回・第Ⅱ回短答式試験の「試験結果の概要」と「令和8年公認会計士試験の受験状況について」によります。合格率は合格者数を答案提出者数で割って当サイトが算出しました。短答式の問題数は、令和8年第Ⅰ回・第Ⅱ回の「正解、満点及び配点」で確認しました。
- 令和9年試験の日程と受験手数料は、審査会「令和9年公認会計士試験の施行」(2026年6月19日)と「令和9年公認会計士試験受験案内(第Ⅰ回短答式試験用)」によります。合格基準、免除制度、受験手数料の納付の扱い(出願ごとに納付し、過年度の短答式合格者も第Ⅱ回の出願期間に出願)は審査会「公認会計士試験Q&A」、令和9年以降の合格基準の引き上げと選択科目の選択状況は「公認会計士試験のバランス調整について」、英語による出題は「令和9年公認会計士試験短答式試験における英語による出題に係る配点の割合及び出題範囲について」によります。論文式の総合点の重みは、合格点及び合格率等の資料に載っている成績通知書の見本の数値を使って当サイトが検算しました。
- 勉強期間の公式データは、金融庁「合格者アンケート調査結果」(2009年12月実施、2010年2月19日の公認会計士制度に関する懇談会資料)によります。「2年間で5,000時間」は、公認会計士・監査審査会の会長の講演資料(2025年7月2日、福岡大学)によります。
- 公認会計士の会員数・準会員数・年齢構成は、日本公認会計士協会「会員数等調」(2026年8月31日現在)、「会員数調」(2025年12月31日現在)、「会員・準会員数の推移」によります。年齢構成の割合の合計は当サイトが算出しました。登録の要件は、金融庁「公認会計士の資格取得に関するQ&A」、実務補習の修業年限とその短縮は、会計教育研修機構「修業年限を短縮する場合 - 実務補習」によります(確認日 2026年10月2日)。
- 公認会計士法(2条、3条、47条の2)、金融商品取引法(193条の2)、会社法(328条、337条)の条文は、法務省の日本法令外国語訳データベースで確認しました(確認日 2026年10月1日)。公認会計士法3条の実務経験の期間は令和4年の法改正で2年から3年に延びており、現行の要件は金融庁のQ&Aで確認しました。
- 年収は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者の職種第1表(企業規模10人以上、男女計)の「公認会計士,税理士」と、産業大分類第1表の産業計の値から、所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額で当サイトが算出しました。
- 学習サイトの勉強時間・期間の目安と科目配分は、2026年10月1日に各社の解説ページで確認しました。TACの数値は、同社が公開している2014〜2021年合格者の合格体験記730名分の集計によります。CPA会計学院の科目別の割合は、同社が示した科目別の時間から当サイトが算出しました。週あたりの時間と平日1日あたりの時間は、本文に書いた前提(切り上げ)で当サイトが試算しました。
- 自習室の料金は、当サイトに掲載している有料自習室のうち月額プランがある324施設について、各施設の最も安い月額プランを2026年9月30日時点で集計しました。
- 公表値は今後の発表で更新される場合があります。令和8年の論文式試験の結果は2026年11月20日に発表される予定です。受験の際は、必ず公認会計士・監査審査会の公式情報をご確認ください。